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ソファーの向こう、リビングの入り口に立つ、ふたり。
樹の手からは、緑色した葉っぱのキーホルダーが揺れているのが見える。
そして、二人の視線は、ソファーの上。つまり、押し倒された状態の俺と、押し倒した状態の圭人。しかも俺の服は、今にも脱げそうで。
樹の一歩前に出た智にぃが、にこ、と笑った。
「圭人くん?」
「あ、あの、いやそのこれは事故で」
さっきまでにやにやと笑っていた顔から一気に血の気が引いて、慌てて圭人が俺から離れる。
「事故?」
「そ、そう、事故。事故です」
「だって、樹。どうする?」
「え?!俺?!」
あずにぃの言葉に、呆然としていた樹が我に返った。
「え、えと、おれ、は」
何か言おうとしている樹の両目から、ぼろ、と涙が落ちる。
「っ、あれ……おれ、なん、で……ち、ちが、おれも、悪く、て」
「樹!」
震える口と涙を目にして、たぶん同じように呆然としていた俺も跳ね上がるようにソファーから離れた。
樹に駆け寄って、ぎゅう、と抱きしめて。それから、まだ少しぼんやりとしている圭人と、変わらない笑顔の智にぃを見る。
「違う、悪いのは俺。入れ替わってみようって言って、二人を騙そうとしたのも俺。樹じゃない」
「で、でも、おれも、いいよ、って言った」
「違う、樹は悪くない。悪いのは俺」
「それで?楓が悪いことしたのはわかったよ、そのあとはどうする気?」
「え……」
相変わらず、穏やかな口調ではあるけれど。その奥に、いつもと違うものを感じ取ってしまって。
足がすくんで、どうすることもできなくて、ただ樹を抱きしめる腕に力を込めた。
「お、俺、は、いいから……樹を、怒らない、で」
「楓」
軽く吐いた息に、びくりと体が跳ねる。
だけど智にぃはそれ以上何か言うこともなく、圭人のほうを向いた。
「気づいてたよね?」
「そ、そりゃ、もちろん」
「どこまでする気だった?」
ひく、と圭人の顔が引きつる。
樹が俺にしがみついてくるから、その背中を撫でた。
「楓が言えばすぐやめるつもりだったし、実際あんたのことを呼んだからやめた。けど、何言っても言い訳にしかならねーな……」
言いながら、ソファーから下りる。そのまま土下座でもするみたいに、床に両膝をついた。
「悪ふざけが度を越した。さっさとバレてるって、わかってるって言ってやめさせるべきだった」
「……それも、俺が、悪い。もっと早く言えばいいだけで」
「樹、おいで」
俺の言葉を遮った智にぃの声に、腕の中でびくりと樹が跳ねた。
おそるおそる顔を上げて、小さく頷いて。大丈夫だと言うように、俺の胸を軽く叩く。
「……圭人、は」
「樹が好き。それは、変わらない」
「ん……ごめん、俺も悪い。もうしない、から」
圭人の正面に、樹も座り込んで。
ごめん、と床に額を擦り付ける圭人に苦笑を投げて、俺も、とつぶやいてから抱きつくのを見守った。
胸の中を一抹の寂しさが駆けていく。
「楓」
「と、ともに」
「ねぇ圭人くん。こないだのゲストルーム借りるけどいいよね?」
「……どうぞ」
相変わらず笑顔を張り付けたまま言うから、樹の肩越しに見える圭人の顔がまた引きつった。
とはいえ、俺にも圭人にも拒否権なんかあるはずもなく。目線で鍵のある場所を示した圭人に、智にぃがありがと、と笑う。
「おいで?」
言って、差し出される手。どうすることもできず、俺はその手を取った。
鍵の閉まる音にすら、びくりとしてしまう。
前にこの部屋を借りたのは確かホストごっこの時だったなぁ、なんて場違いなことでも考えてないと、泣いてしまいそうで。
だけど悪いのは俺だから、俺が泣いちゃいけない。
「楓、そっちね」
「う、うん」
言われるがまま、ベッドの上に座った。
視線が痛い。ボタンを開けられたままのシャツを、智にぃがじっと見ている。
「ひとつだけ、確認させて。僕より圭人くんのほうがいいから、入れ替わってみようって言ったの?」
「違う!」
勢いよく首を横に振って、思い切り否定の言葉を発した。
じゃあなんで、と問いかける智にぃの顔が歪んでいる。だけどそんな表情をさせてしまったのは、俺のせいだ。
「樹、が……少し、暗かった、から」
「樹が?」
「あいつ、変なとこ、頑固で。大学でなんかあったのは察しがついたけど、俺には何も話してくれなくて。大丈夫って、笑うんだ」
そもそも、俺がどうして入れ替わろうと思ったのかをちゃんと説明したくて、一から思い起こしながら話をした。
「それで、気になって……そしたら、ほら、見た目っていうか、髪型とか服装とか俺みたいにしたことで、陰口叩かれてんの、知って」
「……それで、わざわざ樹になって、そいつらに喧嘩売りに行ったの?」
「け、喧嘩、ってわけじゃ。ただ、その、ちょっと釘を刺したって言うか」
「そう、わかった」
本当にわかってくれたのかわからない声音で言われて、いつの間にか俯いてしまっていた顔を上げる。
「でもそれなら、圭人くんや僕を騙す必要ないよね?」
「そ、それは」
「まだ、楓は圭人くんのこと認めてないの?」
その言葉は、俺の心臓に突き刺さった。
「試してたんでしょ?楓って気づくかどうか、さ」
「……うん」
「どうするつもりだったの?もし本当に、彼が気づかなかったら」
「そ、それは、俺から、ちゃんと」
「あの状況で?」
何も言い返せなくなってしまう。
智にぃの手が開かれた胸元に伸びてきて、軽く押された。
「こんなふうに服脱がされてさぁ」
「と、とも、にぃ」
「教えて。何された?」
ひどく低い声。けれども、その中に揺らめく物を感じ取ってしまえば、否が応にも俺の体は反応を返してしまう。
「……そんな顔して。誘ってるって思われても仕方ないじゃない」
「っ、ちが、これ、はっ」
「これは?」
細められた両目が俺を見た。天井の灯りを遮り、近づいてくる唇をおとなしく受け入れる。
「何が違うの」
「と、とも、にぃ、だから……っ」
「へえ?」
は、と短く息を吸い込んでいる合間に、離れた唇が俺の輪郭をなぞるように動いた。
「っつ!」
左耳に走った痛みに息を飲む。
血がにじむほど強く噛みつかれて、目尻に涙が浮かんだ。
「ほんっと、腹立つ」
「ご、ごめ、んなさ、い」
「ああ、楓にじゃなくてね。今の話聞いて、圭人くんにもだけど、樹にすら嫉妬してる僕自身に腹が立つ」
え、と問おうとした口がまた塞がれて。
さんざんに口腔を暴かれてしまえば、震える指で目の前の服を掴むことしかできない。
頭がくらくらして、目尻の涙がこぼれた。
「……ごめん。手加減できそうにない」
ばさ、と音がする。ぼやけた視界の中で、智にぃが上着を脱ぎ捨てるのが見えた。
「お仕置きだよ、楓。僕以外に触らせた」
「っ、あ、ぅう」
「さぁ、教えて?圭人くんがしたこと」
みみ、と。まるで条件反射のように声が出た。
「耳?どっち?」
「ひ、だり……いつも、ピアス、してるほう……」
「今日、してないね」
「だ、だって」
「うん、わかってるよ……ああ、ちょっと血が出てる。強く噛みすぎたかな」
濡れた音がする。柔らかくて熱い感触が俺の耳を確かめるみたいになぞっていくと、敏感にされた体が震えた。
「左の耳、どうされたの」
「か、かまれ、た……その、くちびる、で」
「こうかな?」
言いながら、舌が離れて。ぱく、と耳朶を食まれ、びくりと跳ねる。
「う、あ、あっ、あぅっ」
ひとしきり甘く吸われて舐められて、そのたびにびくびくと俺の体は震えて。
「そんな声、出しちゃだめでしょ。僕以外に聞かせないで」
「っあ、あぁっ」
「他には?」
「ほ、ほかに……?」
「なんでシャツ、取られかけてるの」
かり、と、智にぃの指先が俺の肌を引っ掻いた。
開かれたままだったシャツの中に、その手がするりと侵入してくる。
手のひらで撫でられて、吐息が零れた。
「触られた?」
「っ、す、こし……だ、け」
「こんなふうに?」
耳元で囁かれて、ぞくぞくして。
だけど、俺は確かに見た。言ってから離れていく智にぃの口元が、わずかに笑っている。
「あ、っ、な、なん、で」
「なにが?」
なんで笑ってるの、とは言葉にできず。圭人がそうしたように、俺の体を撫でる手付きにただ翻弄されて、頭の中が蕩けていった。
「おいで」
不意に両手を取られ、体を起こされる。
「服、自分で脱いで。見てるから」
言って、ベッドから下りて。近くに会った椅子を引き寄せ、長い足を組んで座った。
はやく、と形のいい唇が言う。蕩けた俺の頭で抵抗する気が起きるわけもなく、震える手をシャツのボタンへと伸ばした。
かし、と指先が滑る音がする。うまくできない。
じっと見られている視線を感じて、勝手に体は熱くなって。さらに気持ちだけが焦って、指先は俺の思い通りに動いてくれない。
「できないの?」
「で、きな、い……」
まるで小さな子供がそうするように、覚束ない手でボタンを掴んだ。
「力、はいんな……でき、ない」
「いつも脱がせてもらってるからかな」
「っあ、っ」
細められた智にぃの目。それが、俺の全身を行き来する。
ぶわ、と顔が赤くなるのが自分でもわかった。同時に、緩く勃ち上がり始めていた俺自身が、はっきりと主張するように固くなる。
当然、それが気づかれないわけもなく。
「楓」
ぎし、とベッドが音を立てた。智にぃの手が、俺のそれに重ねられる。
「上は手伝ってあげる。下は自分でできるね?」
「……うん」
小さく頷き、ボタンを外すのを諦めて智にぃに委ねた。
ひどくゆっくりと進められるそれが、今どうされてるのかを余計に意識させる。
薄く笑った目と俺の視線がぶつかって、喉が鳴った。
ゆるゆると、下に着ているものを取っていく。幸い、普通のスキニーは俺の手でもちゃんと脱ぐことができた。
「下着も」
「っ、う、んっ」
つう、と綺麗な指が俺の前をなぞる。
思わず出た声に、ますます体温が上がった気がした。
言われた通りにそれを落とす。ボタンが完全にはだけられたシャツ一枚という姿は心もとなくて、不安げに智にぃの顔を見た。
「智に、ぃ」
「なぁに?」
微笑む表情のその奥に、隠しきれない欲情が見て取れる。
ふふ、と笑ったまま、智にぃは俺の膝に手を置いた。
「開いて」
「で、でも」
「足、開いて。全部見せて?他には触られてないってこと、ちゃんと証明して」
甘く、熱く、劣情を含んだ声に逆らえるわけなんてない。
もう俺はここが圭人の家だってこともどっかに飛んでいってしまって、言われるがままに立てた膝をゆっくり開いた。
ふる、と外気に当てられた俺自身が揺れる。触れられることを期待しているように、それはぽたりと雫を落とした。
ベッドのスプリングが軽く跳ねて、それはまたすぐに戻る。そうだ、とわざとらしくつぶやいて、タオルが腰の下に差し込まれた。もう片方の手には、見覚えのある透明なボトルがある。
空いた手で、俺の手を取って。器用にボトルの蓋を片手で開けると、上向いた手のひらに中身を出された。
「つ、めたっ」
「大丈夫、すぐあったかくなるから」
どろりとしたそれは少しひんやりとしていて、思わず感想が漏れる。
誘導されるように指を動かせば、ぐち、と湿った音がした。
「もういいかな。そしたらこっちね」
「え、と、智に、ぃ?」
「言ったよね?証明してって」
相変わらず穏やかに笑っているその顔から発せられる言葉の意味を考えて。
ひ、と引きつった声が喉から漏れた。
「こら、逃げないの。汚れちゃうよ」
「や、やだ、やだぁ」
「手伝ってあげるから」
嫌だなんて言ってみたところで、そんなもの無駄で。
ぐちゃぐちゃになった手を取られ、開いた足の間に指が触れた。
「っ、や、っ」
「息吐いて。痛いの、嫌でしょ?」
「う、っあ、あぅ、っ」
「上手だよ。ゆっくり動かしてみようか」
どこまでも優しげな声のくせに、それは俺をどんどん追い詰めていく。
つぷりと指が飲み込まれて、異物感と共に体が快楽を拾った。
「二本目入りそうだね。そしたら中指も入れてみようか」
「ひ、う、ぅう、あ、や、やだ、やぁあっ」
まるで自分の体じゃないみたいだ。
嫌だと言う俺の意思に反して、そこは二本目の指もあっさりと受け入れた。
「っあ、ああ、っ、あ、ぅっ」
「足閉じないの。せっかく二本目入ったんだから……こう、かな」
「っ、ひっ?!」
智にぃが体を折って、俺の指のところまで顔を近づけて。あろうことか、中の指をゆっくり広げようとしてくる。
「むり、むりだから、やめっ」
「だめ。中まで見せて?ね?」
「な、なか、なかって」
「楓の中、見せて」
うそ、とつぶやいた言葉は声になっただろうか。
確かめるように、智にぃの手が俺の両足を大きく開いていく。同時に、指も広げられて。
「やだ、やだぁ、っ、みない、で、みないで、っ」
「何も恥ずかしくないでしょ。僕はもう、楓の中まで知ってるんだよ?」
「や、やだ、やぁあっ!」
ちっとも俺の思い通りに動いてくれない指で中を広げられて。ぐ、と中指の先がいいところに当たって、びくびくと跳ねて達してしまう。
前から吐き出した白濁を、愛おしいものでも見るような目で見られて、ぼろりと涙が落ちた。
「や、やだぁ、もう、やだ……ごめんなさい、ごめん、なさいぃ……」
「ああもう、泣かないで?かわいいね、見られながら自分でイっちゃうなんて」
「ゆる、して……もう、むり……」
くす、と笑う声が耳元でする。
次に聞こえてきたのは、いいよ、と言う声で。
「あぅ、あ、も、いい、いいからぁっ」
引き抜かれた俺の指の代わりに、智にぃの指が中を軽く掻きまわした。
早く欲しくて、腕に爪を立てる。もう片方の腕で緩く抱きしめられて、髪を梳く感触に目を閉じた。
「楓」
「な……に……?」
「好きだよ」
これでもかと言うほどに甘く痺れるような声。背中が反って、ひくりと震える。俺も、と返したいのに、とろけた唇はうまく言葉を紡いでくれない。
けれど、智にぃは。わかってるよと笑って、サイドテーブルに手を伸ばした。
ゴムの袋を開ける仕草をぼんやりと見つめる。
「おいで」
準備を済ませた智にぃに向かい合う形で乗せられて、我慢のきかない俺は自分で後ろにあてがった。
「あ、ああぁ、っ、あー……っ」
全身を緩く甘い快楽が襲う。
きゅう、と腹の内側が勝手に反応して、中のその形を感じ取ってしまえば、もっとぞくりとした。
「っ……上手」
「は、ぅ……っ、あ、ぁあっ」
腰骨のあたりを緩く撫でられる。
それに反応して、強請るように俺の腰は揺れた。
「ねえ、楓。自分でしてみて」
「え、じ、じぶ、んって」
「今みたいに腰動かして?僕、動かないから」
なんで、と泣き出しそうな声が出る。
すると智にぃは、くすりと笑って。俺の左耳に軽く噛み付いて言った。
「だって、お仕置でしょ?」
樹の手からは、緑色した葉っぱのキーホルダーが揺れているのが見える。
そして、二人の視線は、ソファーの上。つまり、押し倒された状態の俺と、押し倒した状態の圭人。しかも俺の服は、今にも脱げそうで。
樹の一歩前に出た智にぃが、にこ、と笑った。
「圭人くん?」
「あ、あの、いやそのこれは事故で」
さっきまでにやにやと笑っていた顔から一気に血の気が引いて、慌てて圭人が俺から離れる。
「事故?」
「そ、そう、事故。事故です」
「だって、樹。どうする?」
「え?!俺?!」
あずにぃの言葉に、呆然としていた樹が我に返った。
「え、えと、おれ、は」
何か言おうとしている樹の両目から、ぼろ、と涙が落ちる。
「っ、あれ……おれ、なん、で……ち、ちが、おれも、悪く、て」
「樹!」
震える口と涙を目にして、たぶん同じように呆然としていた俺も跳ね上がるようにソファーから離れた。
樹に駆け寄って、ぎゅう、と抱きしめて。それから、まだ少しぼんやりとしている圭人と、変わらない笑顔の智にぃを見る。
「違う、悪いのは俺。入れ替わってみようって言って、二人を騙そうとしたのも俺。樹じゃない」
「で、でも、おれも、いいよ、って言った」
「違う、樹は悪くない。悪いのは俺」
「それで?楓が悪いことしたのはわかったよ、そのあとはどうする気?」
「え……」
相変わらず、穏やかな口調ではあるけれど。その奥に、いつもと違うものを感じ取ってしまって。
足がすくんで、どうすることもできなくて、ただ樹を抱きしめる腕に力を込めた。
「お、俺、は、いいから……樹を、怒らない、で」
「楓」
軽く吐いた息に、びくりと体が跳ねる。
だけど智にぃはそれ以上何か言うこともなく、圭人のほうを向いた。
「気づいてたよね?」
「そ、そりゃ、もちろん」
「どこまでする気だった?」
ひく、と圭人の顔が引きつる。
樹が俺にしがみついてくるから、その背中を撫でた。
「楓が言えばすぐやめるつもりだったし、実際あんたのことを呼んだからやめた。けど、何言っても言い訳にしかならねーな……」
言いながら、ソファーから下りる。そのまま土下座でもするみたいに、床に両膝をついた。
「悪ふざけが度を越した。さっさとバレてるって、わかってるって言ってやめさせるべきだった」
「……それも、俺が、悪い。もっと早く言えばいいだけで」
「樹、おいで」
俺の言葉を遮った智にぃの声に、腕の中でびくりと樹が跳ねた。
おそるおそる顔を上げて、小さく頷いて。大丈夫だと言うように、俺の胸を軽く叩く。
「……圭人、は」
「樹が好き。それは、変わらない」
「ん……ごめん、俺も悪い。もうしない、から」
圭人の正面に、樹も座り込んで。
ごめん、と床に額を擦り付ける圭人に苦笑を投げて、俺も、とつぶやいてから抱きつくのを見守った。
胸の中を一抹の寂しさが駆けていく。
「楓」
「と、ともに」
「ねぇ圭人くん。こないだのゲストルーム借りるけどいいよね?」
「……どうぞ」
相変わらず笑顔を張り付けたまま言うから、樹の肩越しに見える圭人の顔がまた引きつった。
とはいえ、俺にも圭人にも拒否権なんかあるはずもなく。目線で鍵のある場所を示した圭人に、智にぃがありがと、と笑う。
「おいで?」
言って、差し出される手。どうすることもできず、俺はその手を取った。
鍵の閉まる音にすら、びくりとしてしまう。
前にこの部屋を借りたのは確かホストごっこの時だったなぁ、なんて場違いなことでも考えてないと、泣いてしまいそうで。
だけど悪いのは俺だから、俺が泣いちゃいけない。
「楓、そっちね」
「う、うん」
言われるがまま、ベッドの上に座った。
視線が痛い。ボタンを開けられたままのシャツを、智にぃがじっと見ている。
「ひとつだけ、確認させて。僕より圭人くんのほうがいいから、入れ替わってみようって言ったの?」
「違う!」
勢いよく首を横に振って、思い切り否定の言葉を発した。
じゃあなんで、と問いかける智にぃの顔が歪んでいる。だけどそんな表情をさせてしまったのは、俺のせいだ。
「樹、が……少し、暗かった、から」
「樹が?」
「あいつ、変なとこ、頑固で。大学でなんかあったのは察しがついたけど、俺には何も話してくれなくて。大丈夫って、笑うんだ」
そもそも、俺がどうして入れ替わろうと思ったのかをちゃんと説明したくて、一から思い起こしながら話をした。
「それで、気になって……そしたら、ほら、見た目っていうか、髪型とか服装とか俺みたいにしたことで、陰口叩かれてんの、知って」
「……それで、わざわざ樹になって、そいつらに喧嘩売りに行ったの?」
「け、喧嘩、ってわけじゃ。ただ、その、ちょっと釘を刺したって言うか」
「そう、わかった」
本当にわかってくれたのかわからない声音で言われて、いつの間にか俯いてしまっていた顔を上げる。
「でもそれなら、圭人くんや僕を騙す必要ないよね?」
「そ、それは」
「まだ、楓は圭人くんのこと認めてないの?」
その言葉は、俺の心臓に突き刺さった。
「試してたんでしょ?楓って気づくかどうか、さ」
「……うん」
「どうするつもりだったの?もし本当に、彼が気づかなかったら」
「そ、それは、俺から、ちゃんと」
「あの状況で?」
何も言い返せなくなってしまう。
智にぃの手が開かれた胸元に伸びてきて、軽く押された。
「こんなふうに服脱がされてさぁ」
「と、とも、にぃ」
「教えて。何された?」
ひどく低い声。けれども、その中に揺らめく物を感じ取ってしまえば、否が応にも俺の体は反応を返してしまう。
「……そんな顔して。誘ってるって思われても仕方ないじゃない」
「っ、ちが、これ、はっ」
「これは?」
細められた両目が俺を見た。天井の灯りを遮り、近づいてくる唇をおとなしく受け入れる。
「何が違うの」
「と、とも、にぃ、だから……っ」
「へえ?」
は、と短く息を吸い込んでいる合間に、離れた唇が俺の輪郭をなぞるように動いた。
「っつ!」
左耳に走った痛みに息を飲む。
血がにじむほど強く噛みつかれて、目尻に涙が浮かんだ。
「ほんっと、腹立つ」
「ご、ごめ、んなさ、い」
「ああ、楓にじゃなくてね。今の話聞いて、圭人くんにもだけど、樹にすら嫉妬してる僕自身に腹が立つ」
え、と問おうとした口がまた塞がれて。
さんざんに口腔を暴かれてしまえば、震える指で目の前の服を掴むことしかできない。
頭がくらくらして、目尻の涙がこぼれた。
「……ごめん。手加減できそうにない」
ばさ、と音がする。ぼやけた視界の中で、智にぃが上着を脱ぎ捨てるのが見えた。
「お仕置きだよ、楓。僕以外に触らせた」
「っ、あ、ぅう」
「さぁ、教えて?圭人くんがしたこと」
みみ、と。まるで条件反射のように声が出た。
「耳?どっち?」
「ひ、だり……いつも、ピアス、してるほう……」
「今日、してないね」
「だ、だって」
「うん、わかってるよ……ああ、ちょっと血が出てる。強く噛みすぎたかな」
濡れた音がする。柔らかくて熱い感触が俺の耳を確かめるみたいになぞっていくと、敏感にされた体が震えた。
「左の耳、どうされたの」
「か、かまれ、た……その、くちびる、で」
「こうかな?」
言いながら、舌が離れて。ぱく、と耳朶を食まれ、びくりと跳ねる。
「う、あ、あっ、あぅっ」
ひとしきり甘く吸われて舐められて、そのたびにびくびくと俺の体は震えて。
「そんな声、出しちゃだめでしょ。僕以外に聞かせないで」
「っあ、あぁっ」
「他には?」
「ほ、ほかに……?」
「なんでシャツ、取られかけてるの」
かり、と、智にぃの指先が俺の肌を引っ掻いた。
開かれたままだったシャツの中に、その手がするりと侵入してくる。
手のひらで撫でられて、吐息が零れた。
「触られた?」
「っ、す、こし……だ、け」
「こんなふうに?」
耳元で囁かれて、ぞくぞくして。
だけど、俺は確かに見た。言ってから離れていく智にぃの口元が、わずかに笑っている。
「あ、っ、な、なん、で」
「なにが?」
なんで笑ってるの、とは言葉にできず。圭人がそうしたように、俺の体を撫でる手付きにただ翻弄されて、頭の中が蕩けていった。
「おいで」
不意に両手を取られ、体を起こされる。
「服、自分で脱いで。見てるから」
言って、ベッドから下りて。近くに会った椅子を引き寄せ、長い足を組んで座った。
はやく、と形のいい唇が言う。蕩けた俺の頭で抵抗する気が起きるわけもなく、震える手をシャツのボタンへと伸ばした。
かし、と指先が滑る音がする。うまくできない。
じっと見られている視線を感じて、勝手に体は熱くなって。さらに気持ちだけが焦って、指先は俺の思い通りに動いてくれない。
「できないの?」
「で、きな、い……」
まるで小さな子供がそうするように、覚束ない手でボタンを掴んだ。
「力、はいんな……でき、ない」
「いつも脱がせてもらってるからかな」
「っあ、っ」
細められた智にぃの目。それが、俺の全身を行き来する。
ぶわ、と顔が赤くなるのが自分でもわかった。同時に、緩く勃ち上がり始めていた俺自身が、はっきりと主張するように固くなる。
当然、それが気づかれないわけもなく。
「楓」
ぎし、とベッドが音を立てた。智にぃの手が、俺のそれに重ねられる。
「上は手伝ってあげる。下は自分でできるね?」
「……うん」
小さく頷き、ボタンを外すのを諦めて智にぃに委ねた。
ひどくゆっくりと進められるそれが、今どうされてるのかを余計に意識させる。
薄く笑った目と俺の視線がぶつかって、喉が鳴った。
ゆるゆると、下に着ているものを取っていく。幸い、普通のスキニーは俺の手でもちゃんと脱ぐことができた。
「下着も」
「っ、う、んっ」
つう、と綺麗な指が俺の前をなぞる。
思わず出た声に、ますます体温が上がった気がした。
言われた通りにそれを落とす。ボタンが完全にはだけられたシャツ一枚という姿は心もとなくて、不安げに智にぃの顔を見た。
「智に、ぃ」
「なぁに?」
微笑む表情のその奥に、隠しきれない欲情が見て取れる。
ふふ、と笑ったまま、智にぃは俺の膝に手を置いた。
「開いて」
「で、でも」
「足、開いて。全部見せて?他には触られてないってこと、ちゃんと証明して」
甘く、熱く、劣情を含んだ声に逆らえるわけなんてない。
もう俺はここが圭人の家だってこともどっかに飛んでいってしまって、言われるがままに立てた膝をゆっくり開いた。
ふる、と外気に当てられた俺自身が揺れる。触れられることを期待しているように、それはぽたりと雫を落とした。
ベッドのスプリングが軽く跳ねて、それはまたすぐに戻る。そうだ、とわざとらしくつぶやいて、タオルが腰の下に差し込まれた。もう片方の手には、見覚えのある透明なボトルがある。
空いた手で、俺の手を取って。器用にボトルの蓋を片手で開けると、上向いた手のひらに中身を出された。
「つ、めたっ」
「大丈夫、すぐあったかくなるから」
どろりとしたそれは少しひんやりとしていて、思わず感想が漏れる。
誘導されるように指を動かせば、ぐち、と湿った音がした。
「もういいかな。そしたらこっちね」
「え、と、智に、ぃ?」
「言ったよね?証明してって」
相変わらず穏やかに笑っているその顔から発せられる言葉の意味を考えて。
ひ、と引きつった声が喉から漏れた。
「こら、逃げないの。汚れちゃうよ」
「や、やだ、やだぁ」
「手伝ってあげるから」
嫌だなんて言ってみたところで、そんなもの無駄で。
ぐちゃぐちゃになった手を取られ、開いた足の間に指が触れた。
「っ、や、っ」
「息吐いて。痛いの、嫌でしょ?」
「う、っあ、あぅ、っ」
「上手だよ。ゆっくり動かしてみようか」
どこまでも優しげな声のくせに、それは俺をどんどん追い詰めていく。
つぷりと指が飲み込まれて、異物感と共に体が快楽を拾った。
「二本目入りそうだね。そしたら中指も入れてみようか」
「ひ、う、ぅう、あ、や、やだ、やぁあっ」
まるで自分の体じゃないみたいだ。
嫌だと言う俺の意思に反して、そこは二本目の指もあっさりと受け入れた。
「っあ、ああ、っ、あ、ぅっ」
「足閉じないの。せっかく二本目入ったんだから……こう、かな」
「っ、ひっ?!」
智にぃが体を折って、俺の指のところまで顔を近づけて。あろうことか、中の指をゆっくり広げようとしてくる。
「むり、むりだから、やめっ」
「だめ。中まで見せて?ね?」
「な、なか、なかって」
「楓の中、見せて」
うそ、とつぶやいた言葉は声になっただろうか。
確かめるように、智にぃの手が俺の両足を大きく開いていく。同時に、指も広げられて。
「やだ、やだぁ、っ、みない、で、みないで、っ」
「何も恥ずかしくないでしょ。僕はもう、楓の中まで知ってるんだよ?」
「や、やだ、やぁあっ!」
ちっとも俺の思い通りに動いてくれない指で中を広げられて。ぐ、と中指の先がいいところに当たって、びくびくと跳ねて達してしまう。
前から吐き出した白濁を、愛おしいものでも見るような目で見られて、ぼろりと涙が落ちた。
「や、やだぁ、もう、やだ……ごめんなさい、ごめん、なさいぃ……」
「ああもう、泣かないで?かわいいね、見られながら自分でイっちゃうなんて」
「ゆる、して……もう、むり……」
くす、と笑う声が耳元でする。
次に聞こえてきたのは、いいよ、と言う声で。
「あぅ、あ、も、いい、いいからぁっ」
引き抜かれた俺の指の代わりに、智にぃの指が中を軽く掻きまわした。
早く欲しくて、腕に爪を立てる。もう片方の腕で緩く抱きしめられて、髪を梳く感触に目を閉じた。
「楓」
「な……に……?」
「好きだよ」
これでもかと言うほどに甘く痺れるような声。背中が反って、ひくりと震える。俺も、と返したいのに、とろけた唇はうまく言葉を紡いでくれない。
けれど、智にぃは。わかってるよと笑って、サイドテーブルに手を伸ばした。
ゴムの袋を開ける仕草をぼんやりと見つめる。
「おいで」
準備を済ませた智にぃに向かい合う形で乗せられて、我慢のきかない俺は自分で後ろにあてがった。
「あ、ああぁ、っ、あー……っ」
全身を緩く甘い快楽が襲う。
きゅう、と腹の内側が勝手に反応して、中のその形を感じ取ってしまえば、もっとぞくりとした。
「っ……上手」
「は、ぅ……っ、あ、ぁあっ」
腰骨のあたりを緩く撫でられる。
それに反応して、強請るように俺の腰は揺れた。
「ねえ、楓。自分でしてみて」
「え、じ、じぶ、んって」
「今みたいに腰動かして?僕、動かないから」
なんで、と泣き出しそうな声が出る。
すると智にぃは、くすりと笑って。俺の左耳に軽く噛み付いて言った。
「だって、お仕置でしょ?」
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