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24 山黒
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気温が上昇するに連れ、ゴブリンの数が増えていた。
春先からその兆候はあったのだが、それが最近顕著になってきたのだ。
まあ、駆除する数も増え、確実に千五百匹は超えて三百三十万円も貯蓄ができたよ。
「とは言え、これはさすがに多すぎだろう」
まだ十時前でもう五十匹以上。二百発──マガジン四本がもうなくなったよ。これじゃ一時間毎に補給に戻らないといかんぞ。
「またか」
歩いてすぐに射程内(五十メートルにしてます)に八匹の出歩き隊が入ってきた。ったく、休む暇なしだな。
P90を構え、四本目に残った弾を連射で吐き出した。
すぐにマガジン交換。最初はもたもたして二十秒くらいかかってたが、今は五秒もかからず交換できるようになった。まあ、空になったマガジンは捨ててるんだけどな。
二匹しか死ななかったが、三匹は負傷。残りは逃げたが、負傷は放っておいたら勝手に死ぬし、逃げたヤツはまた隊を組んで戻ってくる。そのときに倒せばいいだけだ、ってことを最近学びました。
次の出歩き隊が射程内に入る前にこちらから向かっていき、側面から攻撃。五十発を撃って十匹すべてを殺すことができた。
「補給するか」
なるべく平らなところを見つけてセフティーホームへと戻った。
「ん? ラダリオン、休憩か」
さらに広くした玄関にへたり込んで肩で息をしていた。
「うん。ゴブリンが多くて十時まで持たなかった」
「そっちもか。稼げてはいいが、さすがにこれでは堪ったもんじゃないな」
オレもへたり込み、置いてたペットボトルに手を伸ばして水を飲んだ。
「たぶん、山黒に追いやられてこちらに逃げてきたんだと思う」
「山黒?」
なんじゃいそれ?
「大人が数人かかって倒すバケモノ。とうちゃんたちも八人で挑んだけど、負けちゃった」
巨人の大人が八人がかりで負けるとか、バケモノを超えて怪獣だろう。ダメ女神に連れてこられた強き者、ちゃんと仕事しろや!
「この近くにいるのか、その山黒ってのは?」
「遠くにいったと思う。ゴブリンがこんなに現れたってことは」
それはよかったのか悪かったのか、悩ましいところだな……。
「まだ増えると思うか?」
「わかんないけど、かーさんが寝物語で言ってた。ゴブリンは一旦集まりだすと王が立って町を襲って人を食べるって言ってた」
それ、寝物語としてどうなの? 巨人の子はそれを聞くとよく眠れるのか? オレなら悪夢を見る自信しかないぞ。
「この流れからして王が立つと見て動いたほうがいいだろうな~」
どうもオレ、運がいいのか悪いのかわからない星の下に生まれたっぽい。
これも王が立つ前にそのことが知れたし、対策できる金も溜まり、ラダリオンと言うメンバーが得られた。
運がいいのは使い果たしたからにはこれから悪いことが起こるはずだ。きっと二人では対処できない数が押し寄せてくるだろうよ。
「ラダリオン。休憩が終わったら村に戻れ。王が立つ前に備えるから」
「わかった」
「オレはゴブリンを駆除しながら夕方までには向かうよ。早く戻れたら村の周辺の木を根元から切っててくれ。無理しないていどでいいから」
ラダリオンにすれば手斧で枝を切るようなもの。そう苦ではないはずだ。
P90のマガジンを補給し、弾入りマガジンを三十個ばかり買って棚に置いておく。念のためHK416も置いておくか。
「じゃあ、無理するなよ」
ラダリオンにそう言って窓の外を確認してから外に出た。
すぐに気配を確認。射程内に三隊も入られていた。
「増えすぎだ」
近いところから駆除していき、射程外に出たら廃村へと向かった。
なんとか昼前には廃村に戻られ、ラダリオンは先に戻っていて、木を切っていた。
「ラダリオン。昼にしよう」
「うん、わかった」
昼はとある有名店のカレーだ。ラダリオンはその店の四キロのチャレンジメニュー。オレは普通の大盛りに唐揚げと三種のチーズをトッピングしたものにした。
ラダリオンはお代わりして、食後のデザートはワンホールのチョコレートケーキ二つ。見てるだけで胸焼けしそうだ。
食休みしている間にスケッチブックと色ペンをいくつか買い、作戦を描いた。
「ラダリオン。腹が落ち着いたか?」
「うん。腹八分にしておいたから」
ラダリオンの腹八分がよくわからないが、まあ、本人がそう言ってるんだからそうなんだと納得しておこう。
食器を片付け、スケッチブックをテーブルの上に置いた。
「ラダリオンには村に深い穴を掘って欲しい。広くて深い穴をだ。そこにゴブリンを落としていっきに駆除する」
巨人の力なら自分の背丈より深く掘れるはずだ。
「仕事量は増えるかもしれんが、ラダリオンの力が必要だ。やってくれるか?」
「うん、やる。ちまちましたことやるよりいいし」
ラダリオンからしたら小さいゴブリンを槍で潰すのは手間だろうよ。
「掘った土はこんなふうに山にして穴の周りを囲んでくれ。所々にこの筒を斜めに埋めて穴に落ちるようにする。木は山が崩れないように埋めてくれ」
スケッチブックに描いた作戦を説明する。
「これが成功すれば最高級の肉で焼き肉するか。いつも食ってるステーキの五倍は美味い肉だぞ」
和牛はまだ出してない。高いから。
「ご、五倍っ!?」
「ああ。その肉を食ったら他の肉が食えなくなるくらいだ。ただ、そんな肉だからとても高い。ゴブリン二十匹で手のひらくらいのものしか食えないんだ」
ラダリオンのやる気を出すために誇張して伝えた。
「満足するくらい食うには三百、いや、四百匹は駆除する必要があるかもな?」
数など知らなかったが、食い物に喩えるとスポンジのように吸収する子なのだ。
「あたしがんばる!!」
うん。この作戦はラダリオンにかかっている。広くて深い穴を掘ってくれたまえ。
こうして大量駆除作戦が開始された。
春先からその兆候はあったのだが、それが最近顕著になってきたのだ。
まあ、駆除する数も増え、確実に千五百匹は超えて三百三十万円も貯蓄ができたよ。
「とは言え、これはさすがに多すぎだろう」
まだ十時前でもう五十匹以上。二百発──マガジン四本がもうなくなったよ。これじゃ一時間毎に補給に戻らないといかんぞ。
「またか」
歩いてすぐに射程内(五十メートルにしてます)に八匹の出歩き隊が入ってきた。ったく、休む暇なしだな。
P90を構え、四本目に残った弾を連射で吐き出した。
すぐにマガジン交換。最初はもたもたして二十秒くらいかかってたが、今は五秒もかからず交換できるようになった。まあ、空になったマガジンは捨ててるんだけどな。
二匹しか死ななかったが、三匹は負傷。残りは逃げたが、負傷は放っておいたら勝手に死ぬし、逃げたヤツはまた隊を組んで戻ってくる。そのときに倒せばいいだけだ、ってことを最近学びました。
次の出歩き隊が射程内に入る前にこちらから向かっていき、側面から攻撃。五十発を撃って十匹すべてを殺すことができた。
「補給するか」
なるべく平らなところを見つけてセフティーホームへと戻った。
「ん? ラダリオン、休憩か」
さらに広くした玄関にへたり込んで肩で息をしていた。
「うん。ゴブリンが多くて十時まで持たなかった」
「そっちもか。稼げてはいいが、さすがにこれでは堪ったもんじゃないな」
オレもへたり込み、置いてたペットボトルに手を伸ばして水を飲んだ。
「たぶん、山黒に追いやられてこちらに逃げてきたんだと思う」
「山黒?」
なんじゃいそれ?
「大人が数人かかって倒すバケモノ。とうちゃんたちも八人で挑んだけど、負けちゃった」
巨人の大人が八人がかりで負けるとか、バケモノを超えて怪獣だろう。ダメ女神に連れてこられた強き者、ちゃんと仕事しろや!
「この近くにいるのか、その山黒ってのは?」
「遠くにいったと思う。ゴブリンがこんなに現れたってことは」
それはよかったのか悪かったのか、悩ましいところだな……。
「まだ増えると思うか?」
「わかんないけど、かーさんが寝物語で言ってた。ゴブリンは一旦集まりだすと王が立って町を襲って人を食べるって言ってた」
それ、寝物語としてどうなの? 巨人の子はそれを聞くとよく眠れるのか? オレなら悪夢を見る自信しかないぞ。
「この流れからして王が立つと見て動いたほうがいいだろうな~」
どうもオレ、運がいいのか悪いのかわからない星の下に生まれたっぽい。
これも王が立つ前にそのことが知れたし、対策できる金も溜まり、ラダリオンと言うメンバーが得られた。
運がいいのは使い果たしたからにはこれから悪いことが起こるはずだ。きっと二人では対処できない数が押し寄せてくるだろうよ。
「ラダリオン。休憩が終わったら村に戻れ。王が立つ前に備えるから」
「わかった」
「オレはゴブリンを駆除しながら夕方までには向かうよ。早く戻れたら村の周辺の木を根元から切っててくれ。無理しないていどでいいから」
ラダリオンにすれば手斧で枝を切るようなもの。そう苦ではないはずだ。
P90のマガジンを補給し、弾入りマガジンを三十個ばかり買って棚に置いておく。念のためHK416も置いておくか。
「じゃあ、無理するなよ」
ラダリオンにそう言って窓の外を確認してから外に出た。
すぐに気配を確認。射程内に三隊も入られていた。
「増えすぎだ」
近いところから駆除していき、射程外に出たら廃村へと向かった。
なんとか昼前には廃村に戻られ、ラダリオンは先に戻っていて、木を切っていた。
「ラダリオン。昼にしよう」
「うん、わかった」
昼はとある有名店のカレーだ。ラダリオンはその店の四キロのチャレンジメニュー。オレは普通の大盛りに唐揚げと三種のチーズをトッピングしたものにした。
ラダリオンはお代わりして、食後のデザートはワンホールのチョコレートケーキ二つ。見てるだけで胸焼けしそうだ。
食休みしている間にスケッチブックと色ペンをいくつか買い、作戦を描いた。
「ラダリオン。腹が落ち着いたか?」
「うん。腹八分にしておいたから」
ラダリオンの腹八分がよくわからないが、まあ、本人がそう言ってるんだからそうなんだと納得しておこう。
食器を片付け、スケッチブックをテーブルの上に置いた。
「ラダリオンには村に深い穴を掘って欲しい。広くて深い穴をだ。そこにゴブリンを落としていっきに駆除する」
巨人の力なら自分の背丈より深く掘れるはずだ。
「仕事量は増えるかもしれんが、ラダリオンの力が必要だ。やってくれるか?」
「うん、やる。ちまちましたことやるよりいいし」
ラダリオンからしたら小さいゴブリンを槍で潰すのは手間だろうよ。
「掘った土はこんなふうに山にして穴の周りを囲んでくれ。所々にこの筒を斜めに埋めて穴に落ちるようにする。木は山が崩れないように埋めてくれ」
スケッチブックに描いた作戦を説明する。
「これが成功すれば最高級の肉で焼き肉するか。いつも食ってるステーキの五倍は美味い肉だぞ」
和牛はまだ出してない。高いから。
「ご、五倍っ!?」
「ああ。その肉を食ったら他の肉が食えなくなるくらいだ。ただ、そんな肉だからとても高い。ゴブリン二十匹で手のひらくらいのものしか食えないんだ」
ラダリオンのやる気を出すために誇張して伝えた。
「満足するくらい食うには三百、いや、四百匹は駆除する必要があるかもな?」
数など知らなかったが、食い物に喩えるとスポンジのように吸収する子なのだ。
「あたしがんばる!!」
うん。この作戦はラダリオンにかかっている。広くて深い穴を掘ってくれたまえ。
こうして大量駆除作戦が開始された。
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