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三章
その18 水着は見せるもの
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「夏休みだーーーー!」
「イエーーーーーイ!」
俺の掛け声に珍しくハルが合わせてくれる。
今日は待ちに待った夏休みの初日!高校生になって初めての夏休みだ!今からもうウキウキ気分が止まらないよ!
俺達が今いる場所はいつもの文芸部室。そしていつものメンバーで集まって夏休みを過ごしているんだ!
え?どうして夏休みにもなって文芸部室にいるのかって?そんなの簡単さ。
まだ文芸部室の不思議を解明できていないからな!
「ハハハハ!………はぁ」
「どうしたのよシュウ。もっとテンション上げていきましょうよ」
「うるさい。俺はお前みたいに脳みそをすっからかんに出来ないんだよ」
先程も言ったが、今は夏休み。前回の不思議である『体育館で笑う魔女』の解明から、実に二週間も過ぎていた。二週間だ。大切なことなので二度言った。二週間という時間が過ぎてもなお、俺達は三つ目の不思議である『文芸部室に封印された魔竜』を解明することができていなかった。
俺達の会話を聴き、アメが苦笑した。
「まぁ前回、前々回とトントン拍子で解明しちゃったからね。流石にシュウの元気もなくなるか」
「というかそもそも私達、この文芸部室の不思議で三ヶ月も解明できなかったから順番通りに解明していっただけですしね」
「前進できたとは言え、結局振り出しに戻っちゃった感じだよねー」
アメの言葉にフユカ、ナツキと続く。
夏休みになっても俺達のやることは変わらずに、七不思議の解明だ。流石に夏休み中の部活動への参加は義務じゃない。そもそも普段の文芸部からして、参加を強制したことなんてない。ここに集まっているのは全員の意思である。ハルも集合している時点でそれはお察しだ。
「でも、勿体無いじゃない?せっかくの夏休みなんだから遊ばないと損でしょ」
「なら、なんだ。ハルは文芸部の面子で遊びたいわけか?」
「それよ!今まで文芸部でやってきたことなんて七不思議に関することばっかじゃない。だから夏休みは遊びたい!」
「まぁ悪くはないけどな」
遊びましょう、じゃなくて遊びたい、かよ。本音まるだしだなハルは。ただ、文芸部のメンバーで遊ぶこと自体は俺も賛成である。考えてみれば、確かにハルの言うとおり。いつも集まっているくせに、遊んだことがないというのは少し物悲しい。他の部員の意見を聴こうと何気なくアメに視線を向ける。俺の視線に気がついたアメは軽く頷いた。
「うん。僕もそれには賛成だよ」
当然の如くアメは賛成してくれた。だが、
「私はパスで。ハルの言う遊びなんて、どうせ外遊びでしょう。完全インドアの私には向かないので籠もってます」
「うーん私も内容次第では遠慮したいかなー」
フユカとナツキが否定的な意見を述べる。反対が出てくることはなんとなくわかっていた。絶対フユカは反対するとは思っていたのだが、まさかナツキまでそちら側につくとは予想外だった。
それはハルも同様だったのだろう。驚きつつ、それでもしつこく粘る。
「えーー。内容次第って、どんな内容は駄目なのよ?」
「プールとか海とか、そういうのはちょっと……」
珍しくナツキも困っている様子だ。まぁその気持ちもわからなくはない。文芸部で行くということは、俺やアメという男子がいるということだし、海やプールとなれば水着に着替えなければならない。男子に肌を見せるのはあまり気が進まないのだろう。まぁ俺も無理して見たいとは思っていない。見せてくれる分にはありがたいけどな!
「いーじゃんプール。暑いこの夏にピッタリじゃない。一気に涼しくなれるわよ」
「そんなの嫌に決まっているじゃないですか。シュウに水着を見せるくらいなら、暑くてもこの部室で七不思議とにらめっこしている方が良いです」
「まぁフユカは、そもそも見せるものが……」
「いい度胸じゃないですか。やりますか?夏休み1発目の乱闘でもおっ始めますか?」
「めちゃくちゃ好戦的じゃねーか」
暑さでストレスでも溜まっているのだろうか。ちょいとからかえば、いつも以上の激しさで反応を返してくるフユカ。夏の間は少しばかり丁寧に扱って上げた方がいいのだろうか。
フユカが本気で俺に飛びかかって来ようとしたので、逃げる姿勢を取りつつフユカを視線で牽制していたらハルがとんでもないことを言い出した。
「私は別に、シュウになら水着くらい見せてもいいわよ」
「はぇ?」
「えぇー?」
「ふぇ?」
急に何を言い出したんだコイツは。思わず「はぇ?」とか言う変な声がでてしまったではないか。ナツキもフユカも、そしてアメだって声に出してはいないが驚きで固まっている。そんな俺達の反応にハルは不思議そうに首を傾げた。
「私、なんかおかしいこと言った?」
「いや……お前、それどういう意味なんだよ……」
「どういう意味って、そのままの意味よ」
んんー?これが女の子の普通なのかしらん?でもフユカもナツキも驚いているところを見るに、そうではないのは明らかだ。わなわなと震えながら、フユカはハルに尋ねた。
「なぜハルはそこまで躊躇がないのですか…?」
「だって水着って見せるためのものじゃない」
「で、ですがっ。それでも男子に見せるというのは恥ずかしくはないのですか!?」
「初対面とかなら恥ずかしいかもだけど、シュウとアメくらいなら別にって感じじゃない?」
Oh………。俺とアメには何も言葉を口にすることができなかった。ハルレベルな美少女であるハルが、ただ部活が同じである男子達に躊躇いなく水着を見せられると豪語するのはいかがなものなのだろう。勿論、見られるのならばそれはそれで嬉しいのだが、水着のハルと対面したら確実に正気を失う自信が俺にはある。誇れることじゃないけど。
沈黙する男子ーズに対して、赤面しながらも反対するフユカ。
「そっ、それでも私は駄目です!水着なんてとても……!」
「私もー。ハルみたいには割り切れないかなぁー……」
「えぇー。楽しいのにぃ、プール」
ブゥと口を尖らせるハルが、今日はいつもと違って見えた。熊本春………恐ろしい子!
その後も続いた、ハルによる必死のお願いで文芸部は今度遊びに出かけることとなった。勿論、水着はナシの方向で。
「イエーーーーーイ!」
俺の掛け声に珍しくハルが合わせてくれる。
今日は待ちに待った夏休みの初日!高校生になって初めての夏休みだ!今からもうウキウキ気分が止まらないよ!
俺達が今いる場所はいつもの文芸部室。そしていつものメンバーで集まって夏休みを過ごしているんだ!
え?どうして夏休みにもなって文芸部室にいるのかって?そんなの簡単さ。
まだ文芸部室の不思議を解明できていないからな!
「ハハハハ!………はぁ」
「どうしたのよシュウ。もっとテンション上げていきましょうよ」
「うるさい。俺はお前みたいに脳みそをすっからかんに出来ないんだよ」
先程も言ったが、今は夏休み。前回の不思議である『体育館で笑う魔女』の解明から、実に二週間も過ぎていた。二週間だ。大切なことなので二度言った。二週間という時間が過ぎてもなお、俺達は三つ目の不思議である『文芸部室に封印された魔竜』を解明することができていなかった。
俺達の会話を聴き、アメが苦笑した。
「まぁ前回、前々回とトントン拍子で解明しちゃったからね。流石にシュウの元気もなくなるか」
「というかそもそも私達、この文芸部室の不思議で三ヶ月も解明できなかったから順番通りに解明していっただけですしね」
「前進できたとは言え、結局振り出しに戻っちゃった感じだよねー」
アメの言葉にフユカ、ナツキと続く。
夏休みになっても俺達のやることは変わらずに、七不思議の解明だ。流石に夏休み中の部活動への参加は義務じゃない。そもそも普段の文芸部からして、参加を強制したことなんてない。ここに集まっているのは全員の意思である。ハルも集合している時点でそれはお察しだ。
「でも、勿体無いじゃない?せっかくの夏休みなんだから遊ばないと損でしょ」
「なら、なんだ。ハルは文芸部の面子で遊びたいわけか?」
「それよ!今まで文芸部でやってきたことなんて七不思議に関することばっかじゃない。だから夏休みは遊びたい!」
「まぁ悪くはないけどな」
遊びましょう、じゃなくて遊びたい、かよ。本音まるだしだなハルは。ただ、文芸部のメンバーで遊ぶこと自体は俺も賛成である。考えてみれば、確かにハルの言うとおり。いつも集まっているくせに、遊んだことがないというのは少し物悲しい。他の部員の意見を聴こうと何気なくアメに視線を向ける。俺の視線に気がついたアメは軽く頷いた。
「うん。僕もそれには賛成だよ」
当然の如くアメは賛成してくれた。だが、
「私はパスで。ハルの言う遊びなんて、どうせ外遊びでしょう。完全インドアの私には向かないので籠もってます」
「うーん私も内容次第では遠慮したいかなー」
フユカとナツキが否定的な意見を述べる。反対が出てくることはなんとなくわかっていた。絶対フユカは反対するとは思っていたのだが、まさかナツキまでそちら側につくとは予想外だった。
それはハルも同様だったのだろう。驚きつつ、それでもしつこく粘る。
「えーー。内容次第って、どんな内容は駄目なのよ?」
「プールとか海とか、そういうのはちょっと……」
珍しくナツキも困っている様子だ。まぁその気持ちもわからなくはない。文芸部で行くということは、俺やアメという男子がいるということだし、海やプールとなれば水着に着替えなければならない。男子に肌を見せるのはあまり気が進まないのだろう。まぁ俺も無理して見たいとは思っていない。見せてくれる分にはありがたいけどな!
「いーじゃんプール。暑いこの夏にピッタリじゃない。一気に涼しくなれるわよ」
「そんなの嫌に決まっているじゃないですか。シュウに水着を見せるくらいなら、暑くてもこの部室で七不思議とにらめっこしている方が良いです」
「まぁフユカは、そもそも見せるものが……」
「いい度胸じゃないですか。やりますか?夏休み1発目の乱闘でもおっ始めますか?」
「めちゃくちゃ好戦的じゃねーか」
暑さでストレスでも溜まっているのだろうか。ちょいとからかえば、いつも以上の激しさで反応を返してくるフユカ。夏の間は少しばかり丁寧に扱って上げた方がいいのだろうか。
フユカが本気で俺に飛びかかって来ようとしたので、逃げる姿勢を取りつつフユカを視線で牽制していたらハルがとんでもないことを言い出した。
「私は別に、シュウになら水着くらい見せてもいいわよ」
「はぇ?」
「えぇー?」
「ふぇ?」
急に何を言い出したんだコイツは。思わず「はぇ?」とか言う変な声がでてしまったではないか。ナツキもフユカも、そしてアメだって声に出してはいないが驚きで固まっている。そんな俺達の反応にハルは不思議そうに首を傾げた。
「私、なんかおかしいこと言った?」
「いや……お前、それどういう意味なんだよ……」
「どういう意味って、そのままの意味よ」
んんー?これが女の子の普通なのかしらん?でもフユカもナツキも驚いているところを見るに、そうではないのは明らかだ。わなわなと震えながら、フユカはハルに尋ねた。
「なぜハルはそこまで躊躇がないのですか…?」
「だって水着って見せるためのものじゃない」
「で、ですがっ。それでも男子に見せるというのは恥ずかしくはないのですか!?」
「初対面とかなら恥ずかしいかもだけど、シュウとアメくらいなら別にって感じじゃない?」
Oh………。俺とアメには何も言葉を口にすることができなかった。ハルレベルな美少女であるハルが、ただ部活が同じである男子達に躊躇いなく水着を見せられると豪語するのはいかがなものなのだろう。勿論、見られるのならばそれはそれで嬉しいのだが、水着のハルと対面したら確実に正気を失う自信が俺にはある。誇れることじゃないけど。
沈黙する男子ーズに対して、赤面しながらも反対するフユカ。
「そっ、それでも私は駄目です!水着なんてとても……!」
「私もー。ハルみたいには割り切れないかなぁー……」
「えぇー。楽しいのにぃ、プール」
ブゥと口を尖らせるハルが、今日はいつもと違って見えた。熊本春………恐ろしい子!
その後も続いた、ハルによる必死のお願いで文芸部は今度遊びに出かけることとなった。勿論、水着はナシの方向で。
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