2 / 5
1
しおりを挟む
「とりあえずもう少し離れてもらって」
「……そうですか……」
しょんぼりと垂れた犬の耳が見えるような気がしたが、ここは譲ってもらいたい。俺の心の安寧のために。
「あー……ごめん。悪いんだけど、もう一回説明してもらえる?」
「もちろんです、何度でも。ですが、いつまでもこんな薄暗い場所でお話を続けるのも少々無粋でしょう。付いてきていただけますか?」
「へ」
エレガントな仕草で差し出される手。それを包む、白い生地に綺麗な金の刺繍が施された手袋を、思わずぼんやり見つめてしまう。
ちら、と顔を伺い見れば、紛うことなき美形が柔和な笑みを称えて俺を見ていた。本当、心臓に悪い。
少しだけ間を置いて、出された手に自分のそれを重ねる。まるでそうすることが自然であるかのように、彼は柔らかく俺の手を握った。
五分ほどの時間をかけて連れて行かれたのは、色とりどりの花が咲き誇る庭園だ。
円状の、おそらく中庭の真ん中に華奢な骨組みの椅子とテーブルが一組あり、同じく華奢なデザインの屋根がそれを覆っている。
どうぞと促されるまま、引かれた椅子に落ち着かない気分で腰を下ろした。
「甘いものはお好きですか?」
「え、あ、はい」
「それはよかった」
言うが早いか、どこから現れたのかクラシカルな服装のメイドさんがテーブルの上をセッティングしていく。
あっという間に準備されたティーセットを、これまた勧められるがまま口をつけた。
「……おいしい」
「お口に合って何よりです。どうぞお好きに摘んでください」
軽くテーブルの上を見てみるも、カトラリー類は見当たらない。用意されている菓子は焼き菓子のようで、手で大丈夫なのだろうかと考えていると、合点がいったように対面の彼は頷く。
そして、ひとつ摘むとひょいと口に放り込んだ。どうやらそれは、彼の優しさだ。
目だけで礼を返し、同じように摘んで口に入れた。何のことは無い、アーモンド風味のクッキーだった。おいしい。
「まずは非礼をお詫びさせてください」
なんだろう、と首を傾げる。
「貴方の都合を無視し、我が国に召喚してしまいました」
「都合……」
言われて考える。俺が向こうーー日本で見た、最後の光景を。
あまりぞっとしない話だ。いいよ、と軽く手を振って気にしていない旨を伝えた。
「ありがとうございます。私はエイドリアス・フォン・ラクシア。簡単にエドとお呼びいただければ」
「じゃあ、お言葉に甘えます。俺は西 直斗」
「ナオト様ですね。そうお呼びしても?」
「……様付けは嫌かも」
「しかし」
「できれば敬語も投げ捨てて欲しい」
言って、またカップを傾ける。おいしい紅茶を喉に流し、エドの顔をちらりと見れば何やら苦悩の表情を浮かべていた。
「たぶん俺のほうが年下っぽいし」
「そんなことは問題ではないのですが……」
「俺にとってはけっこう問題。やめてくれないなら俺も敬語を使います」
「そんな、私などに」
「などとか言われても知りません」
そもそも、俺がなんでここにいるかもよくわからないのに、と拗ねてみせると今度は明らかに焦った顔になる。
そのよく変わる表情は、ただでさえ整っている彼をもっと魅力的に見せていた。
少しだけ視線を逸らした俺が焼き菓子をもうひとつ咀嚼し飲み込んでいる間に、どうやら覚悟を決めたように呻く。
「わ、わかりました、ナオト」
「敬語は?」
「それは、その、ご容赦ください……半分癖のようなものなので」
「そっか」
癖、とまで言われてしまえば仕方ない。あまり無理を言うのもかわいそうだ。
とりあえずいいよと頷けば、エドはほっと息を吐いた。
「ありがとうございます、ナオト。改めて、この国はアルフォリアと言います。今我々がいるのはその王都、ランドリス」
「王都?」
「国の中心地がここになります。そして、ランドリスの中でも主君たる王族が住まう城がこちらのフィアレーズ城」
「城?」
「はい」
「ここが?」
「はい」
紅茶を吹き出さなかっただけ褒めて欲しい。
その代わりに辺りを見回して、なるほどと納得しておく。
華奢なデザインのテーブル、椅子、屋根。すぐに準備されたティーセット。綺麗に手入れのされた、様々な花が咲き誇る庭。この庭を囲んでいる廊下にも、繊細な装飾が施されているのが見えた。
「なるほど……」
「ご理解いただけましたか?」
「えっと、まあ、うん。それで、俺は何のために呼ばれたわけ?」
「それはーー」
エドが何か言おうとした、まさにその時だ。彼の後ろ、建物の向こうで光の柱が立ち上がるのが見えた。
「っえ、な、なに?!なにあれ!」
「……まさか、あれは……なんと軽率なことを!」
「え、エド?」
「申し訳ありません、ナオト。こちらで少しだけお待ちいただけますか」
驚きに満ちていたエドの表情が真剣なものになり、俺をじっと見つめてくる。
そんな彼に拒否の言葉を返すことができるわけもなく、ただこくりと頷きを返した。
しばらく待ってはみたものの、時計もないのでどのくらいの時間が過ぎたのかわからない。
とっくに焼き菓子も紅茶もなくなってしまい、案の定暇を持て余してしまっていた。
「あ」
すると、どうやら紅茶の追加を持ってきてくれたらしいメイドさんと目が合った。
けしてキツい顔立ちではないが、キリっとした印象を受ける。きっと、自分の仕事に誇りを持っているのだろうことが俺にもわかった。
「失礼します」
「あ、ありがとうございます」
俺が礼を口にすると、彼女は少し驚いたようだった。けれどその空気は一瞬で引っ込み、僅かに微笑んだだけに留める。
「あの」
「はい?」
「向こう、何があるんですか?」
これ幸いと、光の柱が上がった方向を指差して聞いてみた。
すると彼女は確か、と前置きして続ける。
「光の木、というものがあると聞いております」
「光の木?」
「詳しくは、その……存じ上げないのですが」
「貴女が知っていることだけでも教えてもらえると助かります」
掛け値なしの本音だ。俺の言葉に、やっぱり少しだけ困ったような顔をしてから、彼女は続けた。
「なんでも、異世界から来られた神子様がお触れになると光を放つとか」
「へえ……その、神子っていうのは?」
「基本的に異世界から来られた方々はみな、神子と呼ばれています」
ということは、俺もそうなるのか。
そこまで聞いて、首を捻る。その光の木とやらが光ったということは、俺以外にも誰か来ていて、その人が木に触れた、とそういうことだろうか。
確かめたい。いったいどんな人がきたんだろう。
「あの、悪いんですけど」
「ナオト様。わたしたちにそのような物言いはご不要です」
「は、はい」
にこ、と微笑みながらも確実にその向こうに凄みを覗かせて言う。
「わたしはミオと申します。どうぞそのように」
「わ、わかりました」
「ナオト様?」
どうやら逆らうと怖そうだ。諦めの息を吐いた。
「ミオ、その光の木まで案内を頼める?」
「承知しました」
それはそれは綺麗なお辞儀と共に、ミオは答える。
こちらです、と廊下を先導する彼女の背中は、なんだか頼もしくすら思えた。
「……そうですか……」
しょんぼりと垂れた犬の耳が見えるような気がしたが、ここは譲ってもらいたい。俺の心の安寧のために。
「あー……ごめん。悪いんだけど、もう一回説明してもらえる?」
「もちろんです、何度でも。ですが、いつまでもこんな薄暗い場所でお話を続けるのも少々無粋でしょう。付いてきていただけますか?」
「へ」
エレガントな仕草で差し出される手。それを包む、白い生地に綺麗な金の刺繍が施された手袋を、思わずぼんやり見つめてしまう。
ちら、と顔を伺い見れば、紛うことなき美形が柔和な笑みを称えて俺を見ていた。本当、心臓に悪い。
少しだけ間を置いて、出された手に自分のそれを重ねる。まるでそうすることが自然であるかのように、彼は柔らかく俺の手を握った。
五分ほどの時間をかけて連れて行かれたのは、色とりどりの花が咲き誇る庭園だ。
円状の、おそらく中庭の真ん中に華奢な骨組みの椅子とテーブルが一組あり、同じく華奢なデザインの屋根がそれを覆っている。
どうぞと促されるまま、引かれた椅子に落ち着かない気分で腰を下ろした。
「甘いものはお好きですか?」
「え、あ、はい」
「それはよかった」
言うが早いか、どこから現れたのかクラシカルな服装のメイドさんがテーブルの上をセッティングしていく。
あっという間に準備されたティーセットを、これまた勧められるがまま口をつけた。
「……おいしい」
「お口に合って何よりです。どうぞお好きに摘んでください」
軽くテーブルの上を見てみるも、カトラリー類は見当たらない。用意されている菓子は焼き菓子のようで、手で大丈夫なのだろうかと考えていると、合点がいったように対面の彼は頷く。
そして、ひとつ摘むとひょいと口に放り込んだ。どうやらそれは、彼の優しさだ。
目だけで礼を返し、同じように摘んで口に入れた。何のことは無い、アーモンド風味のクッキーだった。おいしい。
「まずは非礼をお詫びさせてください」
なんだろう、と首を傾げる。
「貴方の都合を無視し、我が国に召喚してしまいました」
「都合……」
言われて考える。俺が向こうーー日本で見た、最後の光景を。
あまりぞっとしない話だ。いいよ、と軽く手を振って気にしていない旨を伝えた。
「ありがとうございます。私はエイドリアス・フォン・ラクシア。簡単にエドとお呼びいただければ」
「じゃあ、お言葉に甘えます。俺は西 直斗」
「ナオト様ですね。そうお呼びしても?」
「……様付けは嫌かも」
「しかし」
「できれば敬語も投げ捨てて欲しい」
言って、またカップを傾ける。おいしい紅茶を喉に流し、エドの顔をちらりと見れば何やら苦悩の表情を浮かべていた。
「たぶん俺のほうが年下っぽいし」
「そんなことは問題ではないのですが……」
「俺にとってはけっこう問題。やめてくれないなら俺も敬語を使います」
「そんな、私などに」
「などとか言われても知りません」
そもそも、俺がなんでここにいるかもよくわからないのに、と拗ねてみせると今度は明らかに焦った顔になる。
そのよく変わる表情は、ただでさえ整っている彼をもっと魅力的に見せていた。
少しだけ視線を逸らした俺が焼き菓子をもうひとつ咀嚼し飲み込んでいる間に、どうやら覚悟を決めたように呻く。
「わ、わかりました、ナオト」
「敬語は?」
「それは、その、ご容赦ください……半分癖のようなものなので」
「そっか」
癖、とまで言われてしまえば仕方ない。あまり無理を言うのもかわいそうだ。
とりあえずいいよと頷けば、エドはほっと息を吐いた。
「ありがとうございます、ナオト。改めて、この国はアルフォリアと言います。今我々がいるのはその王都、ランドリス」
「王都?」
「国の中心地がここになります。そして、ランドリスの中でも主君たる王族が住まう城がこちらのフィアレーズ城」
「城?」
「はい」
「ここが?」
「はい」
紅茶を吹き出さなかっただけ褒めて欲しい。
その代わりに辺りを見回して、なるほどと納得しておく。
華奢なデザインのテーブル、椅子、屋根。すぐに準備されたティーセット。綺麗に手入れのされた、様々な花が咲き誇る庭。この庭を囲んでいる廊下にも、繊細な装飾が施されているのが見えた。
「なるほど……」
「ご理解いただけましたか?」
「えっと、まあ、うん。それで、俺は何のために呼ばれたわけ?」
「それはーー」
エドが何か言おうとした、まさにその時だ。彼の後ろ、建物の向こうで光の柱が立ち上がるのが見えた。
「っえ、な、なに?!なにあれ!」
「……まさか、あれは……なんと軽率なことを!」
「え、エド?」
「申し訳ありません、ナオト。こちらで少しだけお待ちいただけますか」
驚きに満ちていたエドの表情が真剣なものになり、俺をじっと見つめてくる。
そんな彼に拒否の言葉を返すことができるわけもなく、ただこくりと頷きを返した。
しばらく待ってはみたものの、時計もないのでどのくらいの時間が過ぎたのかわからない。
とっくに焼き菓子も紅茶もなくなってしまい、案の定暇を持て余してしまっていた。
「あ」
すると、どうやら紅茶の追加を持ってきてくれたらしいメイドさんと目が合った。
けしてキツい顔立ちではないが、キリっとした印象を受ける。きっと、自分の仕事に誇りを持っているのだろうことが俺にもわかった。
「失礼します」
「あ、ありがとうございます」
俺が礼を口にすると、彼女は少し驚いたようだった。けれどその空気は一瞬で引っ込み、僅かに微笑んだだけに留める。
「あの」
「はい?」
「向こう、何があるんですか?」
これ幸いと、光の柱が上がった方向を指差して聞いてみた。
すると彼女は確か、と前置きして続ける。
「光の木、というものがあると聞いております」
「光の木?」
「詳しくは、その……存じ上げないのですが」
「貴女が知っていることだけでも教えてもらえると助かります」
掛け値なしの本音だ。俺の言葉に、やっぱり少しだけ困ったような顔をしてから、彼女は続けた。
「なんでも、異世界から来られた神子様がお触れになると光を放つとか」
「へえ……その、神子っていうのは?」
「基本的に異世界から来られた方々はみな、神子と呼ばれています」
ということは、俺もそうなるのか。
そこまで聞いて、首を捻る。その光の木とやらが光ったということは、俺以外にも誰か来ていて、その人が木に触れた、とそういうことだろうか。
確かめたい。いったいどんな人がきたんだろう。
「あの、悪いんですけど」
「ナオト様。わたしたちにそのような物言いはご不要です」
「は、はい」
にこ、と微笑みながらも確実にその向こうに凄みを覗かせて言う。
「わたしはミオと申します。どうぞそのように」
「わ、わかりました」
「ナオト様?」
どうやら逆らうと怖そうだ。諦めの息を吐いた。
「ミオ、その光の木まで案内を頼める?」
「承知しました」
それはそれは綺麗なお辞儀と共に、ミオは答える。
こちらです、と廊下を先導する彼女の背中は、なんだか頼もしくすら思えた。
0
あなたにおすすめの小説
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
囚われた元王は逃げ出せない
スノウ
BL
異世界からひょっこり召喚されてまさか国王!?でも人柄が良く周りに助けられながら10年もの間、国王に準じていた
そうあの日までは
忠誠を誓ったはずの仲間に王位を剥奪され次々と手篭めに
なんで俺にこんな事を
「国王でないならもう俺のものだ」
「僕をあなたの側にずっといさせて」
「君のいない人生は生きられない」
「私の国の王妃にならないか」
いやいや、みんな何いってんの?
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
病弱の花
雨水林檎
BL
痩せた身体の病弱な青年遠野空音は資産家の男、藤篠清月に望まれて単身東京に向かうことになる。清月は彼をぜひ跡継ぎにしたいのだと言う。明らかに怪しい話に乗ったのは空音が引き取られた遠縁の家に住んでいたからだった。できそこないとも言えるほど、寝込んでばかりいる空音を彼らは厄介払いしたのだ。そして空音は清月の家で同居生活を始めることになる。そんな空音の願いは一つ、誰よりも痩せていることだった。誰もが眉をひそめるようなそんな願いを、清月は何故か肯定する……。
大事な呼び名
夕月ねむ
BL
異世界に転移したらしいのだが俺には記憶がない。おまけに外見が変わった可能性があるという。身元は分からないし身内はいないし、本名すら判明していない状態。それでも俺はどうにか生活できていた。国の支援で学校に入学できたし、親切なクラスメイトもいる。ちょっと、強引なやつだけどな。
※FANBOXからの転載です
※他サイトにも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる