焼きたてフィーリング

作者チョロまつ

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プロローグ

12話 元通り+α!

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まだ明るい空が見える学校を出ようとした時…
「流卵ー!」
少し離れた所から模子の手を振っている姿が見えた。
なぜか菜羅の姿もあった。

流卵は少し戸惑った。
「次は話せるって!ほら行きなさいっ!」
「あっ…!…はいっ!」
秋花に押されて流卵は模子の元へと向かった。

「ごめん流卵!ちゃんと話聞けてもないのに…!」
「いいですよ。ありがとうございますっ。」
二人はまた抱き合った。

流卵は模子に今までの事情を伝えた。
模子は何も反論せずに頷きながら流卵の話を聞いた。
「そっか…流卵の主人は私の想像していたのと真逆の人だったんだね…」
「どうも。」
模子の智登への誤解が解けた。

「てか智登、なんで紛らわしい事言ったんだよ。」
「めんどかった。」
「でも…事実を言ったら言ったでもっと悪化しそうね…この子模子の場合」
あの時の智登の判断は正顔だったのか、不正解だったのか、定かではない。
でも、間違いではないだろう。

「あの…えっと…智登…様?」
「呼び方はお好きに。」
親友の流卵の主人をどう呼べばいいか分からなかった模子だが、智登は話がまわった。
「じゃぁ…智登君、朝はごめんなさい。」
「うん。…なんかごめんね。」
模子は智登に向かって深く頭を下げた。
「…ついでに主人と従者みたいな関係を消せたらいいなと思ってたんだけどね。」
「そんな意図があったんですか!?」
実は智登は秋花に後を押される前まではこんな事を考えていた。
智登はまぁいいか、と思いつつあまりこういう関係は好きでないそう。

「じゃぁ…やめればいいんじゃないの?」
模子はこう提案してみたが、
「出来ませんっ。」
「なんでそこは頑なに拒否するのよ…」
流卵は即答で断った。
これに苦笑いの秋花。

「まっ!いいんじゃない、やりたいことやればいいのさ!」
「それもそうね。」
手を叩いて話をまとめた菜羅。
皆もうなずいて菜羅に共感した。

しかし、菜羅の顔が一変して青ざめる。
「あっやべ…筆箱忘れたかも…」
なぜか筆箱の事を思い出した菜羅は担いでいたバッグの中身を見る。
すると…
「あー、やっぱり忘れ物だったんだ、ほらっ!」
模子はポケットから筆箱を取り出した。
「あー!俺の筆箱ー!!サンキューロッコちゃん!」
「もー、しっかりしてっ。」
模子は菜羅に筆箱を渡した。
「心配性というより世話焼きなんだよねー模子は。」
「ふふっ。色々頼ってね!」
模子は手を腰に当てて堂々と立った。
「凛々しいわ…頼れる女オーラがある…!」
「どんなオーラ…」
それに秋花も何かを感じてしまったようだ。
「今日宿題なんだっけ?」
「ほら、これ見て。」
菜羅がまた困った事をいうと、すぐに模子がポケットから予定表を出し、解決させた。
「うゎ多っめんどー…そだ!」
すると、菜羅はこう言い出した。

「今日は皆で智登ん店行こうぜー!ついでにやっちまおう!」
「ふふっ!いいですね!」
「智登君の店かぁ…行ってみたい!」
皆も菜羅の意見に賛成した。
「そういや…小麦粉前に買いすぎたんだった…」
「じゃぁ使わなきゃ、ね!」
店員二人は思うことが別らしい。

5人はそのまま智登の店へと向かった。

「青春っていいわね…!」
物陰でメモをする多々のペンのまわりはとても早かった。
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