16 / 52
2章
06 ささやかな歓迎会
しおりを挟む
5
「それでは、豪篤くんの入店を祝してかんぱーい!」
茂勝が乾杯の音頭を取って、グラスを上げる。ひとりだけ20歳を超えているので、中身はビールだ。
「かんぱーい」
「ありがとうございます!」
修助と豪篤もグラスを上げて当て合う。
軽い硬質な音とともに、オレンジ色の液体が揺れた。未成年である修助と豪篤は、オレンジジュースである。
3人がひと口飲み、グラスがテーブルに置かれる。
こうして、ささやかな歓迎会がファミレスで始められた。
「本当はなー、浩ちゃんと店長もいりゃよかったんだけども」
茂勝が頬杖をついて残念がっている。修助は眉をやや八の字にして、
「べつに居酒屋でもよかったのに」
「そうすっと、君らの飲むもんがないじゃん。俺はビールが大好きだから、ノープロブレムよ! ほらほら、たけあっつぁんも好きなの食いねえ、食いねえ」
「じゃあ、肉とかいいですかッ? ……いや、やっぱりみんなで食べれるようなものを頼んだほうが……いや、スイーツのほうがいいんじゃ……」
豪篤はメニュー表に目を落としてぶつぶつ言い出した。
「はっはっは、食えるもん食っていいぞー。俺は金が余ってしゃーないぐらいだからのう」
「まさか、まだキャラがうまく切り替られてないんじゃ……」
修助が懸念を口にした途端、豪篤は驚いた顔をして修助を見た。
「なんでわかった!?」
「わ、聞いてたのッ?」
修助は心臓の辺りを押さえる。対して豪篤はこめかみを押さえた。
「そうなんだよ……。キャラに入るのは簡単なんだけど、カツラをはずしてもなかなか出ていかなくてな。
思考も女のものから、普段の自分の思考に戻りづらくて困ってんだ。8割方洗脳に近い形だったからなあ。あんなに脳みそを酷使したのは、初めてかも」
ふたりが「あ~」と懐かしいと言わんばかりに、何度もうなずいている。
「ふんどしのときのハイテンションは、あえて作ってたってか。はえー、いやいやたけあっつぁん、自分のキャラと心で対話しよーぜ。詳しいことは修ちゃんが今から話すからよ」
「はいはい。そうだね、そのほうが楽になるよ。素の状態のとき、公共の場では押し込めなきゃいけないけど、心の中まで押し込めちゃダメ。いつか絶対に爆発するから。
最初にキャラというか人格を、ひとりの人間として受け入れることも大事だからね。ちょっと言い方は悪いけど、支配ではなくて共存すること。ひとつの体を本来の人格と創り出した人格でシェアする感覚だね」
体験者のふたりのアドバイスに、深く豪篤はうなずく。
「心で対話、受け入れてあげる、支配じゃなくて共存、体を人格とシェアする……か」
うわごとのようにつぶやき、豪篤はふたりのアドバイスをひとつひとつ噛みくだいていく。
その間に、茂勝がウェイトレスを呼んで料理を注文した。
「そういえば茂勝さんって、どうしてこのバイトを?」
「月火水と、俺は事務方の仕事をしてるんよ」
「あれ、このバイトだけじゃなかったんですか?」
「そ、俺だけねー。なんでわざわざ事務方の仕事をしてるんだと思う?」
「えーっと、想像がつきません……」
「修ちゃんと浩ちゃんと違って、3日間はクソ真面目に仕事をしてよぉ。ほかの曜日はこうやってさ、はっちゃけるのを楽しくするためだ。でも、素というか休日はもっとはっちゃけたいんよ。だから、メイドをやってるときは、超がつくほど丁寧のキャラを演じてるってわけ。人生メリハリは大事よ大事」
「女装はどういったきっかけで?」
「高校生のころ、女友達にしてみろって言われてなー。化粧を任せて俺もノリノリで衣装に着替えて姿見に映し出されるや、そこにゃ、アッと驚く美人がいたってこった。それ以来だなー」
「確かに、美人ですもんねー。しかもあんな声を出せるだなんて。目の前の人から想像できませんよ」
「ありがとーよ。声は恥ずかしいから企業秘密ってことで。んじゃ、次は修ちゃんいってみよー♪」
茂勝は、隣で携帯をいじりながら聞いていた修助に水を向けた。
「僕はそうだな……もともと何かを演じるのが好きなんだよね。メイドのあのキャラは、もしも自分が女の子だったらどうするかというのを出してるんだ」
「あのキャラになりたいとかじゃなくて、自分基準で考えてるのか」
「良くも悪くも僕はナルシスト入ってるからね」
茂勝がうんうんとうなずく。
「確かに、言っちゃ悪いけどそうかもなー。メイドのときもカツラをかぶらんし、化粧も薄い。よほどの自信があるんだなって思った。だから、今も修助から成実になっても驚かないな」
「アハハハ、言ってくれるね」
豪篤は真面目に質問した。
「女装のきっかけはあったのか?」
「もともとちっちゃいころから、スカートとかワンピースとか着せられて、女の子の格好をさせられたことがあったんだ。小学校から高校に入学するまでは何もなかった。けど、劇団に入ってからはちょこちょこ女の子の役があって、役の勉強とお金のことも考えてバイトしてるんだよ」
「役の勉強のためだったのか。ここまでやれるなんて、純粋にすごいな」
「演技をすることが僕にとっての生きがいでもあり、ストレス解消にもなってる。まあでも、ストレスの原因でもあるけど。どっちだよって思われるけど、もう切り離せないよ」
「なるほどな……」
豪篤がソファにもたれかかると同時に、ウェイトレスが料理を持ってきた。
「お待たせいたしました! からあげポテトセットです!」
「おお、うっまそー。俺先に食ってもいい?」
茂勝は箸を構えて修助と豪篤に訊く。
「うん、どうぞ。豪(たけ)ちゃんも食べれば?」
「あれ、修助は食わないのか?」
「油ものはサラダを先に食べてからじゃないと」
「ふーん」
「そういや、豪ちゃんはなんでこのバイトを?」
「俺も気になってた! 最初に店に来たときはへんちくりんだったけどよ、女装しなくても身なりさえ気をつけりゃ、女の子にモテそうなものを」
からあげをほおぼって喜びに満ちていた豪篤の顔が、急速に暗くなっていく。
さすがにまずいと思った茂勝があわててフォローする。
「あー、い、嫌なら言わなくてもいいんだぞ。強制はしねぇーよ」
豪篤は何も言わない。からあげを口内から胃にしまいこんでから、ようやく声を発した。
「彼女にフラれたんです。アンタは女のことをよくわかってない。勉強して理解して……それでも気があるなら告白してこい、と」
顔にこそ出てないが、今にも泣き出しそうな弱々しい豪篤の声音。見栄で少し嘘も混ざっているが、ふたりは知る由もない。
「ひっでーえ女! ……と、言いたいところだけど、一理あるんだよなー」
「もてあそばれてる感も否めないけどね」
「たけあっつぁんは良くも悪くも素直でいい奴だからな」
「うんうん」
「ほかの女の子じゃダメなん?」
豪篤は一瞬驚いたが、すぐに真剣な表情で、
「俺にはあいつしか目に入らないんです!」
「悪い悪い。そして一途と」
「好漢(こうかん)ここにありってやつだね」
「つーかよ、女性誌とかファッション誌を読んで、話を合わせてあげればいいんじゃねぇの? 今の時代、インターネットも普及してんだし」
「ね。彼女は女になれとは言ってないよね?」
ふたりの疑問に、ここは正直に言うべきだと豪篤は悟った。
「ちょうど女装カフェの特集みたいなものをテレビで観て、実際に形だけでも女として働いてれば理解できると思って」
「だから、あのときうちに来たってことなのね」
「そうなるな」
「でも、こっちに来てくれてよかったよ。新しい仲間って理由がなんであれ、うれしいものだし」
修助は心の底からそう思ってるのか、言葉のひとつひとつに感情が込められていた。豪篤は、修助の頭をつい撫でたくなるような衝動を押し殺す。
「そう言ってくれると俺もうれしいよ」
「『メイドル』だっけか? あっちに行ってたら、どうなってたんだろうなー。でっけえ所だから、いろいろ厳しそうだろうなー。あー、やだやだ」
「いまさらそっちに行く気なんかありませんよ。今の『メイドォール』で勉強させてもらいます!」
「おっしゃ、よう言った! おっちゃん、その言葉が聞きたかったんよ。ウェイトレスさーん、この好感の持てる若い奴に、クリームソーダ! あと、俺はジョッキのビールを頼んますッ!」
* * *
「それでは、豪篤くんの入店を祝してかんぱーい!」
茂勝が乾杯の音頭を取って、グラスを上げる。ひとりだけ20歳を超えているので、中身はビールだ。
「かんぱーい」
「ありがとうございます!」
修助と豪篤もグラスを上げて当て合う。
軽い硬質な音とともに、オレンジ色の液体が揺れた。未成年である修助と豪篤は、オレンジジュースである。
3人がひと口飲み、グラスがテーブルに置かれる。
こうして、ささやかな歓迎会がファミレスで始められた。
「本当はなー、浩ちゃんと店長もいりゃよかったんだけども」
茂勝が頬杖をついて残念がっている。修助は眉をやや八の字にして、
「べつに居酒屋でもよかったのに」
「そうすっと、君らの飲むもんがないじゃん。俺はビールが大好きだから、ノープロブレムよ! ほらほら、たけあっつぁんも好きなの食いねえ、食いねえ」
「じゃあ、肉とかいいですかッ? ……いや、やっぱりみんなで食べれるようなものを頼んだほうが……いや、スイーツのほうがいいんじゃ……」
豪篤はメニュー表に目を落としてぶつぶつ言い出した。
「はっはっは、食えるもん食っていいぞー。俺は金が余ってしゃーないぐらいだからのう」
「まさか、まだキャラがうまく切り替られてないんじゃ……」
修助が懸念を口にした途端、豪篤は驚いた顔をして修助を見た。
「なんでわかった!?」
「わ、聞いてたのッ?」
修助は心臓の辺りを押さえる。対して豪篤はこめかみを押さえた。
「そうなんだよ……。キャラに入るのは簡単なんだけど、カツラをはずしてもなかなか出ていかなくてな。
思考も女のものから、普段の自分の思考に戻りづらくて困ってんだ。8割方洗脳に近い形だったからなあ。あんなに脳みそを酷使したのは、初めてかも」
ふたりが「あ~」と懐かしいと言わんばかりに、何度もうなずいている。
「ふんどしのときのハイテンションは、あえて作ってたってか。はえー、いやいやたけあっつぁん、自分のキャラと心で対話しよーぜ。詳しいことは修ちゃんが今から話すからよ」
「はいはい。そうだね、そのほうが楽になるよ。素の状態のとき、公共の場では押し込めなきゃいけないけど、心の中まで押し込めちゃダメ。いつか絶対に爆発するから。
最初にキャラというか人格を、ひとりの人間として受け入れることも大事だからね。ちょっと言い方は悪いけど、支配ではなくて共存すること。ひとつの体を本来の人格と創り出した人格でシェアする感覚だね」
体験者のふたりのアドバイスに、深く豪篤はうなずく。
「心で対話、受け入れてあげる、支配じゃなくて共存、体を人格とシェアする……か」
うわごとのようにつぶやき、豪篤はふたりのアドバイスをひとつひとつ噛みくだいていく。
その間に、茂勝がウェイトレスを呼んで料理を注文した。
「そういえば茂勝さんって、どうしてこのバイトを?」
「月火水と、俺は事務方の仕事をしてるんよ」
「あれ、このバイトだけじゃなかったんですか?」
「そ、俺だけねー。なんでわざわざ事務方の仕事をしてるんだと思う?」
「えーっと、想像がつきません……」
「修ちゃんと浩ちゃんと違って、3日間はクソ真面目に仕事をしてよぉ。ほかの曜日はこうやってさ、はっちゃけるのを楽しくするためだ。でも、素というか休日はもっとはっちゃけたいんよ。だから、メイドをやってるときは、超がつくほど丁寧のキャラを演じてるってわけ。人生メリハリは大事よ大事」
「女装はどういったきっかけで?」
「高校生のころ、女友達にしてみろって言われてなー。化粧を任せて俺もノリノリで衣装に着替えて姿見に映し出されるや、そこにゃ、アッと驚く美人がいたってこった。それ以来だなー」
「確かに、美人ですもんねー。しかもあんな声を出せるだなんて。目の前の人から想像できませんよ」
「ありがとーよ。声は恥ずかしいから企業秘密ってことで。んじゃ、次は修ちゃんいってみよー♪」
茂勝は、隣で携帯をいじりながら聞いていた修助に水を向けた。
「僕はそうだな……もともと何かを演じるのが好きなんだよね。メイドのあのキャラは、もしも自分が女の子だったらどうするかというのを出してるんだ」
「あのキャラになりたいとかじゃなくて、自分基準で考えてるのか」
「良くも悪くも僕はナルシスト入ってるからね」
茂勝がうんうんとうなずく。
「確かに、言っちゃ悪いけどそうかもなー。メイドのときもカツラをかぶらんし、化粧も薄い。よほどの自信があるんだなって思った。だから、今も修助から成実になっても驚かないな」
「アハハハ、言ってくれるね」
豪篤は真面目に質問した。
「女装のきっかけはあったのか?」
「もともとちっちゃいころから、スカートとかワンピースとか着せられて、女の子の格好をさせられたことがあったんだ。小学校から高校に入学するまでは何もなかった。けど、劇団に入ってからはちょこちょこ女の子の役があって、役の勉強とお金のことも考えてバイトしてるんだよ」
「役の勉強のためだったのか。ここまでやれるなんて、純粋にすごいな」
「演技をすることが僕にとっての生きがいでもあり、ストレス解消にもなってる。まあでも、ストレスの原因でもあるけど。どっちだよって思われるけど、もう切り離せないよ」
「なるほどな……」
豪篤がソファにもたれかかると同時に、ウェイトレスが料理を持ってきた。
「お待たせいたしました! からあげポテトセットです!」
「おお、うっまそー。俺先に食ってもいい?」
茂勝は箸を構えて修助と豪篤に訊く。
「うん、どうぞ。豪(たけ)ちゃんも食べれば?」
「あれ、修助は食わないのか?」
「油ものはサラダを先に食べてからじゃないと」
「ふーん」
「そういや、豪ちゃんはなんでこのバイトを?」
「俺も気になってた! 最初に店に来たときはへんちくりんだったけどよ、女装しなくても身なりさえ気をつけりゃ、女の子にモテそうなものを」
からあげをほおぼって喜びに満ちていた豪篤の顔が、急速に暗くなっていく。
さすがにまずいと思った茂勝があわててフォローする。
「あー、い、嫌なら言わなくてもいいんだぞ。強制はしねぇーよ」
豪篤は何も言わない。からあげを口内から胃にしまいこんでから、ようやく声を発した。
「彼女にフラれたんです。アンタは女のことをよくわかってない。勉強して理解して……それでも気があるなら告白してこい、と」
顔にこそ出てないが、今にも泣き出しそうな弱々しい豪篤の声音。見栄で少し嘘も混ざっているが、ふたりは知る由もない。
「ひっでーえ女! ……と、言いたいところだけど、一理あるんだよなー」
「もてあそばれてる感も否めないけどね」
「たけあっつぁんは良くも悪くも素直でいい奴だからな」
「うんうん」
「ほかの女の子じゃダメなん?」
豪篤は一瞬驚いたが、すぐに真剣な表情で、
「俺にはあいつしか目に入らないんです!」
「悪い悪い。そして一途と」
「好漢(こうかん)ここにありってやつだね」
「つーかよ、女性誌とかファッション誌を読んで、話を合わせてあげればいいんじゃねぇの? 今の時代、インターネットも普及してんだし」
「ね。彼女は女になれとは言ってないよね?」
ふたりの疑問に、ここは正直に言うべきだと豪篤は悟った。
「ちょうど女装カフェの特集みたいなものをテレビで観て、実際に形だけでも女として働いてれば理解できると思って」
「だから、あのときうちに来たってことなのね」
「そうなるな」
「でも、こっちに来てくれてよかったよ。新しい仲間って理由がなんであれ、うれしいものだし」
修助は心の底からそう思ってるのか、言葉のひとつひとつに感情が込められていた。豪篤は、修助の頭をつい撫でたくなるような衝動を押し殺す。
「そう言ってくれると俺もうれしいよ」
「『メイドル』だっけか? あっちに行ってたら、どうなってたんだろうなー。でっけえ所だから、いろいろ厳しそうだろうなー。あー、やだやだ」
「いまさらそっちに行く気なんかありませんよ。今の『メイドォール』で勉強させてもらいます!」
「おっしゃ、よう言った! おっちゃん、その言葉が聞きたかったんよ。ウェイトレスさーん、この好感の持てる若い奴に、クリームソーダ! あと、俺はジョッキのビールを頼んますッ!」
* * *
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる