Young Dragon 西高編‼️

おくん血•タケルfrom八鶴な書店

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中堅戦

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――第二戦。
会場の空気が一気に変わった。

武流がラケットを持って立つと、客席のざわめきが大きくなる。
「カッコいい……」
「え、あれ鬼爆の?めっちゃ落ち着いてない?」
いつの間にか他校の女子生徒たちまで足を運んでいて、視線は一斉に武流へと集まっていた。

試合開始

西高の選手がサーブを放つ。
強烈な横回転サーブがコートに突き刺さり、武流のリターンはわずかに浮く。
「1-0!」
続けて二球目、三球目も決まる。
3点連取。

観客席からため息と歓声が入り混じる中、武流は一度深く息を吸った。

――内田流を信じろ。
慶介の横で腕を組んで見守る内田が目で伝えていた。

鉄壁のディフェンス

次のラリー。
相手が強打を仕掛けるたびに、武流は体を沈め、ラケットの角度を極限まで調整して返球する。
ネットすれすれ、ギリギリで落ちるカット。
「うわっ、返した!?」「全部拾うぞあいつ!」

相手が左右に振っても、武流の足は一歩も遅れない。
返して、返して、また返して――焦った相手のスマッシュがオーバー。
「3-1!」

そこから徐々に武流のリズムになる。
観客席が一球ごとにどよめき、女子たちの黄色い声援が飛ぶ。

「武流くんカッコいいー!」
「諦めないディフェンスだ!」

デュースの死闘

気が付けばスコアは10-10。
どちらも譲らぬラリー戦が続く。
スマッシュを打ち込まれても、武流は腰を低くして切り返す。
相手が打てば打つほど、武流の返球は鋭さを増していく。

「17-17!」
汗が飛び散り、会場の空気が張り詰める。

勝負の一球

相手が渾身のスマッシュを放つ瞬間、武流は一瞬だけ下がった。
カットかと思わせて――カウンターのドライブを叩き込む!!
ボールは一直線に相手コートの端へ。
相手は反応できず、審判の声が響く。
「18-17、鬼爆!」

続くマッチポイント。
相手の強烈なサービスを武流が切り返す。
ラリーは10往復を超え、誰もが息を呑む。
最後に相手が焦ってバックアウト。

「ゲームセット! 19-17、鬼爆!」

会場の爆発

割れんばかりの拍手と歓声。
女子生徒たちが立ち上がり、武流の名前を叫ぶ。

ユダと内田も立ち上がり、両手で大きな拍手を送る。
「……見事だ。全国を狙える守備力だぞ」
内田は満足げに微笑み、武流の背を叩いた。

透馬はまだ敗戦の悔しさを胸に抱いていたが、武流の勝利に拳を握りしめた。
「次は……美花だな」

――会場の熱気が、さらに高まっていく。


――決戦の大将戦。

審判が「両校、大将前へ」と声を張り上げる。
西校のベンチから立ち上がったのは、見慣れぬ三年の顔。

次の瞬間、会場がざわついた。
「えっ……誰?」「悠人先輩じゃないじゃん!!」
女子生徒たちの声が一斉に響き渡る。

やがてそのざわめきはブーイングへと変わる。
「ふざけんなー!!悠人先輩を出せ!!」
「悠人先輩見にきたんだよぉ!!」
体育館中が揺れるほどの怒号。

観客席の一角では、涼子が脚を組んで余裕の笑みを浮かべていた。
両脇には彼女の“ペット”と呼ばれる女生徒たち。
「ちゃんとやんなさいよ? ほら、もっと騒いで騒いで💓」
仕込みだった。西校の監督陣を揺さぶるための。

西校ベンチ

中国系の監督、コーチ陣は顔をしかめた。
「……なんだこれは。試合にならんぞ」
「たかが練習試合だ。観客の空気を壊すわけにもいかん」
苦虫を噛み潰したような表情で、結局決断する。

「大将は――悠人に変更だ」

体育館が割れるような歓声に包まれた。
「悠人先輩ーーーー!!!!」

鬼爆ベンチ

その瞬間、ユダが静かに立ち上がる。
「内田監督、私も言わせてもらおう。ここで決着をつけるのは……私だ」

内田は一瞬目を見開いたが、すぐに頷く。
「……分かった。大将はお前に任せる」

その一言で、再び会場が揺れる。
「うおおおお!!!」
「マジで!?ユダが出るのか!!」

観客席の女子生徒たちが、今度は大歓声に変わった。
悠人とユダ――誰も予想できなかった夢のカードが、いま実現する。

互いに視線を交わした瞬間、空気は凍りついた。
悠人の瞳は真っすぐ。
ユダの瞳は揺るがぬ王者の光。

――鬼爆 vs 西校、最後の勝負が始まろうとしていた。

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