6 / 53
一章
その6 一つ目の不思議
しおりを挟む
俺達は早速行動を開始することにした。と言っても昨日は作戦会議が終わった後、皆で駄弁って帰宅時間になってそれぞれ自宅に戻っただけだったのだが、それは置いておく。
全ては七不思議を解明する為。そして『永遠の愛』を見つけて、恋人との素晴らしい青春を謳歌する為である。
というわけで。
「さっそく七不思議の現場に来てみたわけだが」
「ただの池ね」
「ただの池ですね」
「ただの池じゃんね」
「ただの池だねー」
部員達が次々に感想を漏らした。
日ノ宮学園七不思議、一つ目『池に眠る人魚』
その不思議を解明すべく、俺達は体育館横にある池に集っていた。
池の大きさは直径三メートル程の生円の形をしている。池のふちは大小様々な石で敷き詰められており、ぐるりと池全体を取り囲んでいた。長く清掃されていないのか池の水は暗い緑色に濁っており、底を見通す事は出来ない。しかしこれといっておかしな所はない。ただの池にしか見えなかった。
俺達文芸部は各々好き勝手に池を覗いたり、小石を投げたりしていたが、勿論なんの変化もなかった。暫くしてアメが俺に話かけてきた。
「シュウの案で順番に解明していくってことだったけど、この一つ目の不思議も相当謎だよね」
「そもそもがノーヒントだからな。まぁいくらなんでも、この池にジュゴンが住んでいるということはないだろ」
「その場合、眠る人魚は死んでるジュゴンだったことになるからね」
あながち何かの墓がこの池の底に存在するという線は否定出来ない。眠るが何を意味しているのか。先程アメが言ったとおり、何らかの死を意味しているのだろうか。
「それで、もしかして死体漁りの為にそんな物持ってきてたのー?」
「死体漁り言うな」
ナツキが不吉なことを言い出したので、そこはしっかり否定しておく。
今回俺が七不思議解明に当たって持って来た物。それは……
「また虫取り網なんてどこで見つけてきたんだか……」
「何を言っているんですかハル。あれは最初から文芸部室の掃除用ロッカーに入ってましたよ」
そう、虫取り網である!フユカの言ったとおり、文芸部室に何故か人数分の虫取り網が入っていたのでこれ幸いにと持ってきた次第である。
俺は一人に一つずつ虫取り網を渡していった。そして五人で均等に広がり池を取り囲む。
「それじゃあ今から池の底漁りを開始する」
「ちょっとストップ」
意気揚々と始めようとしたらハルから止められた。
「なんだよ何か問題発生したか?」
「問題大アリでしょうよ。何勝手に池漁りを始めようとしてんのよ。流石にこういうのは学校側の許可とか━━━━」
「それは私が取っといたよー。担任の先生と、後一応校長先生にもー」
流石我らが頼れる部長ナツキ。まぁ池漁りの可能性もあると思ったので、俺が頼んでいただけなのだが。俺は面倒くさかったのでこういう仕事は基本人に丸投げしている。
思わぬ方向から入る俺へのフォローに対し、ハルはぐっと言葉を詰まらせた。ハルが俺に対して怒れなくなるのは珍しい。せっかくだからもっと煽っとくか。
「ハハハ!このくらいお前に言われなくたってわかってんだよ!許可くらい最初から取っとくだろバーカバーカ!」
「アンタ池に突き飛ばすわよ!?」
「許可取ったの私なんだけどー」
下らない喧嘩が起きたせいで、池漁りの開始が少々遅れた。
全ては七不思議を解明する為。そして『永遠の愛』を見つけて、恋人との素晴らしい青春を謳歌する為である。
というわけで。
「さっそく七不思議の現場に来てみたわけだが」
「ただの池ね」
「ただの池ですね」
「ただの池じゃんね」
「ただの池だねー」
部員達が次々に感想を漏らした。
日ノ宮学園七不思議、一つ目『池に眠る人魚』
その不思議を解明すべく、俺達は体育館横にある池に集っていた。
池の大きさは直径三メートル程の生円の形をしている。池のふちは大小様々な石で敷き詰められており、ぐるりと池全体を取り囲んでいた。長く清掃されていないのか池の水は暗い緑色に濁っており、底を見通す事は出来ない。しかしこれといっておかしな所はない。ただの池にしか見えなかった。
俺達文芸部は各々好き勝手に池を覗いたり、小石を投げたりしていたが、勿論なんの変化もなかった。暫くしてアメが俺に話かけてきた。
「シュウの案で順番に解明していくってことだったけど、この一つ目の不思議も相当謎だよね」
「そもそもがノーヒントだからな。まぁいくらなんでも、この池にジュゴンが住んでいるということはないだろ」
「その場合、眠る人魚は死んでるジュゴンだったことになるからね」
あながち何かの墓がこの池の底に存在するという線は否定出来ない。眠るが何を意味しているのか。先程アメが言ったとおり、何らかの死を意味しているのだろうか。
「それで、もしかして死体漁りの為にそんな物持ってきてたのー?」
「死体漁り言うな」
ナツキが不吉なことを言い出したので、そこはしっかり否定しておく。
今回俺が七不思議解明に当たって持って来た物。それは……
「また虫取り網なんてどこで見つけてきたんだか……」
「何を言っているんですかハル。あれは最初から文芸部室の掃除用ロッカーに入ってましたよ」
そう、虫取り網である!フユカの言ったとおり、文芸部室に何故か人数分の虫取り網が入っていたのでこれ幸いにと持ってきた次第である。
俺は一人に一つずつ虫取り網を渡していった。そして五人で均等に広がり池を取り囲む。
「それじゃあ今から池の底漁りを開始する」
「ちょっとストップ」
意気揚々と始めようとしたらハルから止められた。
「なんだよ何か問題発生したか?」
「問題大アリでしょうよ。何勝手に池漁りを始めようとしてんのよ。流石にこういうのは学校側の許可とか━━━━」
「それは私が取っといたよー。担任の先生と、後一応校長先生にもー」
流石我らが頼れる部長ナツキ。まぁ池漁りの可能性もあると思ったので、俺が頼んでいただけなのだが。俺は面倒くさかったのでこういう仕事は基本人に丸投げしている。
思わぬ方向から入る俺へのフォローに対し、ハルはぐっと言葉を詰まらせた。ハルが俺に対して怒れなくなるのは珍しい。せっかくだからもっと煽っとくか。
「ハハハ!このくらいお前に言われなくたってわかってんだよ!許可くらい最初から取っとくだろバーカバーカ!」
「アンタ池に突き飛ばすわよ!?」
「許可取ったの私なんだけどー」
下らない喧嘩が起きたせいで、池漁りの開始が少々遅れた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
元暗殺者の俺だけが、クラスの地味系美少女が地下アイドルなことを知っている
甘酢ニノ
恋愛
クラス一の美少女・強羅ひまりには、誰にも言えない秘密がある。
実は“売れない地下アイドル”として活動しているのだ。
偶然その正体を知ってしまったのは、無愛想で怖がられがちな同級生・兎山類。
けれど彼は、泣いていたひまりをそっと励ましたことも忘れていて……。
不器用な彼女の願いを胸に、類はひまりの“支え役”になっていく。
真面目で不器用なアイドルと、寡黙だけど優しい少年が紡ぐ、
少し切なくて甘い青春ラブコメ。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~
Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」
病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。
気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた!
これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。
だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。
皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。
その結果、
うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。
慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。
「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。
僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに!
行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。
そんな僕が、ついに魔法学園へ入学!
当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート!
しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。
魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。
この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――!
勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる!
腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる