ダメ女神からゴブリンを駆除しろと命令されて異世界に転移させられたアラサーなオレ、がんばって生きていく!

AA1

文字の大きさ
240 / 459

240 十六将が一人

しおりを挟む
 午前六時十分くらいに太陽が山々から顔を出した。

 夜中の間、叫んでいたモクダンもいなくなり、ゴブリンがわらわらと出てきた。

「空腹に気が立っているな」

 昔の戦争のように食料は敵から奪えってか。やらされるゴブリンも迷惑だろうが、受けるこちら側はもっと迷惑だわ。

「ラダリオン!」

 巨人に戻ったラダリオンに処理肉を放り投げるよう指示を出す。

 トンパックサイズにまでなった麻袋を二つ、砦の外に放り投げられ、縛ってないので処理肉がばら蒔かれた。

 飢えた亡者の如く処理肉に群がるゴブリンども。狂乱化した臭いがここまで流れてきたよ。

 宴もたけなわ。では、やりますか!

「ラダリオン、やれ!」

 空に向かってM32グレネードランチャーの榴弾を撃ち放った。

 山なりに飛んでいき、宴もたけなわなゴブリンどもをさらに盛り上げてやった。

「なかなかエグいな」

 人を殺すための兵器なんだからエグいのは当たり前なんだが、巨大化したことによりマジで爆撃──いや、空襲だな。絨毯爆撃でもいいかも。

 たった十二発なのに軽く二百万円はプラスされた。とは言え、宴に関われなかったのが千匹以上いる。

 ラタリオンが小さくなり、空薬莢を抜いて新しい榴弾を詰め込んだ。

 あれだけ攻撃を受けながらゴブリンは逃げたりはしない。それどころか同胞の千切れた肉を食らい始めた。

「相当空腹だったんだな」

「撃つよ!」

「まんべんなくな!」

 広範囲に榴弾を撃ち込み、さらに二百万円近くがプラスされた。

「それでも半分も駆除できてないか」

 千八百と言う数の凄まじさが痛感させられるよ。

「00より02へ。攻撃開始。分断してください」

 正面門にいるカインゼルさんに通信。攻撃開始を命じた。

「02了解」

 正面門にはカインゼルさんとビシャがいて、MINIMIを撃ち始めた。

「メビ。邪魔になりそうなのから撃っていけ」

「了ー解!」

 土嚢を台にしてHスナイパーの引き金を引いていった。

 ゴブリンの中に上位種も混ざっている。あれは生き残られたら面倒だ。さっさと駆除しておきましょう。

「──こちら03。攻撃に出ます」

 ミリエルからの通信が入った。

「まだ分断してないが、やや西側が多い。約六百。南側は約四百だ」

「わかりました。では、西側にはゴルグさんたちを。南側はわたしたちが当たります」

「了解。南側には百ていどの別動隊が隠れている。気をつけろ」

 たぶん、高い魔力を持つ者が率いているんだろう。

「はい。いっきに眠らせてやります」

 永眠って聞こえるのはオレの気のせいだろう。きっと。

 戦闘(駆除)は概ねオレたちが優勢だ。報酬から六百匹は倒している。

 ……これだけして利益が三百万円くらいなんだから泣けてくるよな……。

「西側に巨人が現れました!」

 見張りが走ってきて報告する。まずはゴルグたちを突入させたか。

 巨人によるショットガン攻撃。イヤーマフしてても凄まじいもんだ。皆に耳栓するよう指示しておいてよかった。

 ベネリM4で統一し、鳥撃ち用の弾だから報酬の金額が凄まじい勢いで上昇していった。と言っても上前が千五百円だから数十万円だけどな。

 初心者ばかりなので弾込めに時間がかかってはいるが、まあ、順調に数は減らしている。

「南側から冒険者たちが現れました!」

 ミリエルたちも突撃したか。

 様子を見にいきたいが、魔王軍の指揮官にオレがここにいることを示さなければならない。てか、完全に魔王軍に目をつけられるよな、これ。

 ……これが終わったら勇者がこの世にいることをそれとなく広めておこうっと……。

 ミリエルの眠り魔法が炸裂し、ドワーフたちが暴れ回っているのか、報酬の額が跳ね上がった。 

 ──ピローン! 

 電子音が鳴り響く。

 ──一万三千匹突破だよ! 敵は魔王軍十六将が一人、轟雷のロドス。あいつを倒せばこの辺での数々の問題は片付くよ。あ、魔笛ミサロを自由にしたければ魔笛を壊すといいよ~。あれで縛られているから。

 戦闘(駆除)を開始して一時間。ダメ女神からのいらない報告。そして、重要な報告。もっと前に言っとけや!

「アルズライズ。敵の指揮官は見えるか? 正面、やや右にいる」

 単眼鏡で覗き、アルズライズに伝える。

 横で立ったままバレットを構えるアルズライズ。よく一時間以上構えたままでいられるよな。どんだけだよ。

「見える。苛立っている」

 まあ、壊滅間近だしな。苛立ちの一つでもするか。逆にしないとこちらが苛立ってくるわ。

「挑発してくれ。当てても構わない」

 アルズライズにも負けぬ体格を持ち、目に怒りの炎を灯しているが、理性が宿っているのはわかる。なら、心理戦に持ち込むまでだ。

「わかった。当てる」

 指揮官まで約四百メートル。熟練者なら当てられるだろうが、まだバレットを持って数日のアルズライズに当て──ちゃったよ! 才能!? 才能が当てさせたの?!

「チッ。外した」

 いや、しっかり当たってるよ! どこを狙ったのよ?

「硬いな。それに治癒力も高い」

 肩に当たり、肩当ては吹き飛んだが、肩から血が流れたもののすぐに治癒してしまった。

「命の魔石を持つと治癒力は高くなる。あいつはかなりの魔石を持っていそうだ」

 そうだったんだ。てことは、ゴブリンがやたらしぶといのは魔石のせい、ってことか?

「オレは出る。援護頼む」

「任せろ。だが、あまり遠くにはいくなよ」

「わかった。あまり出ないよ」

 これはアルズライズとミシニー頼りの作戦だ。すぐにきてくれないところまでいかないよ。

 右腰につけた差鞘にヒートソードを差し、P90を持って防壁から降りて砦の外に出た。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

レベル1のフリはやめた。貸した力を全回収

ソラ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ち、ソラ。 彼はレベル1の無能として蔑まれ、魔王討伐を目前に「お前のようなゴミはいらない」と追放を言い渡される。 だが、傲慢な勇者たちは知らなかった。 自分たちが人間最高峰の力を維持できていたのは、すべてソラの規格外のステータスを『借りていた』からだということを。 「……わかった。貸していた力、すべて返してもらうよ」 契約解除。返還されたレベルは9999。 一瞬にして力を失い、ただの凡人へと転落しパニックに陥る勇者たち。 対するソラは、星を砕くほどの万能感を取り戻しながらも、淡々と宿を去る。 静かな隠居を望むソラだったが、路地裏で「才能なし」と虐げられていた少女ミィナを助けたことで、運命が変わり始める。 「借金の利息として、君を最強にしてあげよう」 これは、世界そのものにステータスを貸し付けていた最強の『貸与者』が、不条理な世界を再定義していく物語。 (本作品はAIを活用して構成・執筆しています)

リストラされた42歳、確率の向こう側へ。~なぜか俺の選択肢がすべて正解になる件~

RIU
ファンタジー
「君には今月いっぱいで席を空けてもらいたい」 42歳、独身、社畜。会社のために尽くしてきた柏木誠は、理不尽な理由でリストラされた。 絶望の中、雨の神社で野良猫を助けた彼は、不思議な光と共に【確率固定】という異能――「無意識に正解を選び続ける豪運」を手に入れる。 試しに買った宝くじは10億円当選。 復讐心に燃える元上司を袖にし、元天才投資家の美女をパートナーに迎えた柏木は、その豪運で現代社会を無双していく。 「俺の選択に間違いはない。なぜなら、確率の方が俺に合わせるからだ」 枯れたおじさんが資産と余裕を手に入れ、美女たちに頼られながら、第2の人生を謳歌する痛快サクセスストーリー!

ウルティメイド〜クビになった『元』究極メイドは、素材があれば何でも作れるクラフト系スキルで魔物の大陸を生き抜いていく〜

西館亮太
ファンタジー
「お前は今日でクビだ。」 主に突然そう宣告された究極と称されるメイドの『アミナ』。 生まれてこの方、主人の世話しかした事の無かった彼女はクビを言い渡された後、自分を陥れたメイドに魔物の巣食う島に転送されてしまう。 その大陸は、街の外に出れば魔物に襲われる危険性を伴う非常に危険な土地だった。 だがそのまま死ぬ訳にもいかず、彼女は己の必要のないスキルだと思い込んでいた、素材と知識とイメージがあればどんな物でも作れる『究極創造』を使い、『物作り屋』として冒険者や街の住人相手に商売することにした。 しかし街に到着するなり、外の世界を知らない彼女のコミュ障が露呈したり、意外と知らない事もあったりと、悩みながら自身は究極なんかでは無かったと自覚する。 そこから始まる、依頼者達とのいざこざや、素材収集の中で起こる騒動に彼女は次々と巻き込まれていく事になる。 これは、彼女が本当の究極になるまでのお話である。 ※かなり冗長です。 説明口調も多いのでそれを加味した上でお楽しみ頂けたら幸いです

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

結婚結婚煩いので、愛人持ちの幼馴染と偽装結婚してみた

夏菜しの
恋愛
 幼馴染のルーカスの態度は、年頃になっても相変わらず気安い。  彼のその変わらぬ態度のお陰で、周りから男女の仲だと勘違いされて、公爵令嬢エーデルトラウトの相手はなかなか決まらない。  そんな現状をヤキモキしているというのに、ルーカスの方は素知らぬ顔。  彼は思いのままに平民の娘と恋人関係を持っていた。  いっそそのまま結婚してくれれば、噂は間違いだったと知れるのに、あちらもやっぱり公爵家で、平民との結婚など許さんと反対されていた。  のらりくらりと躱すがもう限界。  いよいよ親が煩くなってきたころ、ルーカスがやってきて『偽装結婚しないか?』と提案された。  彼の愛人を黙認する代わりに、贅沢と自由が得られる。  これで煩く言われないとすると、悪くない提案じゃない?  エーデルトラウトは軽い気持ちでその提案に乗った。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

異世界へ行って帰って来た

バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。 そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。

魔法が使えない落ちこぼれ貴族の三男は、天才錬金術師のたまごでした

茜カナコ
ファンタジー
魔法使いよりも錬金術士の方が少ない世界。 貴族は生まれつき魔力を持っていることが多いが錬金術を使えるものは、ほとんどいない。 母も魔力が弱く、父から「できそこないの妻」と馬鹿にされ、こき使われている。 バレット男爵家の三男として生まれた僕は、魔力がなく、家でおちこぼれとしてぞんざいに扱われている。 しかし、僕には錬金術の才能があることに気づき、この家を出ると決めた。

処理中です...