夢想の勇者(むそうのゆうしゃ)〜目覚めた先は異世界だった〜

攻め攻め

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二章

22.ぬっめぬめ

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 魚を掴んだと同時に妙な感触に驚かされた。経験はあるしある程度は滑るとは思っていたがそれ以上に魚はヌッメヌメしていて思わず手から落ちそうになる。粘液が垂れ出てでもいるのだろうか。しかし、そんなことどうでもいい。せっかくの晩飯だ落とすわけにはいかない。


「フンっ!!!」

 意地でも落とすまいと踏ん張り魚をなんとか川岸に放り投げる。投げられた魚は呼吸ができずにピチピチと跳ねる。それを何度か繰り返した。失敗もしたが魚影が見えなくなるまでにはどうにか4匹の魚を取ることができた。これだけあればひとまず十分だろう。

 どれも小ぶりな魚だがなにも無いよりはマシだ。落とさないように気をつけながらヌメヌメの小魚を手に乗せながら焚き火の元まで戻る。そこには丸太に腰掛けながら横にユラユラと揺れている少女がいた。俺に気づいたのか眠そうな目を擦りながらこちらを振り向く。

「おーい、魚取ってきたぞ~」

「……ほんと!?」

 先ほどまでの眠そうな顔は何処へやら嬉しそうに目をキラキラさせる。俺はその期待の眼差しに答えんとばかりに手に乗せている魚を自慢げに少女の顔の前へと突き出す。


「えっ……」

 予想していた反応とは違い少女は驚愕した表情を浮かべたままフリーズしてしまった。やはり小さすぎただろうか。期待させといて小魚4匹は流石に落胆させてしまったか。

「やっぱり小さいか、、」

  そう思いそっと視線を手のひらの火に照らされた魚に向けて驚いた。一見は小さめのヤマメの様だが色が妙に毒々しい。例えるなら紫と黒の中間の様な色をしていて至極色っていうのか。それに垂れ出る粘液らしきもののテカリ具合も合間ってまるでプラスチックのおもちゃだ。

(……なんだこれ、)

「そうじゃなくて、なんか美味しそうじゃなぃ、、」

 たしかにこれじゃどう見ても食欲はをそそられない。見た目だけ見れば毒を持ってますと言わんばかりだ。まぁ、ただの警戒色ってだけで毒がない可能性もあるが。。落ち込む少女の言葉に俺はぐうの音も出ない。


「ま、まぁ、焼けばなんとかなるはず、、」

 人類の生み出した火という叡智を持ってすればなんとかなるだろう。そう信じたい。俺も空腹でもう別の食材を探す気力は残ってなく半分ヤケクソだが焼いてみる。そこらに落ちている適当な小枝を魚の口から通し火の横の地面に刺し焼けるのを待つ。


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