ダメ女神からゴブリンを駆除しろと命令されて異世界に転移させられたアラサーなオレ、がんばって生きていく!

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 子がいた。

 産まれたばかりなのか、体長一メートルくらいしかなかった。

「悪いな」

 逃げる子に向けて弾丸をぶち込んだ。

 親がいない状況で子に生きる術はない。殺してやるのが情けだろうよ。人間の傲慢だけど。

「……もう殺すことに罪悪感がなくなっているよ……」

 さすがに人を殺す度胸はないが、魔物を殺すことに躊躇いはない。無感情で殺せたよ。

 魔石があるかな? とナイフで子の腹を裂き、心臓のところを探ると、ビー玉サイズの魔石が出てきた。

「色も薄いな。長く生きると濃くなっていくのかな?」

 薄紫色の魔石をウエスで拭き、チェストリグのポーチに入れた。

 子の血を集めて遠くにポイ。あとは虫が片付けてくれるだろう。

 念のためまだいるかなと探すが、一時間探しても見つからない。なので一匹だったと判断して簡易砦に戻った。

「旦那。魔石を取り出しました」

 やはり長く生きると濃くなるようで、前の山黒と同じ濃い紫色をしていた。

「ドワーフは魔法とか使えるのか?」

 ふと疑問に思って尋ねてみた。

「使えはしますが、マガルスク王国では習える立場ではなかったので大した魔法は使えません」

「どんな魔法を使えるんだ?」

「力の魔法です。肉体労働をさせられていたので紫の魔石を持たされて山堀りや石運びをさせられてました」

 力の魔法は紫色の魔石。これじゃん。

「こう言っては悪いが、奴隷みたいな存在に魔石を渡すのか?」

「マガルスク王国では紫の魔石を持つ魔物が多いのでおれらにも回ってくるんです」

 へー。地域に寄っては魔物が片寄るものなんだな。てことは、この周辺はゴブリンが生息する地なんだろうか?

「じゃあ、これはロズたちが持っていろ。マイセンズにいったらまた簡易砦を作らなくちゃならないしな」

 チェンソーがあれば木など簡単に伐れるが、何気にドワーフは器用で働き者だ。力の魔石を持っていればより早く簡易砦を作れるはずだ。

「わかりました。大事に使います」

「なくなれば買うから惜しみなく使っていいぞ」

 力の魔石は需要はあるはず。なら、魔石屋でもコラウスでも手に入るはずだ。ここで渡してもなんら惜しくもないさ。

「山黒を片付けるか」

「旦那。山黒の皮をもらっていいですか。仲間に鞣してもらって防具を作りたいので」

「そんなことできるヤツいたんだ。なら、好きに使っていいぞ」

 使えるなら使ったほうがいいだろう。命を無駄にするのはゴブリンだけでいいしな。

 解体はロズたちに任せ、オレは周辺の哨戒に出た。血の臭いで違う魔物が寄ってくるかもしれないからな。

 リンクスからMP9に持ち換え、昼まで周辺を哨戒していると、ミリエルたちの気配がこちらに向かっているのに気がついた。

 動きから逃げているわけじゃない。報酬も約百五十万円プラス。六、七百匹と言ったところか? さすがに千匹はいかないか。

「まだ二千匹以上はいるか」

 すべてが察知範囲に入っているわけじゃないが、気配から確実に二千匹はいるだろうよ。

「なかなかどうして数千ものゴブリンを相手するのは骨が折れるぜ。てか、増えてないか?」

 狂乱化してるからさらにゴブリンを呼び寄せてても不思議じゃないが、これ以上増えたらプライムデーまで町に入れないんじゃね? 一旦引いたほうがいいのか?

 とりあえずミリエルたちを迎えるべく簡易砦に向かった。

 処理肉をばら撒いてきたようであとは追われてないようで、一ヶ所に集まって狂乱している感じだ。

「ご苦労様。まずは汗を流してこい」

 水は新しくしてあり、ヒートソードを二百度くらいにすればあっと言う間。便利な湯沸し器である。

 全員が湯から上がれば冷たい飲み物を出してやり、落ち着いたらドーナツを出してやった。

「食いながら聞いてくれ。ゴブリンの数がどうも増えているっぽい。おそらく周辺から集まっているんだと思う。このままではゆっくりとプライムデーを迎えられない。もしよければアルズライズ、ミリエル、メビは町に入ってもらいたい」

 遠距離攻撃できる面子なので城壁の上から攻撃すればいい。

「オレも入りたいところだが、万が一のときのためにここも死守しておきたいし、ホームに入れる者は離しておきたいからな」

 なにかあれば外から攻撃もできる。RPG-7で門を吹き飛ばしてやればゴブリンが雪崩れ込むはずだ。

「タカトが隊長だ。指示に従う。それと、Hスナイパーを貸してもらえるか?」

「今は誰も使ってないから構わないぞ。弾もたくさん買っておくよ」

 ミリエルからアポートウォッチを返してもらい、Hスナイパーとマガジン三本を取り寄せた。

「マガジンは買っておくから町に入ったらミリエルに出してもらえ」

 Hスナイパーはあまり使わないからマガジンも買ってないんだよ。

「ミリエル。町の者は閉じ籠っている状態だ。食料も足りてないかもしれない。もし、アシッカ伯爵と会うようなら食料を売ることを持ちかけろ。金があるなら金で。ないのならゴブリン駆除ギルドの支部を置けるように交渉してくれ。これは無理にではないから蹴られても構わない。オレが町に入ったら改めてオレが交渉するよ」

「わかりました。町の中でわたしたちの立場をよくすることもしておいたほうがいいですね」

 この子は本当に賢い。成人したらミリエルの下につきたいよ。

「メビはミリエルの護衛だ。いざとなれば町の者を殺しても構わないからな」

 そうなればオレが責任を持つ。オレも人を殺して修羅道に落ちる。

「わかった。ミリエルねーちゃんはあたしが守るよ。任せて」

 ありがとなと、メビの頭を撫でた。オレ、外道。

「じゃあ、明日のためにゆっくり休め」

 見張りをロズたちに任せ、使った銃を持ってホームに戻った。
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