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プロローグ
7話 ゆうみき
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「で、勇樹の布団がどうしたんだ?」
「挙流ーーーっ!?」
嫌がる勇樹を気にせず挙流は美樹に話を聞く。
もちろん勇樹は驚いた。
「うん、布団がねー…」
「美樹…?言わないでよ…?」
「朝になったら掛け布団が兄さんの寝てる位置から2mくらい離れてたんだ。」
「だから言わな…っ、え?」
美樹は勇樹の言うことをはね除け、事実を言った。
だが、勇樹は意外そうに声を漏らした。
「あれー?兄さん何想像してたの~?」
「美樹のバカーーッ!!」
「あははっ、ごめんごめんって!」
美樹が煽りを入れると、勇樹が顔を真っ赤にして美樹をポカポカ叩く。
笑いながら謝る美樹、二人の図はまさに『兄妹』。
が、なぜだろう。
その『兄妹』が事実とは逆に見えてしまう。
一悶着ついたところで、茶燐の話になった。
「そういえばさー、どうしていもっちの店を観察してたん?」
「はい、漫画のネタ探しです。」
「マンガ!?マンガ描くの!?すっげぇ!!」
菫の質問に答えた茶燐の回答、
漫画のネタ探しに井森の店を観察していたそうだ。
最近までそんな事しなかったようなのだが…
「実は…1つ年下の後輩に、同じく漫画を描く人がいて…中2なのにすごい画力だし、漫画のネタも面白いから負けられなくなって。」
年下に茶燐と同じで漫画を描く者がいて、それがかなり達者らしい。
闘争心はあまりないが、同じ業界に立ちたいとは思っているので、
負けてられない。
そう思った彼女は人間観察を始めたそうだ。
「その子、名前は?」
「実名は知りませんが…ペンネームは『降井 多々』です。ネットにイラストが載ってたりしてます。」
「へぇー、調べてみよ。」
実名をあまり明かさないらしいが、ペンネームは公開している。
その名は、降井 多々 。
ネットにイラストを投稿していると茶燐が言ったので、
あまり絵には興味がない菫も、ちょっと調べてみたいと思った。
…数分後、しばらく会話が弾んで皆が天ぷらを食べ終えた後。
「今日は失礼します。また来ますねー!」
「ありがとうございました。兄さん、いつ帰れる?」
「あー…まだ未定。来月には顔出すよ!またね美樹!茶燐ちゃんもー!!」
中学生組二人は揃って帰っていった。
高校生組はなんだか和やかな空気に包まれた。
「いやしっかし、ユウちーに妹がいたなんてね~」
「あはは…いつもこう兄のプライドへし折ってくるから紹介したくなかったんだよね……」
「なんか可哀想だな。」
勇樹に妹がいることをこの場の人間、勇樹以外知らなかった。
敢えて教えなかった理由が可哀想で、なんだか共感してしまう菫だった。
「挙流ーーーっ!?」
嫌がる勇樹を気にせず挙流は美樹に話を聞く。
もちろん勇樹は驚いた。
「うん、布団がねー…」
「美樹…?言わないでよ…?」
「朝になったら掛け布団が兄さんの寝てる位置から2mくらい離れてたんだ。」
「だから言わな…っ、え?」
美樹は勇樹の言うことをはね除け、事実を言った。
だが、勇樹は意外そうに声を漏らした。
「あれー?兄さん何想像してたの~?」
「美樹のバカーーッ!!」
「あははっ、ごめんごめんって!」
美樹が煽りを入れると、勇樹が顔を真っ赤にして美樹をポカポカ叩く。
笑いながら謝る美樹、二人の図はまさに『兄妹』。
が、なぜだろう。
その『兄妹』が事実とは逆に見えてしまう。
一悶着ついたところで、茶燐の話になった。
「そういえばさー、どうしていもっちの店を観察してたん?」
「はい、漫画のネタ探しです。」
「マンガ!?マンガ描くの!?すっげぇ!!」
菫の質問に答えた茶燐の回答、
漫画のネタ探しに井森の店を観察していたそうだ。
最近までそんな事しなかったようなのだが…
「実は…1つ年下の後輩に、同じく漫画を描く人がいて…中2なのにすごい画力だし、漫画のネタも面白いから負けられなくなって。」
年下に茶燐と同じで漫画を描く者がいて、それがかなり達者らしい。
闘争心はあまりないが、同じ業界に立ちたいとは思っているので、
負けてられない。
そう思った彼女は人間観察を始めたそうだ。
「その子、名前は?」
「実名は知りませんが…ペンネームは『降井 多々』です。ネットにイラストが載ってたりしてます。」
「へぇー、調べてみよ。」
実名をあまり明かさないらしいが、ペンネームは公開している。
その名は、降井 多々 。
ネットにイラストを投稿していると茶燐が言ったので、
あまり絵には興味がない菫も、ちょっと調べてみたいと思った。
…数分後、しばらく会話が弾んで皆が天ぷらを食べ終えた後。
「今日は失礼します。また来ますねー!」
「ありがとうございました。兄さん、いつ帰れる?」
「あー…まだ未定。来月には顔出すよ!またね美樹!茶燐ちゃんもー!!」
中学生組二人は揃って帰っていった。
高校生組はなんだか和やかな空気に包まれた。
「いやしっかし、ユウちーに妹がいたなんてね~」
「あはは…いつもこう兄のプライドへし折ってくるから紹介したくなかったんだよね……」
「なんか可哀想だな。」
勇樹に妹がいることをこの場の人間、勇樹以外知らなかった。
敢えて教えなかった理由が可哀想で、なんだか共感してしまう菫だった。
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