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第6章
第4話 輪になって食べよう
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夏樹が1年1組の戸を開けると、昼休みの教室がざわっとなった。
嫌な感じがする。
「時原くん、先輩と喧嘩して叩いたんだって……」
「キレると手が出るような奴だったのかよ……」
ひそひそ噂される。話に尾ひれがついているらしい。
夏樹が硬直していると、後ろから霜矢がにゅっと顔を出した。
「そっか、心配になった奴もいるよな。時原って、誤解されやすいだけで、根はめっちゃまじめで優しい奴なんだよ。鹿田先輩にも謝ったし、ちょっと驚かせただけだから。トラブルにもなってない。あんまり大げさにしないであげて」
まあ……。須縄がそう言うなら……。
なんとなく、空気が和らいだ気がした。
霜矢がぽんと手を叩く。
「そうだ、今からここにいる全員で一緒に弁当食べようぜ。みんな時原のことあんまり知らないだろ。なんでも質問してOKだから。な? 時原もそれでいいだろ?」
「……うん」
机をがたがた動かして、全員で輪になるように座る。
霜矢が「はいはーい」と言って、勝手に仕切り始めた。
「時原へ質問タイム! 何かある人!」
少しの間、しんとなる。
「あ、じゃあ」
女子の一人が手を挙げた。
「みちる先輩を振ったのって、東京に彼女がいるからって本当?」
「みちる先輩が誰だかちょっとわからない。彼女もいないよ」
夏樹がなるべくとげとげしくない口調で返すと、女子がの空気が「ほっ」となった。
「彼女いないんだ。なんか意外……」
「はいはーい、次の質問」
霜矢が周囲をぐるぐる見回した。男子生徒の一人が手を挙げる。
「東京ってやっぱりその辺を芸能人が歩いてたりするの? 芸能人見たことある?」
「俺あんまり芸能人に詳しくないけど、なんかロケっぽいことしてる人は見たことある。あと、同じ中学にいた子がアイドルやってるみたいなのは聞いた」
「へえ~、やっぱいるんだ!」
「じゃあ俺からも。時原ってフランスのコンクールに出たんだろ。フランス語喋れるの?」
「挨拶くらいしかできないよ。でも英語が通じるから」
「かっけー! 俺外国人に話しかけられるとすぐ固まっちゃうからさ」
「時原くんってSNSやってる?」
「やったことないな。一回アカウント作ったことあるけどログインできなくなって」
「えー、もしかして機械音痴?」
少しずつ、教室が和やかで明るい雰囲気に包まれていく。
うんうん、と霜矢が腕組みして頷いている。
「お前、保護者かよ」
肩を小突くと、霜矢がへらっと笑った。
「だって時原がみんなになじんでるの、なんか嬉しくてさ!」
「ああ……そうだな」
夏樹がちらっと千佳の方を見ると、そっぽを向いて弁当を食べていた。
嫌な感じがする。
「時原くん、先輩と喧嘩して叩いたんだって……」
「キレると手が出るような奴だったのかよ……」
ひそひそ噂される。話に尾ひれがついているらしい。
夏樹が硬直していると、後ろから霜矢がにゅっと顔を出した。
「そっか、心配になった奴もいるよな。時原って、誤解されやすいだけで、根はめっちゃまじめで優しい奴なんだよ。鹿田先輩にも謝ったし、ちょっと驚かせただけだから。トラブルにもなってない。あんまり大げさにしないであげて」
まあ……。須縄がそう言うなら……。
なんとなく、空気が和らいだ気がした。
霜矢がぽんと手を叩く。
「そうだ、今からここにいる全員で一緒に弁当食べようぜ。みんな時原のことあんまり知らないだろ。なんでも質問してOKだから。な? 時原もそれでいいだろ?」
「……うん」
机をがたがた動かして、全員で輪になるように座る。
霜矢が「はいはーい」と言って、勝手に仕切り始めた。
「時原へ質問タイム! 何かある人!」
少しの間、しんとなる。
「あ、じゃあ」
女子の一人が手を挙げた。
「みちる先輩を振ったのって、東京に彼女がいるからって本当?」
「みちる先輩が誰だかちょっとわからない。彼女もいないよ」
夏樹がなるべくとげとげしくない口調で返すと、女子がの空気が「ほっ」となった。
「彼女いないんだ。なんか意外……」
「はいはーい、次の質問」
霜矢が周囲をぐるぐる見回した。男子生徒の一人が手を挙げる。
「東京ってやっぱりその辺を芸能人が歩いてたりするの? 芸能人見たことある?」
「俺あんまり芸能人に詳しくないけど、なんかロケっぽいことしてる人は見たことある。あと、同じ中学にいた子がアイドルやってるみたいなのは聞いた」
「へえ~、やっぱいるんだ!」
「じゃあ俺からも。時原ってフランスのコンクールに出たんだろ。フランス語喋れるの?」
「挨拶くらいしかできないよ。でも英語が通じるから」
「かっけー! 俺外国人に話しかけられるとすぐ固まっちゃうからさ」
「時原くんってSNSやってる?」
「やったことないな。一回アカウント作ったことあるけどログインできなくなって」
「えー、もしかして機械音痴?」
少しずつ、教室が和やかで明るい雰囲気に包まれていく。
うんうん、と霜矢が腕組みして頷いている。
「お前、保護者かよ」
肩を小突くと、霜矢がへらっと笑った。
「だって時原がみんなになじんでるの、なんか嬉しくてさ!」
「ああ……そうだな」
夏樹がちらっと千佳の方を見ると、そっぽを向いて弁当を食べていた。
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