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嬭燦饒紡
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「翔太、私と結婚してよ。」
「未紗ねぇ、また酔ってる?」
「ぜんぜんよってないよぉ~?」
「酔ってんじゃん。大丈夫?」
「大丈夫、らいじょーぶ。」
「本当に大丈夫なの?」
「本当は大丈夫じゃない……。」
「そう言われると、大丈夫そうだね。」
「翔太の愛情が足りないよぉ~。」
「もう。未紗ねぇ。早く寝ろよ。」
「え?翔太、私と寝てくれるの?」
「今日はいいでしょ……。」
「やらよぉ~。今日も翔太とイチャイチャラブラブしたいよぉ~。」
「もういいから寝てよ……。」
「翔太のけちぃ!もういい!寝るぅ~!」
「早く寝ろよ……。」
「翔太も寝ようよぉ……。」
「それループだよね。面倒臭い。もう帰っていい?」
「翔太~。一緒に住み始めて5年くらい経つんだよぉ~?なんで夜家に帰るとか訳わかんない事言い始めるのぉ~?」
「もういいよ未紗ねぇ。明日から土日、しかも月曜祝日で三連休、お母さんも休み、行っていいかな?」
「やだよぉ~、夜中翔太居なきゃ怖いよぉ~。」
「未紗ねぇ、もしかして行って欲しくないアピール?」
「私、翔太居ないと寂しいよォ~。翔太が3日も居ないなんて未紗ねぇ泣いちゃう。」
「未紗ねぇ。面倒臭いよ……。」
「私、行って欲しくないよぉ……。」
僕は、5年前から未紗ねぇと同居していた。
あの頃高校生だった未紗ねぇは、もう大人になって働いている。そろそろ誕生日で、確か25だったはず。歳を聞くのは怒られそうで、なかなか聞けない。
そして僕は高校生になった。
未紗ねぇが高校を卒業した後、未紗ねぇは大学に行く為に街を出た。
県内だけど、かなり遠いところに行ってしまった。一人暮らしだ。
その間に未紗ねぇの両親が県外に異動になった。それまで住んでた僕の家の隣の家を売ったのかな?もしかしたら貸してるのかもしれないけれど、誰かが住んでる。
そうこうしてるうちに、今度は僕の親が海外に異動になった。
そんな短いうちに何故こんなに異動が……って思うけれど、まぁ理由を思いつかなくはない。
未紗ねぇと僕の両親は、全員同じ職場で働いている。
そしてその上同じ大学の同級生、当時グループで活動してた男女4人組。
全員で同じ会社に就職。男2人に女2人。
そして男女ペア2組で結婚。未紗ねぇの両親が先に結婚し、未紗ねぇが誕生。
あとの二人、つまり僕の両親が結婚し、僕が誕生。
そんな経緯を知ってるのであろう会社が、僕が高校に上る迄は異動を留保していてくれたとかそんなところだろう。だから未紗ねぇの両親が先に転勤と考えると辻褄が合う。
「あのね、翔太。」
「どうしたの?未紗ねぇ。すごく嬉しそうだけど。」
「未紗って呼び捨てにしていいって言ったじゃない。というかそうして貰わなきゃ困る出来事が起こったのよ。」
「と言うと?」
「あのね。出来てた。」
「腫瘍かなんか?」
「そんな訳ないでしょ。」
「じゃあもしかしてもしかするパターン?」
「そのもしかしてもしかするパターンだよ。」
「でも未紗ねぇ仕事は……。」
「辞める。休ませて貰えれば休むけど。」
「でも未紗ねぇ、それじゃ生活出来ないんじゃないの?」
「貯めてるし、仕送りも貯めてるから大丈夫、一時は。」
「じゃあいいけど。でも、大変だよね……。」
「大変だけど、大丈夫。翔太との子供だもん。嬉しい。」
「未紗ねぇ……。」
「だから名前で呼んでよ。」
「未紗……ママ?」
「ママっ!それいいね。」
「未紗母さん?」
「なんか古い……。」
「お前?いや冗談ごめん」
「もっと古いしやだ。」
「未紗ママかな。」
「未紗ママっ!いいねぇ。未紗ママ。」
「未紗ねぇ……未紗ママはさ、ってやっぱり」
「何?」
「気が早くない?」
「そう?ラブラブな両親の姿をこの子にも見せてあげよう。」
「だから気が早いって……。」
「いいじゃない、翔太。」
「まぁ未紗ねぇが僕を育ててくれたところもあるし、未紗ママってのもいいかも。」
「未紗ねぇ、また酔ってる?」
「ぜんぜんよってないよぉ~?」
「酔ってんじゃん。大丈夫?」
「大丈夫、らいじょーぶ。」
「本当に大丈夫なの?」
「本当は大丈夫じゃない……。」
「そう言われると、大丈夫そうだね。」
「翔太の愛情が足りないよぉ~。」
「もう。未紗ねぇ。早く寝ろよ。」
「え?翔太、私と寝てくれるの?」
「今日はいいでしょ……。」
「やらよぉ~。今日も翔太とイチャイチャラブラブしたいよぉ~。」
「もういいから寝てよ……。」
「翔太のけちぃ!もういい!寝るぅ~!」
「早く寝ろよ……。」
「翔太も寝ようよぉ……。」
「それループだよね。面倒臭い。もう帰っていい?」
「翔太~。一緒に住み始めて5年くらい経つんだよぉ~?なんで夜家に帰るとか訳わかんない事言い始めるのぉ~?」
「もういいよ未紗ねぇ。明日から土日、しかも月曜祝日で三連休、お母さんも休み、行っていいかな?」
「やだよぉ~、夜中翔太居なきゃ怖いよぉ~。」
「未紗ねぇ、もしかして行って欲しくないアピール?」
「私、翔太居ないと寂しいよォ~。翔太が3日も居ないなんて未紗ねぇ泣いちゃう。」
「未紗ねぇ。面倒臭いよ……。」
「私、行って欲しくないよぉ……。」
僕は、5年前から未紗ねぇと同居していた。
あの頃高校生だった未紗ねぇは、もう大人になって働いている。そろそろ誕生日で、確か25だったはず。歳を聞くのは怒られそうで、なかなか聞けない。
そして僕は高校生になった。
未紗ねぇが高校を卒業した後、未紗ねぇは大学に行く為に街を出た。
県内だけど、かなり遠いところに行ってしまった。一人暮らしだ。
その間に未紗ねぇの両親が県外に異動になった。それまで住んでた僕の家の隣の家を売ったのかな?もしかしたら貸してるのかもしれないけれど、誰かが住んでる。
そうこうしてるうちに、今度は僕の親が海外に異動になった。
そんな短いうちに何故こんなに異動が……って思うけれど、まぁ理由を思いつかなくはない。
未紗ねぇと僕の両親は、全員同じ職場で働いている。
そしてその上同じ大学の同級生、当時グループで活動してた男女4人組。
全員で同じ会社に就職。男2人に女2人。
そして男女ペア2組で結婚。未紗ねぇの両親が先に結婚し、未紗ねぇが誕生。
あとの二人、つまり僕の両親が結婚し、僕が誕生。
そんな経緯を知ってるのであろう会社が、僕が高校に上る迄は異動を留保していてくれたとかそんなところだろう。だから未紗ねぇの両親が先に転勤と考えると辻褄が合う。
「あのね、翔太。」
「どうしたの?未紗ねぇ。すごく嬉しそうだけど。」
「未紗って呼び捨てにしていいって言ったじゃない。というかそうして貰わなきゃ困る出来事が起こったのよ。」
「と言うと?」
「あのね。出来てた。」
「腫瘍かなんか?」
「そんな訳ないでしょ。」
「じゃあもしかしてもしかするパターン?」
「そのもしかしてもしかするパターンだよ。」
「でも未紗ねぇ仕事は……。」
「辞める。休ませて貰えれば休むけど。」
「でも未紗ねぇ、それじゃ生活出来ないんじゃないの?」
「貯めてるし、仕送りも貯めてるから大丈夫、一時は。」
「じゃあいいけど。でも、大変だよね……。」
「大変だけど、大丈夫。翔太との子供だもん。嬉しい。」
「未紗ねぇ……。」
「だから名前で呼んでよ。」
「未紗……ママ?」
「ママっ!それいいね。」
「未紗母さん?」
「なんか古い……。」
「お前?いや冗談ごめん」
「もっと古いしやだ。」
「未紗ママかな。」
「未紗ママっ!いいねぇ。未紗ママ。」
「未紗ねぇ……未紗ママはさ、ってやっぱり」
「何?」
「気が早くない?」
「そう?ラブラブな両親の姿をこの子にも見せてあげよう。」
「だから気が早いって……。」
「いいじゃない、翔太。」
「まぁ未紗ねぇが僕を育ててくれたところもあるし、未紗ママってのもいいかも。」
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