焼きたてフィーリング

作者チョロまつ

文字の大きさ
28 / 46
3章 想い抱かぬ二人

26話 兄弟感覚

しおりを挟む
「菜羅君…やっぱカッコいいわ…」
「ちょっと昔の事話したらそう思えてきたかもっ。」
話をしていたら模子も少し菜羅を見る目が変わった。

「なんかね…」
「ロッコちゃーーーん!!」
話の途中でいきなり菜羅が模子を呼んだ。

「数学わからーん!」
「はいはい…全く…私がいないと駄目ねーっ!」
模子は若干嬉しそうにしながら仕方なさげに菜羅の元へ向かった。

「やっぱあの二人…いいカップルだよね。」
「ほんっとそれ、菜羅君好きだけど…模子ちゃんとのペアが一番だわ。」
まわりの人はそのペアルックを見るのも好きだった。

でも残念なのが…
「相性はいいのに…二人とも恋心一切無いんだからっ…」
「好きって分からないんだよねー…」
実際に菜羅は一応、流卵の事が好きであるし、模子は好きになった相手などいない。
菜羅はともかく、模子に好きな人がいないのは菜羅のせい。

だって菜羅君以上に顔が良くないと…ねぇ?
とか言っている。
ちなみに菜羅、両親は昔、街中を騒がせたイケメンと美人の間に生まれた子で…感度の高いイケメンに育った。
つまり…この世に菜羅以上のイケメンを見つけることはかなりの面食いになるのだ。

そう思えるのは昔馴染みであるからだろう。
二人は他人とか友達とかそんなんでもなく兄弟が一番近い存在かもしれない。

「ねぇロッコ、菜羅君好き?」
「うん、好きだけど?」
「えっ…?」
「何かおかしい事言った?」
(そういうことか…)
戻ってきた模子に質問してみたが…軽く言う様子からしてそういう関係には全くなっていない。
全くだ。
…感情だけ。

しかし、行動はまわりから見たらおかしいと言う。

「あー…今日持ってきたお菓子…もういいや、誰かいらない?」
「別にー?」
その後、模子はスティック状のお菓子の処理に困っていた。

「そう…」
模子はお菓子を持ったまま勉強している菜羅に近づく。

「うわぁ…大胆。」
模子は無言で菜羅の口にお菓子を入れた。
みていた人は顔を赤く染めた。

「サンキューロッコちゃん。」
菜羅はそれについて何も気にしないように勉強の続きをした。

明らかに恋人以上の仲である、
兄弟感覚とは時に恐ろしいものだ。

「今日は菜羅君について色々語っちゃったなー。」
「何それ?どんなの?」
帰りの時も二人はいつも一緒である。
1日にあった出来事を話ながらだったり、趣味について語ったり…

そんな感じに模子は菜羅と過ごす…。


「模子って菜羅様について何も感じないそうですね。」
「菜羅と模子か…」
流卵は菜羅に対する模子の気持ちを智登に話した。
それを智登に話したのは他でもない。

「菜羅様は模子についてどう思っているんですかねー?」
「聞いてみっか。」

二人は店で菜羅の訪れを待った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

百合短編集

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

やさしいキスの見つけ方

神室さち
恋愛
 諸々の事情から、天涯孤独の高校一年生、完璧な優等生である渡辺夏清(わたなべかすみ)は日々の糧を得るために年齢を偽って某所風俗店でバイトをしながら暮らしていた。  そこへ、現れたのは、天敵に近い存在の数学教師にしてクラス担任、井名里礼良(いなりあきら)。  辞めろ辞めないの押し問答の末に、井名里が持ち出した賭けとは?果たして夏清は平穏な日常を取り戻すことができるのか!?  何て言ってても、どこかにある幸せの結末を求めて突っ走ります。  こちらは2001年初出の自サイトに掲載していた小説です。完結済み。サイト閉鎖に伴い移行。若干の加筆修正は入りますがほぼそのままにしようと思っています。20年近く前に書いた作品なのでいろいろ文明の利器が古かったり常識が若干、今と異なったりしています。 20年くらい前の女子高生はこんな感じだったのかー くらいの視点で見ていただければ幸いです。今はこんなの通用しない! と思われる点も多々あるとは思いますが、大筋の変更はしない予定です。 フィクションなので。 多少不愉快な表現等ありますが、ネタバレになる事前の注意は行いません。この表現ついていけない…と思ったらそっとタグを閉じていただけると幸いです。 当時、だいぶ未来の話として書いていた部分がすでに現代なんで…そのあたりはもしかしたら現代に即した感じになるかもしれない。

いちばん好きな人…

麻実
恋愛
夫の裏切りを知った妻は 自分もまた・・・。

貞操逆転世界で出会い系アプリをしたら

普通
恋愛
男性は弱く、女性は強い。この世界ではそれが当たり前。性被害を受けるのは男。そんな世界に生を受けた葉山優は普通に生きてきたが、ある日前世の記憶取り戻す。そこで前世ではこんな風に男女比の偏りもなく、普通に男女が一緒に生活できたことを思い出し、もう一度女性と関わってみようと決意する。 そこで会うのにまだ抵抗がある、優は出会い系アプリを見つける。まずはここでメッセージのやり取りだけでも女性としてから会うことしようと試みるのだった。

処理中です...