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第十三話『ユリナの訪問──十鬼衆への復讐』
しおりを挟むゴブリン討伐も終わり、ヴァンパイアも倒した後。
村に戻った武流たちは、久しぶりにゆっくりした昼下がりを過ごしていた。
ファンクラブ女子たちが、キャッキャと楽しそうに集まっている。
「ねぇねぇリディアちゃん‼️ この間のヴァンパイアって、どんな顔してたの!?」
「もしかして、やっぱり美形だった!?」
武流とギスケが「は?」と同時に振り向く。
リディアは悪戯っぽくニヤリと笑い、わざと煽るように言った。
「……そりゃあもう、めちゃくちゃイケメンだったわよ~?
スラッとした長身に、色気のある低音ボイス……冷たい目がまたカッコよかったんだから。」
ファンクラブ女子たち「きゃあぁぁ~~~💕💕💕‼️‼️」
「な、なんでそんな大事なこともっと早く言わないの~~‼️」
「うわぁ……見たかったぁ~~~‼️ イケメンの吸血鬼とか最高じゃん‼️」
「惚れられて攫われたかったぁ~~~‼️」
武流「は!?ちょ、待て待て‼️ いや、お前ら攫われたかったって、バカか‼️💢」
ギスケも慌てて羽をバタバタさせる。
「そ、それ攫われたら終わりっすよ!? だ、だって血吸われるっすよ!? た、多分変なこともされるっすよ!?」
でも女子たちは完全に盛り上がっている。
「それでも良かった~~~💕」
「私たちの武流様が勝った相手……そのイケメン吸血鬼とか……浪漫すぎる……!」
「むしろ、どんな奴だったかもっと詳しく聞きたい‼️」
リディアはわざと楽しそうに続けた。
「ふふ、そうね~? 近くで見ると、顔立ちが整いすぎてて、うっかり見惚れるほどだったわよ?
戦ってる武流がちょっとカッコ悪く見えたくらいね。」
武流「おい‼️💢」
ギスケ「わ、笑いすぎっすよリディアさん‼️‼️」
女子たち「ひゅ~~💕💕💕」
武流は両手を広げて叫ぶ。
「なぁ‼️ おい‼️ なんでオレが吸血鬼に負けたことになってんだよ‼️💢」
ギスケ「いや、どっちかっていうと……情報戦では完敗っすね……。」
リディアは肩をすくめて、クスクスと笑う。
「ふふ、冗談よ。ちゃんと武流がカッコよく勝ったわよ。」
武流「最初からそう言えやぁぁぁ‼️‼️💢」
ギスケ「(小声で)……でも、ちょっと悔しかったっすね。」
「ギスケ?なんか言ったか?」
「な、なんでもないっす‼️‼️」
ファンクラブ女子たちは結局、
『武流に勝つためにはイケメン吸血鬼級の男じゃないと無理』という謎の結論に達して
今日も武流LOVEが加速していくのだった──。
「いいから! リディア‼️ 十鬼衆の情報全部教えろ‼️‼️」
武流は未だにむくれた顔で食い下がっていた。
「どうせなら、一番イケメンのヤツを……やってやる‼️‼️ もう許せねぇ‼️」
ブツブツとヴァンパイアに対抗心を燃やす武流に、ギスケは苦笑いしながら羽をパタパタさせた。
「いや……武流っす、それ絶対、動機間違ってるっすよ……。」
そこへ、ギルドの扉が静かに開いた。
「失礼──リディアさんはいらっしゃいますか?」
澄んだ声が響いた。
すらりとした細身の女性が、微笑みを浮かべながらギルドに入ってきた。
漆黒の忍装束に身を包み、だがどこか儚げで、胡蝶が舞うかのような優雅な佇まい。
「ん? 誰だ?」
武流が振り返ると、女性は静かに一礼した。
「初めまして。私はユリナ──ヴァンパイア討伐に成功した者を探して、ここへ参りました。」
リディアは目を丸くし、すぐに立ち上がる。
「ユリナ!? あんた、久しぶりじゃない!」
「ご無沙汰しています、リディアさん。」
「どうしたの? あんた、もう帝国の暗部から抜けたんじゃ──」
「ええ、抜けました。」
ユリナは微笑みを崩さないまま、武流たちに視線を向けた。
「あなたが……帝国から指名手配されているという、武流さんですね?」
武流は「お、おう……」と気まずそうに頷く。
武流「ま、まぁ指名手配されてるのは事実だけど、悪いことしたわけじゃねぇぞ?」
ギスケ「……いや、修行で衛兵狩りは充分アウトっすよ(^◇^;)」
武流「細けぇことは気にすんな‼️‼️ オレはオレのやり方で強くなってんだよ‼️」
リディア「フフ……あんた、ほんと最低ね。でも、そこがいいのよ。」
ユリナは小さくクスッと微笑む。
「最低でも……あなたの強さは本物ですね。」
武流「ま、褒められてんのか貶されてんのか、よくわかんねぇけどな‼️‼️」
「そのことは理解しています。」
ユリナは静かにうなずき、そして──
少しだけ、儚い微笑みを浮かべた。
「私には……どうしても倒したい敵がいるのです。」
武流「……誰だ?」
ユリナ「──十鬼衆の一人。私の家族を、目の前で殺した男。」
場が一瞬、凍りつく。
「私は、あの日からずっと探していました。
帝国の闇に潜み、姿を見せないその男を。」
「そして……ヴァンパイア討伐に成功したあなた方に興味を持った。
あなた方なら、私と共に戦ってくれるかもしれない、と。」
ユリナは静かに、だが強く言い放つ。
「どうか……私に協力していただけませんか?」
武流は腕を組み、ユリナの真剣な眼差しをじっと見つめた。
──女を泣かせる奴は、絶対に許さねぇ。
「いいぜ。」
武流は、ゆっくりと頷いた。
「一緒に行こうぜ、ユリナ。……オレたちなら、きっとそいつに届く。」
ユリナは、はじめて少しだけ安心したように──
優しく微笑んだ。
ギスケ「ま、また女の子が増えたっすね……。」
リディア「フフ……いいんじゃない?」
武流「ま、どんだけ女が増えようが、オレは全部守るだけだ‼️‼️」
こうして、ユリナが新たな仲間として武流たちに加わった──
その裏で、十鬼衆が静かに次の刺客を準備していることを、まだ彼らは知らなかった。
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