ダメ女神からゴブリンを駆除しろと命令されて異世界に転移させられたアラサーなオレ、がんばって生きていく!

AA1

文字の大きさ
6 / 459

06 落とし穴作戦

しおりを挟む
 さあ、やるぞ!

 と、意気込んだものの、三日もゴブリンを狩れませんでした~。

「クソ! 単独で動けよ! 群れんじゃねーよ!」

 体力と気配察知を強化が主な目的だから狩れないことも想定したが、どこかで甘いことを考えていた。一日一匹はイケるんじゃね? って思っていた。オレはどこまでも愚かだぜ。

「ゴブリン、仲いいな」

 あのときのゴブリンは特別ボッチだったのだろう。常に二匹から四匹で行動し、一匹は周囲を伺ってたりする。不意打ちすらできないのだ。

「ダメだ。このままでは詰むぞ」

 これは早々に戦術を変える必要があるな。

「うーん。ここは古典的な落とし穴か?」

 この三日、ただゴブリンのケツを追っていたわけじゃない。ゴブリンの習性や生態も探っていた。

 まあ、大したことはわからんが、あいつらは常に集団で行動し、一日の大半を食料探しに費やし、木の根、虫などを食っていた。

 死肉はラッキーなものだったのだろう。この三日、ゴブリン以外の魔物は見ていない。唯一見たのはカラスっぽい鳥だけだった。

「やっぱり、これはチュートリアル的な状況なんだろうな」

 弱いところとダメ女神も言っていた。だから間違いはないだろう。そうなれば今のうちにレベル(技術的にな)を上げておかないとダメだろう。

「よし。落とし穴作戦発動だ!」

 スコップ千円と脚立千二百円はキツいが、スコップはいずれ役に立つもの。持っていても損はないと、土の柔らかそうな場所を探した。

 いい場所があったらそこに決め、穴を掘ること二日。手には豆ができて筋肉痛にもなって、三日目は寝て過ごした。

「準備金が四万円を切ってしまった」

 ポジティブにならないとわかっていても不安がつのってネガティブ沼に嵌まっていくぜ。

 痛む体に鞭打って四日目には枝を削って穴の底に刺す。あと、壁にも斜め下に向けて刺しておく。

「二メートルの深さもあれば四匹の群れなら問題なかろう」

 これだけ苦労して四匹は割に合わないが、今のオレにはこんなことしか思いつかないのだからしょうがない。

「クソ。無能な自分が憎い!」

 涙を流しながら串を刺し、枝葉で穴を塞いだ。そこに一キロ五十円の処理肉をバラ撒いた。

 さらに一キロの処理肉を袋に入れて担ぎ、ゴブリンを釣るために気配の多い場所へと向かった。

 ゴブリンの嗅覚はそれほどよくないみたいだが、これだけの肉なら嗅ぎつけるだろう、と言う希望的観測を胸にがんばった。

 あのダメ女神でない神様がそんなオレのかんばりを認めてくれたのだろう。ゴブリンの気配がこちらに向かってくるのを感じた。

「いや、釣れすぎ!」

 八匹、いや、十匹以上はいるな! 物凄い速さで追ってくるよ!

「クソ! 上手くいかんな!」

 まだ痛む筋肉に鞭を打って走り、落とし穴の前に処理肉を投げ、ゴブリンの姿が視界に入ったらセフティーホームに入った。

 セフティーホームにいるとゴブリンを殺したかどうかわからない。なので五分くらい過ぎてからマチェットを抜いたまま外に出た。

 落とし穴から十メートルは離れたので出たところは見られてないと思うが、すぐに木の陰に隠れた。

「……四万円が入ったか。苦労した甲斐があると納得しておこう……」

 金はとりあえず置いておき、耳を澄ますとギーギーと鳴き声が聞こえた。必死な叫びである。

 気配は四つ。どれも気配が薄くなりつつある。

 木の陰から出て近づくと、穴の中からだった。

「二匹は逃したか」

 一目散に逃げていく気配があった。

 恐る恐る穴を除くと、串刺しになった血まみれのゴブリンがいた。

 当たり前と言えば当たり前だが、落とし穴作戦は成功だった。

「いや、大成功だな」

 落とし穴が未だに使われる意味がよくわかったよ。

「埋めておくか」

 生き埋めすることになんら罪悪感もなし。こいつらの腐臭で強力なのがよってくるほうが怖いわ。

 えっせらほっせらと掘ったときの土を集めてゴブリンを生き埋めにしてやった。

「おっ、二万円が入った。計六万五千円ゲットだぜ!」

 リアルポ○モン世代でごめんなさい。

「しかし、四日で六万五千円か。日割りにすると一万六千円くらいだな」

 無収入の三日を足して割っても九千円ちょっと。食費や経費引いても七千円。まずまずの成果と言っていいだろうよ。

「場所を変えてやればもう一回イケるな」

 ゴブリンの気配はまだ感じるし、数十匹固まった気配もある。飢えている様子でもあるからあと一回は確実だろう。

 今日はこれにて終了。脚立とスコップを持ってセフティーホームに戻った。

「玄関、もうちょっと広くしないとな」

 元の世界を買うにはセフティーホームでしかできない。これからも必要なものは増えていくだろうし、ガレージ的な玄関にしたいな。

 ここのゴブリンを駆除し終えたら次の場所に移動しなくちゃならない。砂漠とか平原とかあったらバイク(中型免許持ってます。乗ってたのはスクーターだけど)とか欲しくなる。広くする必要はあるだろうな。

「まっ。とりあえず、今日は美味いもん食ってビールを飲もうっと」

 明日のために鋭気と体力を回復させましょう。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

レベル1のフリはやめた。貸した力を全回収

ソラ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ち、ソラ。 彼はレベル1の無能として蔑まれ、魔王討伐を目前に「お前のようなゴミはいらない」と追放を言い渡される。 だが、傲慢な勇者たちは知らなかった。 自分たちが人間最高峰の力を維持できていたのは、すべてソラの規格外のステータスを『借りていた』からだということを。 「……わかった。貸していた力、すべて返してもらうよ」 契約解除。返還されたレベルは9999。 一瞬にして力を失い、ただの凡人へと転落しパニックに陥る勇者たち。 対するソラは、星を砕くほどの万能感を取り戻しながらも、淡々と宿を去る。 静かな隠居を望むソラだったが、路地裏で「才能なし」と虐げられていた少女ミィナを助けたことで、運命が変わり始める。 「借金の利息として、君を最強にしてあげよう」 これは、世界そのものにステータスを貸し付けていた最強の『貸与者』が、不条理な世界を再定義していく物語。 (本作品はAIを活用して構成・執筆しています)

リストラされた42歳、確率の向こう側へ。~なぜか俺の選択肢がすべて正解になる件~

RIU
ファンタジー
「君には今月いっぱいで席を空けてもらいたい」 42歳、独身、社畜。会社のために尽くしてきた柏木誠は、理不尽な理由でリストラされた。 絶望の中、雨の神社で野良猫を助けた彼は、不思議な光と共に【確率固定】という異能――「無意識に正解を選び続ける豪運」を手に入れる。 試しに買った宝くじは10億円当選。 復讐心に燃える元上司を袖にし、元天才投資家の美女をパートナーに迎えた柏木は、その豪運で現代社会を無双していく。 「俺の選択に間違いはない。なぜなら、確率の方が俺に合わせるからだ」 枯れたおじさんが資産と余裕を手に入れ、美女たちに頼られながら、第2の人生を謳歌する痛快サクセスストーリー!

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

ウルティメイド〜クビになった『元』究極メイドは、素材があれば何でも作れるクラフト系スキルで魔物の大陸を生き抜いていく〜

西館亮太
ファンタジー
「お前は今日でクビだ。」 主に突然そう宣告された究極と称されるメイドの『アミナ』。 生まれてこの方、主人の世話しかした事の無かった彼女はクビを言い渡された後、自分を陥れたメイドに魔物の巣食う島に転送されてしまう。 その大陸は、街の外に出れば魔物に襲われる危険性を伴う非常に危険な土地だった。 だがそのまま死ぬ訳にもいかず、彼女は己の必要のないスキルだと思い込んでいた、素材と知識とイメージがあればどんな物でも作れる『究極創造』を使い、『物作り屋』として冒険者や街の住人相手に商売することにした。 しかし街に到着するなり、外の世界を知らない彼女のコミュ障が露呈したり、意外と知らない事もあったりと、悩みながら自身は究極なんかでは無かったと自覚する。 そこから始まる、依頼者達とのいざこざや、素材収集の中で起こる騒動に彼女は次々と巻き込まれていく事になる。 これは、彼女が本当の究極になるまでのお話である。 ※かなり冗長です。 説明口調も多いのでそれを加味した上でお楽しみ頂けたら幸いです

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

魔法が使えない落ちこぼれ貴族の三男は、天才錬金術師のたまごでした

茜カナコ
ファンタジー
魔法使いよりも錬金術士の方が少ない世界。 貴族は生まれつき魔力を持っていることが多いが錬金術を使えるものは、ほとんどいない。 母も魔力が弱く、父から「できそこないの妻」と馬鹿にされ、こき使われている。 バレット男爵家の三男として生まれた僕は、魔力がなく、家でおちこぼれとしてぞんざいに扱われている。 しかし、僕には錬金術の才能があることに気づき、この家を出ると決めた。

処理中です...