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ヒートソードを抜いてミサロの首にかけられた魔笛を一刀両断にする。
これがミサロを縛っているものとダメ女神は言った。なら、真っ先に壊す!
すぐにミサロの左にいるローブを纏ったミダリーゴブリンをP90で撃ち殺した。
今回はいい仕事をしてくれたようで、勇者に匹敵する身体能力と魔力を完璧に使いこなせるようにしてくれている。
ざっと見ただけでゴブリンの位置を認識でき、一瞬で空中から集めた水を集められた。
茫然とするミサロを右腕で抱え、二千度まで高めたヒートソードを三メートルくらいに集まった水球に突き刺した。
二千度の熱により水球が爆発。周囲にいたゴブリンに襲いかかった。
ヒートソードの防御機能か、オレたちには当たらない。けど、熱い!
すぐに水の膜を纏い、水蒸気を操ってゴブリンを殺していった。
視界はゼロに等しい濃霧だが、勇者に匹敵する身体能力とゴブリンを察知できる能力のお陰で、一分もしないで五十匹以上を倒せた。
残りは四十もいない。残り時間、二分五秒。余裕だな。
三十秒で残りを殺し、チートタイムをストップさせた。
一日三分のチートタイムは、発動したら使い切るまで止まらない能力ではない。状況で使いこなせば有利に戦況をコントロールできるはずだ。
チートタイムをストップさせたら身体能力は元に戻るので、ミサロを腕一本では抱えられずに地面に落としてしまった。
「大丈夫か?」
抱えたまま激しい動きをしていて大丈夫もないが、ミサロも人間以上の身体を持っているようで、目にしっかりと焦点があった。
「……な、なぜ……」
「前に言った責任を果たすためだ」
自分でもなにやってんだろうとは思う。責任なんて放り投げたらいいとだって思う。だが、約束を破るようなクズにはなりたくない。オレはまっとう生きていきたいんだよ。
「これが最後だ。人間として生きたいならオレとこい。人間として生きていけるようにしてやる」
どうすればいいかなんて今はわからない。だが、少なくとも巨人がいて、エルフがいて、獣人がいて、ドワーフがいる場所なら人間とゴブリンのハーフがいても暮らしていけるはずだ。
「お前が選べ。人間として生きるかゴブリンとして生きるかをな」
この世界で博愛なんてまだ通用しない。種族差別はある。どこかの陣営に所属しなければ生きられない厳しくて残酷な時代だし、人間の世界で生きることが必ずしも幸せとも限らない。
「……魔王軍が敵になるのよ……」
「女神によれば轟雷のロドスを倒したらこの辺の脅威はなくなると言った。魔王軍の目的は知らないし、どれくらいの戦力かも知らない。だが、潤沢とは言えないはずだ。魔王軍の天敵とも言える勇者に大半の戦力を向けなくちゃならないんだからな」
十六将と言うなら十六の軍がいると言うこと。武器を持った指揮系統が確立された軍なら脅威だが、ゴブリンやモクダンと言った本能で生きている魔物を率いているならそう脅威ではない。力技でしか攻めてこないんだからな。
「……女神が憎いんじゃないの……?」
「憎いさ。近くにいるならぶん殴ってやりたいよ。ゴブリンを駆除していかないとならない運命なんだからな」
運命と言うか呪いか。解放されるには死ぬしかないんだからな。
「だが、ゴブリンを駆除できているなら女神は口出ししてこない。ならば、ゴブリンを駆除する組織を創り、人を集め、安全な生存圏を創る。皮肉にもオレは女神の使徒だと思われている。そんな相手に反抗する人間などいないさ」
まあ、表立っては、だけどな。
「憎んでばかりいるな。下ばかり見てるな。そんな暇があるならどうやったら幸せになれるかを考えろ。実行しろ。使えるものは女神でも権力者でも利用してやれ。自分を幸せにできるのは自分だけなんだからよ」
他人から幸せにされてもそれは自分の幸せじゃない。他人の幸せだ。自分で得た幸せじゃなければ本当の幸せじゃない。少なくともオレはそう思っている。
「人間だと言うなら人間の世界で生きて、人間の中に居場所を作れ。オレはミサロを人間としてみるから」
ミサロに手を伸ばす。
握るなら連れていく。握らないのなら殺すか殺されるかの敵に戻るだけだ。
逡巡したもののミサロはオレの手を握った。
「ミサロ。お前をゴブリン駆除員とする。受け入れるか?」
「受け入れる。わたしは人間として生きていきたいから」
──ピローン!
またも電子音。何度も聞いていると頭の毛根が死にそうだわ。
──一ノ瀬孝人さんのチームにミサロさんが加わりました。四人目の駆除員に幸あれ。あ、これは優しいわたしからのアドバイス。回復薬を毎日一錠を飲ませてください。四十日続ければミサロさんの遺伝子異常も回復するでしょうから。
遺伝子異常? どういうことだ?
──これからもより一層ゴブリンを駆除してくださいね~。一年が過ぎたらわたしからちょっとしたボーナスを与えましょう。油断して死なないでね~。
最後に不吉なこと言うなや! 鼓舞して終われや!
「今のが女神?」
「ああ。すべての元凶だ」
ちゃんと世界を創れていたらこんなクソな世界になってなかったのによ。
「ん? ラダリオンが近づいてくるな。ミサロ。とりあえずホームに入っていろ。あとで仲間を紹介するから」
ダメ女神のアナウンスは駆除員には伝わる。請負員はダメ女神の加減で伝わるときもあるがな。
「わかったわ──」
返事をするとミサロがホームに入った。
さて。ラダリオンたちにミサロのことをどう説明しよう? 女神様、アドバイスをくださいませ!
──ピローン!
お、天啓ですか?
──(*゚▽゚)ノ!
脳内にがんばれの顔文字が送られてきた。
「クソッたれがぁあぁぁぁぁッ!!」
これがミサロを縛っているものとダメ女神は言った。なら、真っ先に壊す!
すぐにミサロの左にいるローブを纏ったミダリーゴブリンをP90で撃ち殺した。
今回はいい仕事をしてくれたようで、勇者に匹敵する身体能力と魔力を完璧に使いこなせるようにしてくれている。
ざっと見ただけでゴブリンの位置を認識でき、一瞬で空中から集めた水を集められた。
茫然とするミサロを右腕で抱え、二千度まで高めたヒートソードを三メートルくらいに集まった水球に突き刺した。
二千度の熱により水球が爆発。周囲にいたゴブリンに襲いかかった。
ヒートソードの防御機能か、オレたちには当たらない。けど、熱い!
すぐに水の膜を纏い、水蒸気を操ってゴブリンを殺していった。
視界はゼロに等しい濃霧だが、勇者に匹敵する身体能力とゴブリンを察知できる能力のお陰で、一分もしないで五十匹以上を倒せた。
残りは四十もいない。残り時間、二分五秒。余裕だな。
三十秒で残りを殺し、チートタイムをストップさせた。
一日三分のチートタイムは、発動したら使い切るまで止まらない能力ではない。状況で使いこなせば有利に戦況をコントロールできるはずだ。
チートタイムをストップさせたら身体能力は元に戻るので、ミサロを腕一本では抱えられずに地面に落としてしまった。
「大丈夫か?」
抱えたまま激しい動きをしていて大丈夫もないが、ミサロも人間以上の身体を持っているようで、目にしっかりと焦点があった。
「……な、なぜ……」
「前に言った責任を果たすためだ」
自分でもなにやってんだろうとは思う。責任なんて放り投げたらいいとだって思う。だが、約束を破るようなクズにはなりたくない。オレはまっとう生きていきたいんだよ。
「これが最後だ。人間として生きたいならオレとこい。人間として生きていけるようにしてやる」
どうすればいいかなんて今はわからない。だが、少なくとも巨人がいて、エルフがいて、獣人がいて、ドワーフがいる場所なら人間とゴブリンのハーフがいても暮らしていけるはずだ。
「お前が選べ。人間として生きるかゴブリンとして生きるかをな」
この世界で博愛なんてまだ通用しない。種族差別はある。どこかの陣営に所属しなければ生きられない厳しくて残酷な時代だし、人間の世界で生きることが必ずしも幸せとも限らない。
「……魔王軍が敵になるのよ……」
「女神によれば轟雷のロドスを倒したらこの辺の脅威はなくなると言った。魔王軍の目的は知らないし、どれくらいの戦力かも知らない。だが、潤沢とは言えないはずだ。魔王軍の天敵とも言える勇者に大半の戦力を向けなくちゃならないんだからな」
十六将と言うなら十六の軍がいると言うこと。武器を持った指揮系統が確立された軍なら脅威だが、ゴブリンやモクダンと言った本能で生きている魔物を率いているならそう脅威ではない。力技でしか攻めてこないんだからな。
「……女神が憎いんじゃないの……?」
「憎いさ。近くにいるならぶん殴ってやりたいよ。ゴブリンを駆除していかないとならない運命なんだからな」
運命と言うか呪いか。解放されるには死ぬしかないんだからな。
「だが、ゴブリンを駆除できているなら女神は口出ししてこない。ならば、ゴブリンを駆除する組織を創り、人を集め、安全な生存圏を創る。皮肉にもオレは女神の使徒だと思われている。そんな相手に反抗する人間などいないさ」
まあ、表立っては、だけどな。
「憎んでばかりいるな。下ばかり見てるな。そんな暇があるならどうやったら幸せになれるかを考えろ。実行しろ。使えるものは女神でも権力者でも利用してやれ。自分を幸せにできるのは自分だけなんだからよ」
他人から幸せにされてもそれは自分の幸せじゃない。他人の幸せだ。自分で得た幸せじゃなければ本当の幸せじゃない。少なくともオレはそう思っている。
「人間だと言うなら人間の世界で生きて、人間の中に居場所を作れ。オレはミサロを人間としてみるから」
ミサロに手を伸ばす。
握るなら連れていく。握らないのなら殺すか殺されるかの敵に戻るだけだ。
逡巡したもののミサロはオレの手を握った。
「ミサロ。お前をゴブリン駆除員とする。受け入れるか?」
「受け入れる。わたしは人間として生きていきたいから」
──ピローン!
またも電子音。何度も聞いていると頭の毛根が死にそうだわ。
──一ノ瀬孝人さんのチームにミサロさんが加わりました。四人目の駆除員に幸あれ。あ、これは優しいわたしからのアドバイス。回復薬を毎日一錠を飲ませてください。四十日続ければミサロさんの遺伝子異常も回復するでしょうから。
遺伝子異常? どういうことだ?
──これからもより一層ゴブリンを駆除してくださいね~。一年が過ぎたらわたしからちょっとしたボーナスを与えましょう。油断して死なないでね~。
最後に不吉なこと言うなや! 鼓舞して終われや!
「今のが女神?」
「ああ。すべての元凶だ」
ちゃんと世界を創れていたらこんなクソな世界になってなかったのによ。
「ん? ラダリオンが近づいてくるな。ミサロ。とりあえずホームに入っていろ。あとで仲間を紹介するから」
ダメ女神のアナウンスは駆除員には伝わる。請負員はダメ女神の加減で伝わるときもあるがな。
「わかったわ──」
返事をするとミサロがホームに入った。
さて。ラダリオンたちにミサロのことをどう説明しよう? 女神様、アドバイスをくださいませ!
──ピローン!
お、天啓ですか?
──(*゚▽゚)ノ!
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