Never Lost

小川 蚕

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中学編

強さ

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僕は怖い。
能力を使う事が。
また人を殺めてしまうんじゃないかと。

僕にも夢があったんだ。

















「おい桐山ぁ。お前ってほんとにトロいよねぇ。能力無くてトロくて気が弱くてさぁ。生きていくの辛くない?」

髪谷くんが僕を憐れみの目で見てくる。


「そ、そりゃ辛い事は多いけど。生きてて...」
僕が言葉を言い切る前に髪谷くんが口を開く。



「生きてて....なに?お前はさぁ。生きてる価値ないんだよ。能力使えなきゃ大人になったって役に立たない。つまりお前は生まれた時から負け組なわけじゃん?」


僕は.....

「夢があるんだ....」
僕は震えながら答えた。


「僕には!!.......夢があったんだ....」

そう。僕には夢があった。

「それってさぁ。どうせ能力があれば。の話でしょ?無理でしょ。まぁ、もう諦めちゃってんだもんねぇ。」


そうだよ。
僕の夢には能力を使う必要がある。
でも怖いんだよ。
能力を使えばまたあの時みたいに....





放課後


「おい桐山」

校門で僕を呼び止める声がする。

「先生。」

僕のクラスの担任の竹内先生だった。

「お前には夢があったな。」

先生は僕の夢のことを知っている。
三者面談の時に僕は話した事があるからだ。


「お前は夢を諦めたみたいだが、もしもその夢を叶えるために必要なものを持っていたらどうする?」

たしかに僕は夢を叶える為に必要なものを持っている。
だけど....使えないんだ。


「僕がもし、夢を叶える為に必要な力を持っていたら.....叶える為に努力したと思います....。でも僕にはそれがない。」

先生は僕の発言に呆れたのかため息をつく。

「それは誰が決めたんだ。 お前は既に持ってるかもしれない。本当にいいのか?お前はまだ一歩進めるかもしれない。」

僕は持ってないんだよ先生。
持つ資格なんてないんだよ。
「何が....言いたいんですか?」


先生は再びため息をつく。
「聞いてばかりじゃダメだな。とりあえず一つだけ教えてやる。夢を叶えるには確かに才能や力が要る。だがそれ以上に諦めずに面と向かって挑み続けるのが大事じゃないのか?お前は歩みを止めている。心が足りないんだ。」



挑み続ける....か。

「先生。僕は....」

僕が言いかけたとき、先生は後ろを向き歩き始める。

「自分の夢くらい自分で掴み取れ」



僕はそれでも前進するのがこわいんだよ。











僕が校門を出ようとした瞬間パトカーのサイレンが鳴る。


最近この辺りでは通り魔事件が発生している。

被害者は全員顔の皮を剥がれている。

被害の数は恐らく20は超えている。


何人もの人を殺すなんて正気じゃない。

僕は一人殺めただけでもトラウマになってるんだ。


力とは恐ろしいものだ。

どんな人間でも力を持てば悪に染まる事もある。

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