13 / 18
中堅戦
しおりを挟む
――第二戦。
会場の空気が一気に変わった。
武流がラケットを持って立つと、客席のざわめきが大きくなる。
「カッコいい……」
「え、あれ鬼爆の?めっちゃ落ち着いてない?」
いつの間にか他校の女子生徒たちまで足を運んでいて、視線は一斉に武流へと集まっていた。
試合開始
西高の選手がサーブを放つ。
強烈な横回転サーブがコートに突き刺さり、武流のリターンはわずかに浮く。
「1-0!」
続けて二球目、三球目も決まる。
3点連取。
観客席からため息と歓声が入り混じる中、武流は一度深く息を吸った。
――内田流を信じろ。
慶介の横で腕を組んで見守る内田が目で伝えていた。
鉄壁のディフェンス
次のラリー。
相手が強打を仕掛けるたびに、武流は体を沈め、ラケットの角度を極限まで調整して返球する。
ネットすれすれ、ギリギリで落ちるカット。
「うわっ、返した!?」「全部拾うぞあいつ!」
相手が左右に振っても、武流の足は一歩も遅れない。
返して、返して、また返して――焦った相手のスマッシュがオーバー。
「3-1!」
そこから徐々に武流のリズムになる。
観客席が一球ごとにどよめき、女子たちの黄色い声援が飛ぶ。
「武流くんカッコいいー!」
「諦めないディフェンスだ!」
デュースの死闘
気が付けばスコアは10-10。
どちらも譲らぬラリー戦が続く。
スマッシュを打ち込まれても、武流は腰を低くして切り返す。
相手が打てば打つほど、武流の返球は鋭さを増していく。
「17-17!」
汗が飛び散り、会場の空気が張り詰める。
勝負の一球
相手が渾身のスマッシュを放つ瞬間、武流は一瞬だけ下がった。
カットかと思わせて――カウンターのドライブを叩き込む!!
ボールは一直線に相手コートの端へ。
相手は反応できず、審判の声が響く。
「18-17、鬼爆!」
続くマッチポイント。
相手の強烈なサービスを武流が切り返す。
ラリーは10往復を超え、誰もが息を呑む。
最後に相手が焦ってバックアウト。
「ゲームセット! 19-17、鬼爆!」
会場の爆発
割れんばかりの拍手と歓声。
女子生徒たちが立ち上がり、武流の名前を叫ぶ。
ユダと内田も立ち上がり、両手で大きな拍手を送る。
「……見事だ。全国を狙える守備力だぞ」
内田は満足げに微笑み、武流の背を叩いた。
透馬はまだ敗戦の悔しさを胸に抱いていたが、武流の勝利に拳を握りしめた。
「次は……美花だな」
――会場の熱気が、さらに高まっていく。
――決戦の大将戦。
審判が「両校、大将前へ」と声を張り上げる。
西校のベンチから立ち上がったのは、見慣れぬ三年の顔。
次の瞬間、会場がざわついた。
「えっ……誰?」「悠人先輩じゃないじゃん!!」
女子生徒たちの声が一斉に響き渡る。
やがてそのざわめきはブーイングへと変わる。
「ふざけんなー!!悠人先輩を出せ!!」
「悠人先輩見にきたんだよぉ!!」
体育館中が揺れるほどの怒号。
観客席の一角では、涼子が脚を組んで余裕の笑みを浮かべていた。
両脇には彼女の“ペット”と呼ばれる女生徒たち。
「ちゃんとやんなさいよ? ほら、もっと騒いで騒いで💓」
仕込みだった。西校の監督陣を揺さぶるための。
西校ベンチ
中国系の監督、コーチ陣は顔をしかめた。
「……なんだこれは。試合にならんぞ」
「たかが練習試合だ。観客の空気を壊すわけにもいかん」
苦虫を噛み潰したような表情で、結局決断する。
「大将は――悠人に変更だ」
体育館が割れるような歓声に包まれた。
「悠人先輩ーーーー!!!!」
鬼爆ベンチ
その瞬間、ユダが静かに立ち上がる。
「内田監督、私も言わせてもらおう。ここで決着をつけるのは……私だ」
内田は一瞬目を見開いたが、すぐに頷く。
「……分かった。大将はお前に任せる」
その一言で、再び会場が揺れる。
「うおおおお!!!」
「マジで!?ユダが出るのか!!」
観客席の女子生徒たちが、今度は大歓声に変わった。
悠人とユダ――誰も予想できなかった夢のカードが、いま実現する。
互いに視線を交わした瞬間、空気は凍りついた。
悠人の瞳は真っすぐ。
ユダの瞳は揺るがぬ王者の光。
――鬼爆 vs 西校、最後の勝負が始まろうとしていた。
会場の空気が一気に変わった。
武流がラケットを持って立つと、客席のざわめきが大きくなる。
「カッコいい……」
「え、あれ鬼爆の?めっちゃ落ち着いてない?」
いつの間にか他校の女子生徒たちまで足を運んでいて、視線は一斉に武流へと集まっていた。
試合開始
西高の選手がサーブを放つ。
強烈な横回転サーブがコートに突き刺さり、武流のリターンはわずかに浮く。
「1-0!」
続けて二球目、三球目も決まる。
3点連取。
観客席からため息と歓声が入り混じる中、武流は一度深く息を吸った。
――内田流を信じろ。
慶介の横で腕を組んで見守る内田が目で伝えていた。
鉄壁のディフェンス
次のラリー。
相手が強打を仕掛けるたびに、武流は体を沈め、ラケットの角度を極限まで調整して返球する。
ネットすれすれ、ギリギリで落ちるカット。
「うわっ、返した!?」「全部拾うぞあいつ!」
相手が左右に振っても、武流の足は一歩も遅れない。
返して、返して、また返して――焦った相手のスマッシュがオーバー。
「3-1!」
そこから徐々に武流のリズムになる。
観客席が一球ごとにどよめき、女子たちの黄色い声援が飛ぶ。
「武流くんカッコいいー!」
「諦めないディフェンスだ!」
デュースの死闘
気が付けばスコアは10-10。
どちらも譲らぬラリー戦が続く。
スマッシュを打ち込まれても、武流は腰を低くして切り返す。
相手が打てば打つほど、武流の返球は鋭さを増していく。
「17-17!」
汗が飛び散り、会場の空気が張り詰める。
勝負の一球
相手が渾身のスマッシュを放つ瞬間、武流は一瞬だけ下がった。
カットかと思わせて――カウンターのドライブを叩き込む!!
ボールは一直線に相手コートの端へ。
相手は反応できず、審判の声が響く。
「18-17、鬼爆!」
続くマッチポイント。
相手の強烈なサービスを武流が切り返す。
ラリーは10往復を超え、誰もが息を呑む。
最後に相手が焦ってバックアウト。
「ゲームセット! 19-17、鬼爆!」
会場の爆発
割れんばかりの拍手と歓声。
女子生徒たちが立ち上がり、武流の名前を叫ぶ。
ユダと内田も立ち上がり、両手で大きな拍手を送る。
「……見事だ。全国を狙える守備力だぞ」
内田は満足げに微笑み、武流の背を叩いた。
透馬はまだ敗戦の悔しさを胸に抱いていたが、武流の勝利に拳を握りしめた。
「次は……美花だな」
――会場の熱気が、さらに高まっていく。
――決戦の大将戦。
審判が「両校、大将前へ」と声を張り上げる。
西校のベンチから立ち上がったのは、見慣れぬ三年の顔。
次の瞬間、会場がざわついた。
「えっ……誰?」「悠人先輩じゃないじゃん!!」
女子生徒たちの声が一斉に響き渡る。
やがてそのざわめきはブーイングへと変わる。
「ふざけんなー!!悠人先輩を出せ!!」
「悠人先輩見にきたんだよぉ!!」
体育館中が揺れるほどの怒号。
観客席の一角では、涼子が脚を組んで余裕の笑みを浮かべていた。
両脇には彼女の“ペット”と呼ばれる女生徒たち。
「ちゃんとやんなさいよ? ほら、もっと騒いで騒いで💓」
仕込みだった。西校の監督陣を揺さぶるための。
西校ベンチ
中国系の監督、コーチ陣は顔をしかめた。
「……なんだこれは。試合にならんぞ」
「たかが練習試合だ。観客の空気を壊すわけにもいかん」
苦虫を噛み潰したような表情で、結局決断する。
「大将は――悠人に変更だ」
体育館が割れるような歓声に包まれた。
「悠人先輩ーーーー!!!!」
鬼爆ベンチ
その瞬間、ユダが静かに立ち上がる。
「内田監督、私も言わせてもらおう。ここで決着をつけるのは……私だ」
内田は一瞬目を見開いたが、すぐに頷く。
「……分かった。大将はお前に任せる」
その一言で、再び会場が揺れる。
「うおおおお!!!」
「マジで!?ユダが出るのか!!」
観客席の女子生徒たちが、今度は大歓声に変わった。
悠人とユダ――誰も予想できなかった夢のカードが、いま実現する。
互いに視線を交わした瞬間、空気は凍りついた。
悠人の瞳は真っすぐ。
ユダの瞳は揺るがぬ王者の光。
――鬼爆 vs 西校、最後の勝負が始まろうとしていた。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妹の仇 兄の復讐
MisakiNonagase
青春
神奈川県の海に近い住宅街。夏の終わりが、夕焼けに溶けていく季節だった。
僕、孝之は高校三年生、十七歳。妹の茜は十五歳、高校一年生。父と母との四人暮らし。ごく普通の家庭で、僕と茜は、ブラコンやシスコンと騒がれるほどではないが、それなりに仲の良い兄妹だった。茜は少し内気で、真面目な顔をしているが、家族の前ではよく笑う。特に、幼馴染で僕の交際相手でもある佑香が来ると、姉のように慕って明るくなる。
その平穏が、ほんの些細な噂によって、静かに、しかし深く切り裂かれようとは、その時はまだ知らなかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる