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最終章 木こりと騎士は……
第541話 そして呪いは解かれた
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「ハァハァハァ……」
息せき切ったフリージアが、折れたレイピアをゆっくりと下ろすとポツリと呟く。
「や、やった」
眼前には鮮やかな緑と色とりどりの建物。
漆黒に染まった歪んだ巨大魔法陣はどこにもない。
(私、ロスペル兄様と同じように魔法陣を打ち消すことが出来た。私とリュシアン兄様とメスト様の力を借りて)
美しい景色を前に、感極まったフリージアが淡い緑色の瞳を潤ませ、「良かったぁ~!」と力を抜いた瞬間、メストがギュッとフリージアを抱き寄せる。
「フリージア!」
「メスト様」
そっと顔を上げると、心配そうに覗き込むメストのアイスブルーの瞳とかち合う。
「大丈夫か……って、聞かなくても大丈夫じゃないよな」
「アハハッ、お恥ずかしながら、魔力切れで全然大丈夫じゃありません」
「そうだな。だが、よく頑張った。お前のお陰でノルベルトを止めることが出来た」
そう言うと、メストは眼下に視線を落とす。
そこには、膝から崩れ落ち、呆然としているノルベルトがいた。
(私、ノルベルトをこの手で止めることが出来たのね)
自分から全てを奪った男の姿を見て、僅かに顔を歪ませたフリージアは、視線をメストに戻すと小さく首を横に振る。
「いえ、リュシアン兄様とメスト様が私に魔力を与えてくださったお陰で止めることが出来たのです」
(そう、これは私1人がやったことではないわ。私をこの場に送り出してくれたみんなと、魔力を与えてくれた2人のお陰よ)
「そうか。俺はただお前に魔力を与えただけだが……お前の力になれたらこれ以上ない誉だ」
「っ!」
(メスト様! どうしてこのタイミングでそんな嬉しいことをそんな顔でおっしゃるのですか! 地上に戻ったら絶対にカトレアに問い詰められるわ!)
甘い笑みで真っ直ぐに気持ちを伝えたメストに、顔を真っ赤にしたフリージアは、思わず顔を俯かせると慌ててレイピアを鞘に収める。
そんな彼女の可愛らしい慌てっぷりを見て、笑みを深めたメストは再び眼下に視線を落とす。
「では、戻ろう。俺たちのいる場所へ」
「は、はい!」
無効化魔法を使った影響でフリージアにかけられていた飛行魔法は消えてしまったが、幸いなことにメストにかけられていた飛行魔法は消えなかった。
それを分かっていたメストは、フリージアをお姫様抱っこすると地上に降りた。
それで、フリージアが恥ずかしさで再び顔が真っ赤になったのは言わずもがな。
◇◇◇◇◇
「フリージア!」
メストにお姫様抱っこされ、地上に戻ったフリージアが地に足を着けた瞬間、目を潤ませたカトレアがフリージアに抱きついた。
「お、おい、カトレア! それでは、フリージア嬢が困るだろうが!」
シトリンやフェビルや王族が微笑ましく見守っている中、ラピスが慌てて引き離そうとしたが、メストから強引にフリージアを奪ったカトレアは、困惑するフリージアを強く抱きしめる。
「カトレア?」
「あんたって子は、心身共にボロボロのはずなのに、本当によく頑張ったわ! 本当に、あんたって子は……」
「カトレア……」
カトレアから涙声で褒められ、フリージアが優しく微笑むと、フリージアの頭にメストとは違う大きな手が乗った。
「フリージア、よく頑張った!」
「リュシアン兄様!」
「フリージア、よく頑張ったね。兄として、とても誇らしいよ」
「ロスペル兄様!」
大好きな2人の兄に褒められ、フリージアは満面の笑みを浮かべる。
「本当に頑張りましたね」
「あぁ、そうだな」
(ありがとう、フリージア。お前のお陰で、この国にかけられていた呪いが解けた)
「後は、任せておけ」
全てを奪った魔法の影響を消し去った娘に、小さく笑みを零したレクシャは、すぐさま笑みを潜めると視線をノルベルトに戻した。
息せき切ったフリージアが、折れたレイピアをゆっくりと下ろすとポツリと呟く。
「や、やった」
眼前には鮮やかな緑と色とりどりの建物。
漆黒に染まった歪んだ巨大魔法陣はどこにもない。
(私、ロスペル兄様と同じように魔法陣を打ち消すことが出来た。私とリュシアン兄様とメスト様の力を借りて)
美しい景色を前に、感極まったフリージアが淡い緑色の瞳を潤ませ、「良かったぁ~!」と力を抜いた瞬間、メストがギュッとフリージアを抱き寄せる。
「フリージア!」
「メスト様」
そっと顔を上げると、心配そうに覗き込むメストのアイスブルーの瞳とかち合う。
「大丈夫か……って、聞かなくても大丈夫じゃないよな」
「アハハッ、お恥ずかしながら、魔力切れで全然大丈夫じゃありません」
「そうだな。だが、よく頑張った。お前のお陰でノルベルトを止めることが出来た」
そう言うと、メストは眼下に視線を落とす。
そこには、膝から崩れ落ち、呆然としているノルベルトがいた。
(私、ノルベルトをこの手で止めることが出来たのね)
自分から全てを奪った男の姿を見て、僅かに顔を歪ませたフリージアは、視線をメストに戻すと小さく首を横に振る。
「いえ、リュシアン兄様とメスト様が私に魔力を与えてくださったお陰で止めることが出来たのです」
(そう、これは私1人がやったことではないわ。私をこの場に送り出してくれたみんなと、魔力を与えてくれた2人のお陰よ)
「そうか。俺はただお前に魔力を与えただけだが……お前の力になれたらこれ以上ない誉だ」
「っ!」
(メスト様! どうしてこのタイミングでそんな嬉しいことをそんな顔でおっしゃるのですか! 地上に戻ったら絶対にカトレアに問い詰められるわ!)
甘い笑みで真っ直ぐに気持ちを伝えたメストに、顔を真っ赤にしたフリージアは、思わず顔を俯かせると慌ててレイピアを鞘に収める。
そんな彼女の可愛らしい慌てっぷりを見て、笑みを深めたメストは再び眼下に視線を落とす。
「では、戻ろう。俺たちのいる場所へ」
「は、はい!」
無効化魔法を使った影響でフリージアにかけられていた飛行魔法は消えてしまったが、幸いなことにメストにかけられていた飛行魔法は消えなかった。
それを分かっていたメストは、フリージアをお姫様抱っこすると地上に降りた。
それで、フリージアが恥ずかしさで再び顔が真っ赤になったのは言わずもがな。
◇◇◇◇◇
「フリージア!」
メストにお姫様抱っこされ、地上に戻ったフリージアが地に足を着けた瞬間、目を潤ませたカトレアがフリージアに抱きついた。
「お、おい、カトレア! それでは、フリージア嬢が困るだろうが!」
シトリンやフェビルや王族が微笑ましく見守っている中、ラピスが慌てて引き離そうとしたが、メストから強引にフリージアを奪ったカトレアは、困惑するフリージアを強く抱きしめる。
「カトレア?」
「あんたって子は、心身共にボロボロのはずなのに、本当によく頑張ったわ! 本当に、あんたって子は……」
「カトレア……」
カトレアから涙声で褒められ、フリージアが優しく微笑むと、フリージアの頭にメストとは違う大きな手が乗った。
「フリージア、よく頑張った!」
「リュシアン兄様!」
「フリージア、よく頑張ったね。兄として、とても誇らしいよ」
「ロスペル兄様!」
大好きな2人の兄に褒められ、フリージアは満面の笑みを浮かべる。
「本当に頑張りましたね」
「あぁ、そうだな」
(ありがとう、フリージア。お前のお陰で、この国にかけられていた呪いが解けた)
「後は、任せておけ」
全てを奪った魔法の影響を消し去った娘に、小さく笑みを零したレクシャは、すぐさま笑みを潜めると視線をノルベルトに戻した。
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