ダメ女神からゴブリンを駆除しろと命令されて異世界に転移させられたアラサーなオレ、がんばって生きていく!

AA1

文字の大きさ
192 / 459

192 原動力

しおりを挟む
 気持ちを切り替え、新たにゴブリン駆除を開始する。

「カインゼルさん、ビシャ、メビはリハルの町周辺。ラダリオンはマルグと森を。オレ、ミリエル、ミシニーはミスリムの町回りで主要道を進んでゴブリンの状況を探ります」

 朝のミーティングを済ませたら、三チームに別れてゴブリン駆除へ出発する。 

「ミリエル。パイオニア一号の運転は任せる。自分のペースで進め」

「は、はい。わかりました!」

 運転席にミリエル。助手席にオレ。後部座席を畳んで荷台としたところにミシニーが乗る。

 ホームを空にするのはちょっとばかり不安だが、アポートポーチはカインゼルさんに。ラダリオンは巨人になって。オレらにはミシニーがいる。ゴブリンの王か魔王軍が攻めてこなければなんとか対応できるチーム割りのはずだ。

 パイオニアが発車。時速にしたら十キロくらいで進んだ。

「遅くないか?」

「人格が変貌するよりマシだ。たまにハンドルを握ると別人格が現れるヤツがいるからな」

 大人しい後輩がハンドルを握った瞬間、周りを罵倒する危ないヤツになったときはおしっこ漏らしそうになったよ。

 十キロのままラザニア村を出てミスリムの町を目指した。

「ゴブリンはいるか?」

「いるな。あっちに二匹。五十歩くらいのところにいる」

 と言ったら荷台から飛び降りて二匹を駆除するミシニー。遠くない未来。ゴブリン殺しの名はミシニーのものになりそうだ。

 橋にくるまで十五匹を駆除し、ミスリムの町までにさらに十五匹を駆除。なのに息が乱れさせないとかバケモノかよ?

「ミシニーも二極なのか?」

「いや、わたしはまんべんなく使える魔法使いだな」

 万能型かよ。羨ましいこった。

 ミスリムの町には入らず主要道を進み、オレの指示でミシニーがゴブリンを駆除をする。

「十時で四十六匹か。まずまずだな」

「タカトが指示してくれると簡単でいいよ」

「別にオレの指示がなくても探せるだろう?」

 初めて会ったとき、ゴブリンの臭いがわかるとか言ってたじゃん。

「ゴブリンの臭いを進んで嗅ぎたいか?」

「……いや、嗅ぎたくないな……」

「そういうことだ」

 ハイ。理解したであります。

「ミシニー。水の魔法は使えるか?」

「そこそこには使えるな」
 
 と、指先にバレーボールくらいの水球を生み出した。一秒もしないで。

「それは魔法で水を創り出してるのか? それとも周囲から集めてるのか?」

 ダメ女神は出すと表現してたが。

「んー。深く考えたことはないが、集める、に近いかな?」

「魔法は感覚なのか?」

 考えるな、感じろってヤツか? 

「そうだな。エルフは感覚で使っているな。考えると上手く使えないから」

 種族特性ってことか。それだと先生には不向きだな。

 試しにと水を集めるイメージでやってみてゴルフボールくらいの水は作られた。

 これは魔力でコーティングしないと指先からぴゅーと水が出るだけだった。

 魔力でコーティングしながら指先につけて魔力を爆発させて飛ばす、ってところまでは難なくできたが、殺傷力はまるでなし。水鉄砲を撃ったほうがまだ威力があるんじゃなかろうか?

「宴会芸にはなりそうだな」

 まるでどこかのダメ女神だな。どこのとは言えないけど!

 少年漫画なら修業編に突入するところだが、大人は働かなきゃ食っていけない。まずは働け。学びたきゃ時間を作れ。それが現実なんだよ。

 休憩が終わり、コレールの町まで向かう。

「あれだけ駆除したのに一月もしないで元通りか。なんか呪われたものでも埋まってんじゃねーのか?」

 まさか魔笛ミサロがまだコラウスにいるのか? いや、あれ以来笛の音は聴こえない。去ったはずだ。

「ミリエル。ホームに戻って休んでこい。オレらはこの辺で駆除してるから」

 運転が堪えたんだろう。昼休憩に入る前から疲れが見て取れてたよ。

「……はい。すみません」

「急がば回れ。焦っても上手くはなれない。着実に技術と体力をつけることが一番の近道だ」

 根性でなんとかなるのは昭和まで。平成は効率よく。令和は知らん。

 パイオニアごとホームに戻ってもらい、スプレー缶で地面に印をつける。駆除員同士は気配を感じられないからな。印をつけておかないと迷子になるよ。

「ミシニー。十五時に集合な」

 ちなみにミシニーはコレールの冒険者ギルド支部に挨拶してくるそうだ。セフティーブレットに入ったことの説明もな。

「わかった。無理するなよ」

「オレはいつだって安全第一。命大事に、だ」

 それでも命の危機に陥るんだから泣けてくるぜ。

 ミシニーと別れ、ゴブリン駆除を開始する。

 もうすぐ刈り取りの時期だから人がいるので、銃はスコーピオン。サプレッサーをつけたヤツにした。

 農作業している方々に声をかけながら十五時まで駆除に励み、二十八匹を駆除することができた。

「三十万円は稼げたな」

 他のチームも順調のようで、オレに入る報酬だけで百万円は越えたぜ。

「タカト。どうだ?」

 合流場所に戻ってきたらミシニーが待っていた。

「大猟だ。今日も美味い飯と美味い酒にありつけるよ」

「ふふ。美味い酒と美味い料理。ゴブリン狩りが楽しくてしょうがない。もうあんな不味い料理を食う毎日は戻れないよ」

 それがゴブリン駆除の原動力。不味い飯を食わないよう十七時までがんばるとしましょう、だ。

 ミシニーにゴブリンの位置を教えながらあと一時間ちょっとをがんばった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

レベル1のフリはやめた。貸した力を全回収

ソラ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ち、ソラ。 彼はレベル1の無能として蔑まれ、魔王討伐を目前に「お前のようなゴミはいらない」と追放を言い渡される。 だが、傲慢な勇者たちは知らなかった。 自分たちが人間最高峰の力を維持できていたのは、すべてソラの規格外のステータスを『借りていた』からだということを。 「……わかった。貸していた力、すべて返してもらうよ」 契約解除。返還されたレベルは9999。 一瞬にして力を失い、ただの凡人へと転落しパニックに陥る勇者たち。 対するソラは、星を砕くほどの万能感を取り戻しながらも、淡々と宿を去る。 静かな隠居を望むソラだったが、路地裏で「才能なし」と虐げられていた少女ミィナを助けたことで、運命が変わり始める。 「借金の利息として、君を最強にしてあげよう」 これは、世界そのものにステータスを貸し付けていた最強の『貸与者』が、不条理な世界を再定義していく物語。 (本作品はAIを活用して構成・執筆しています)

リストラされた42歳、確率の向こう側へ。~なぜか俺の選択肢がすべて正解になる件~

RIU
ファンタジー
「君には今月いっぱいで席を空けてもらいたい」 42歳、独身、社畜。会社のために尽くしてきた柏木誠は、理不尽な理由でリストラされた。 絶望の中、雨の神社で野良猫を助けた彼は、不思議な光と共に【確率固定】という異能――「無意識に正解を選び続ける豪運」を手に入れる。 試しに買った宝くじは10億円当選。 復讐心に燃える元上司を袖にし、元天才投資家の美女をパートナーに迎えた柏木は、その豪運で現代社会を無双していく。 「俺の選択に間違いはない。なぜなら、確率の方が俺に合わせるからだ」 枯れたおじさんが資産と余裕を手に入れ、美女たちに頼られながら、第2の人生を謳歌する痛快サクセスストーリー!

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

ウルティメイド〜クビになった『元』究極メイドは、素材があれば何でも作れるクラフト系スキルで魔物の大陸を生き抜いていく〜

西館亮太
ファンタジー
「お前は今日でクビだ。」 主に突然そう宣告された究極と称されるメイドの『アミナ』。 生まれてこの方、主人の世話しかした事の無かった彼女はクビを言い渡された後、自分を陥れたメイドに魔物の巣食う島に転送されてしまう。 その大陸は、街の外に出れば魔物に襲われる危険性を伴う非常に危険な土地だった。 だがそのまま死ぬ訳にもいかず、彼女は己の必要のないスキルだと思い込んでいた、素材と知識とイメージがあればどんな物でも作れる『究極創造』を使い、『物作り屋』として冒険者や街の住人相手に商売することにした。 しかし街に到着するなり、外の世界を知らない彼女のコミュ障が露呈したり、意外と知らない事もあったりと、悩みながら自身は究極なんかでは無かったと自覚する。 そこから始まる、依頼者達とのいざこざや、素材収集の中で起こる騒動に彼女は次々と巻き込まれていく事になる。 これは、彼女が本当の究極になるまでのお話である。 ※かなり冗長です。 説明口調も多いのでそれを加味した上でお楽しみ頂けたら幸いです

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

魔法が使えない落ちこぼれ貴族の三男は、天才錬金術師のたまごでした

茜カナコ
ファンタジー
魔法使いよりも錬金術士の方が少ない世界。 貴族は生まれつき魔力を持っていることが多いが錬金術を使えるものは、ほとんどいない。 母も魔力が弱く、父から「できそこないの妻」と馬鹿にされ、こき使われている。 バレット男爵家の三男として生まれた僕は、魔力がなく、家でおちこぼれとしてぞんざいに扱われている。 しかし、僕には錬金術の才能があることに気づき、この家を出ると決めた。

処理中です...