ダメ女神からゴブリンを駆除しろと命令されて異世界に転移させられたアラサーなオレ、がんばって生きていく!

AA1

文字の大きさ
301 / 459

301 問題が集まる日

しおりを挟む
 マイセンズの砦に到着したら出してあるパイオニア二号に乗り込んだ。

 ミリエルがなにをしているか確認したいところだが、細かい指示は出してないし、駆除部隊から外してある。なにかあればミサロに報告しているはず。と言うか、気配が二キロ先にある。おそらくメビとゴブリン駆除をやっているんだろう。

 道に雪は積もってないが、寒さに凍っている場所がある。UTVにチェーンってあったっけ? そう言えば、その昔はスパイクタイヤなるものがあったととうさんが言ってたな。

 ネットでしかしらないが、この未舗装路でも効果があるなら欲しいものだ。JAFがないんだから慎重に運転しないとな。

 二時間で町に到着。死体片付けは今も続いており、多くの人が町の外で働いていた。

 死体片付けの拠点としているところにパイオニア二号を駐車した。

「アリサたちは休んでていいぞ。十六時にはここにきてくれ」

 請負員に千円くらいのデジタルの腕時計を買わせ、時刻の見方を教えた。通信手段が皆無なところでは時刻だけ頼りだからな。

「いえ、ついていきます」

「じゃあ、誰か一人、地下から水を汲んできてくれ。あそこの水、飲むと調子がよくなるんでな」

 二十リットルのポリタンクを二つ取り寄せた。

「マグナイ。お願いします」

「わかった」

 返事した男は見た目、三十歳くらい。エルフにしては体格がよく、確か、土の魔法を使っていたっけ。

「支部にいく」

 水汲みをマグナイに任せ、残りの二人を連れて支部に向かった。

 支部の前には若い男たちが集まっていた。なんだ?

「すまない。通してくれ」

 若い男たちを押し退けて支部に入ると、中も溢れていた。

「マスター! よかった。呼びにいこうかと思ってました」

 と、カナルがオレを見つけて喜んでいる。どした?

「周辺の領地から仕事を求めて集まってきたんです」

 集まっているとはミリエルから聞いてたが、これほど集まるとは男爵領、オレが思う以上に困窮してるのか?

「どうしましょう? このままでは暴動になります」

「職員は何人いる?」

 支部のことはサイルとカナルに任せっ切りなので人数は把握してないんです。

「今のところ二十五人。男二十人。女五人。事務作業をできる者は四人。死体片付けの六人。女は食事の用意をさせてます。残りは教育中です」

 さすが冒険者ギルドで働いていただけはある。優秀すぎてさらに任せたいくらいだ。

「その日の報酬はその日の食事で構わないと言う者を雇い入れろ。マイセンズの砦までの道を整備させる。十日働いて勤まる者に一日銅貨三枚を払うようにする。資金は?」

「今のところは大丈夫ですが、さらに増えたら足りなくなります」

 銅貨はコラウスから調達しているが、さすがに銅貨をアシッカに流していたらコラウスの銅貨がなくなる。経済のことはさっぱりだが、銅貨が利用されていることくらいわかる。

 それがなくなれば流通が滞る。今度はコラウスが大変になるわ。

「商人を雇えないか?」

「何人かには声をかけてます。店も確保しました」

 本当に優秀なヤツだよ。冒険者ギルド、手放してよかったのか?

「コラウスから商品を運ぶ。それを売って稼ぐとしよう」

 アシッカにまったく金がないってことはないはず。ただ、使う場所がないから溜め込んでいるはず。ダインさんにお願いして商品を集めてもらおう。

 いや、ダインさんにきてもらうか? あの人やり手だし、ホームを通して運んでやれば馬車馬──いや、がんばって働いてくれるはずだ。

「とりあえず、全員を雇い入れて食事を与えてやれ。名簿作りも忘れずにな。落ち着いたら職員には特別手当てを出すんでな」

 春になってからだと思うけど。

「それなら職員にもゴブリン駆除をさせてもらえるほうが嬉しいです」

「なら、任せられる人材を育ててくれ。あと、シエイラをまた呼ぶから受け入れ体制も頼む」

「わかりました。進めておきます」

 優秀な人材を寄越してくれたサイルスさんに感謝です。

「頼む。オレは伯爵様のところにいってくるよ」

 また若い男たちを押し退けて外に出て館へ。こちらもなにやら人が集まっていた。装備からして兵士か?

「タカト様!」

 どうしたもんかと佇んでいたら使用人がオレを見つけて駆け寄ってきた。

「よかった。戻っていらっしゃったんですね。旦那様がお呼びです」

「アリサたちはパイオニアに戻っていろ。十六時までには戻るから」

 使用人に引っ張られながらアリサたちに指示を出した。

 館に入ると、商人風の男たちが十数人いて、使用人頭のモーリスさんに詰め寄られていた。

「タカト様!」

 今日は問題事が集中する日か? 

「どうしました?」

「ゴブリンがいなくなり商人たちが食料を買いつけにきたのですが、こちらに出せる品はないと断っても納得いただけなくて……」

 どうやら完全に周辺の男爵領は困窮しているようだ。

「伯爵は?」

「男爵様たちとお話しております」

 だから商人たちは強気でいられるわけだ。伯爵の立場がよくわかるというものだ。

「わかりました。食料はオレが出します。それを伯爵に出す報酬として受け取ってください。価格はそちらに任せますが、オレが出したものは十五日で消えることをキツく申してください」

「もちろんです」

 まあ、管理責任者はモーリスさんで、大事な食料が消えたら責任問題。くどいくらい注意してくれるだろうよ。

「倉庫に食料を出すので商人たちに説明してください」

 百万円くらい出せばいいだろう。

 使用人を呼んでもらい、館の倉庫に向かう。

「まずは小麦粉から出しますんですぐに退けてください」

 集まった使用人に指示を出してホームに入った。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

レベル1のフリはやめた。貸した力を全回収

ソラ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ち、ソラ。 彼はレベル1の無能として蔑まれ、魔王討伐を目前に「お前のようなゴミはいらない」と追放を言い渡される。 だが、傲慢な勇者たちは知らなかった。 自分たちが人間最高峰の力を維持できていたのは、すべてソラの規格外のステータスを『借りていた』からだということを。 「……わかった。貸していた力、すべて返してもらうよ」 契約解除。返還されたレベルは9999。 一瞬にして力を失い、ただの凡人へと転落しパニックに陥る勇者たち。 対するソラは、星を砕くほどの万能感を取り戻しながらも、淡々と宿を去る。 静かな隠居を望むソラだったが、路地裏で「才能なし」と虐げられていた少女ミィナを助けたことで、運命が変わり始める。 「借金の利息として、君を最強にしてあげよう」 これは、世界そのものにステータスを貸し付けていた最強の『貸与者』が、不条理な世界を再定義していく物語。 (本作品はAIを活用して構成・執筆しています)

リストラされた42歳、確率の向こう側へ。~なぜか俺の選択肢がすべて正解になる件~

RIU
ファンタジー
「君には今月いっぱいで席を空けてもらいたい」 42歳、独身、社畜。会社のために尽くしてきた柏木誠は、理不尽な理由でリストラされた。 絶望の中、雨の神社で野良猫を助けた彼は、不思議な光と共に【確率固定】という異能――「無意識に正解を選び続ける豪運」を手に入れる。 試しに買った宝くじは10億円当選。 復讐心に燃える元上司を袖にし、元天才投資家の美女をパートナーに迎えた柏木は、その豪運で現代社会を無双していく。 「俺の選択に間違いはない。なぜなら、確率の方が俺に合わせるからだ」 枯れたおじさんが資産と余裕を手に入れ、美女たちに頼られながら、第2の人生を謳歌する痛快サクセスストーリー!

ウルティメイド〜クビになった『元』究極メイドは、素材があれば何でも作れるクラフト系スキルで魔物の大陸を生き抜いていく〜

西館亮太
ファンタジー
「お前は今日でクビだ。」 主に突然そう宣告された究極と称されるメイドの『アミナ』。 生まれてこの方、主人の世話しかした事の無かった彼女はクビを言い渡された後、自分を陥れたメイドに魔物の巣食う島に転送されてしまう。 その大陸は、街の外に出れば魔物に襲われる危険性を伴う非常に危険な土地だった。 だがそのまま死ぬ訳にもいかず、彼女は己の必要のないスキルだと思い込んでいた、素材と知識とイメージがあればどんな物でも作れる『究極創造』を使い、『物作り屋』として冒険者や街の住人相手に商売することにした。 しかし街に到着するなり、外の世界を知らない彼女のコミュ障が露呈したり、意外と知らない事もあったりと、悩みながら自身は究極なんかでは無かったと自覚する。 そこから始まる、依頼者達とのいざこざや、素材収集の中で起こる騒動に彼女は次々と巻き込まれていく事になる。 これは、彼女が本当の究極になるまでのお話である。 ※かなり冗長です。 説明口調も多いのでそれを加味した上でお楽しみ頂けたら幸いです

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

結婚結婚煩いので、愛人持ちの幼馴染と偽装結婚してみた

夏菜しの
恋愛
 幼馴染のルーカスの態度は、年頃になっても相変わらず気安い。  彼のその変わらぬ態度のお陰で、周りから男女の仲だと勘違いされて、公爵令嬢エーデルトラウトの相手はなかなか決まらない。  そんな現状をヤキモキしているというのに、ルーカスの方は素知らぬ顔。  彼は思いのままに平民の娘と恋人関係を持っていた。  いっそそのまま結婚してくれれば、噂は間違いだったと知れるのに、あちらもやっぱり公爵家で、平民との結婚など許さんと反対されていた。  のらりくらりと躱すがもう限界。  いよいよ親が煩くなってきたころ、ルーカスがやってきて『偽装結婚しないか?』と提案された。  彼の愛人を黙認する代わりに、贅沢と自由が得られる。  これで煩く言われないとすると、悪くない提案じゃない?  エーデルトラウトは軽い気持ちでその提案に乗った。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

異世界へ行って帰って来た

バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。 そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。

魔法が使えない落ちこぼれ貴族の三男は、天才錬金術師のたまごでした

茜カナコ
ファンタジー
魔法使いよりも錬金術士の方が少ない世界。 貴族は生まれつき魔力を持っていることが多いが錬金術を使えるものは、ほとんどいない。 母も魔力が弱く、父から「できそこないの妻」と馬鹿にされ、こき使われている。 バレット男爵家の三男として生まれた僕は、魔力がなく、家でおちこぼれとしてぞんざいに扱われている。 しかし、僕には錬金術の才能があることに気づき、この家を出ると決めた。

処理中です...