ダメ女神からゴブリンを駆除しろと命令されて異世界に転移させられたアラサーなオレ、がんばって生きていく!

AA1

文字の大きさ
313 / 459

313 交代

しおりを挟む
 ロースランを切り裂いたらメロンサイズの魔石が出てきた。

 さすが特異種。デカい魔石である。これなら金貨五枚くらいにはなるんじゃなかろうか? てか、こんなデカいの売れるのか? ミリエルに使わせたほうがいいかな?

 とりあえず、ホームに持っていき、職員に見せて判断してもらおう。売るか使うかはそれからでいいだろうよ。

「ミリエルにエビル男爵領にきてくれと伝えてくれ。負傷者を治してもらう。人員はミリエルに任せるよ」

 安全第一、命大事にしているから怪我人を回復する機会がない。せっかくの機会なのだからこの状況を利用して、ミリエルの腕を上げさせよう。

「そう伝えるわ」

 ミサロに任せて外に出た。

「男爵様。ミリエルを呼びます。くるまで負傷者を寝かしておいてください。オレらは周辺を見てきますので」

「他にもいるのか?」

「それはわかりません。念のためにやるだけですよ。あの特異種が仲間を引き連れているかもしれませんからね」

 なぜ仲間の下から離れたのかわからない。なら、警戒しておくに越したことはないさ。

 その日はオレたちでマンドラゴラ村の周辺を警戒し、夜は村の者に任せて休ませてもらった。

 次の日も警戒に立ち、サーチアイを使って周辺を探るが、ロースランの姿どころかゴブリンさえ現れることはなかった。

 壊れた門も簡易的に直されたので、一旦エビル男爵領に戻ることにした。

「そう言えば、ここの男爵様はこないのですか?」

 男爵に戻ることを伝え、気になってたことも尋ねてみた。

「モルズ男爵はご高齢であり、跡継ぎもまだ若い。領地としても小さいのでマンドラゴラ村はこちらで面倒見ているのだ。モルズ男爵様にはいろいろ世話になったからな」

 お隣同士いろいろあるようだ。

「おれはまだ戻れんが、マイスをつける。ローラにも言いつけておく」

 ローラとは男爵の奥さんね。男爵がいないときは代理として村を纏めるんだってさ。

「メビ、アリサ、戻るぞ」

 皆を連れてエビル男爵領に戻る。

 また暖かくなるのか、気温が少しずつ上昇しており、太陽も出てきて道の雪も解けているところがあって二十分もしないで戻れた。いやもう、こんだけ近いならエビル男爵領に組み込めよ!

「タカト!」

 男爵の館にきたらビシャが死角から猪突猛進。凄まじい衝撃を受けて吹き飛ばされてしまった。い、痛い……。

「ねーちゃん! タカト死んじゃうよ!」

 ほ、本当だよ! 十二歳とは言え、見た目は十五歳くらいあり、体重もそれに合わせてある。しかもビシャの筋力はオレの倍──いや、三倍は確実にある。女の子でこれとか大人の獣人はどんだけなんだよ……。

「ご、ごめんなさい……」

「だ、大丈夫だよ」

 厚着をして装備もしっかりして怪我はない。ただ地面に叩きつけられて痛かっただけさ。

「ミリエル。無理言って悪かったな」

「いえ。怪我人の手当てをする機会がありませんからね。いざっというときのために練習したかったので助かります」

 どうやらミリエルも危惧していたようだ。

「まさか、アルズライズが送ってくれるとは。ありがとな」

 カインゼルさん辺りを連れてくると思ったんだが、アルズライズは予想できなかったよ。

「構わない。ゴブリンが現れなくなったからな」

「現れなくなった?」

 どういうことだ? 

「逃げ出したのはいるが、洞窟から出てくるゴブリンはいなくなった。東洞窟も同じだ」

「洞窟には入ったのか?」

「入った。だが、ロンダリオたちと相談してタカトが戻ってからにした。さすがに異常だとわかるからな」

 さすが金印でありロンダリオさんたちだ。冷静だよ。

「そうか。アリサたちはマイセンズの砦に戻ってくれ。メビもだ。万が一に備えててくれ。ラダリオンたちも到着する頃だろうからな」

 たぶん、嵐の前の静けさだろう。なにかあったときのためにメビやアリサたちを帰しておこう。

「あたしも残る!」

 メビが駄々をこねてきた。

「あちらを手薄にはできないんだ。もし、ゴブリンが大量に出てきたら銃を使える者がいたほうがいい。銃の扱いはメビが優れている。オレが戻るまで皆を守ってくれ」

 小さい子に頭ごなしに言っても反発するだけ。認めて煽ててお願いするほうがいい、とおばさんが言ってました。

「……わかった……」

「うん。頼むな」

 メビの頭を撫でて機嫌を取った。

「アリサたちも頼むぞ。ラダリオンが到着したら酒を出すよう伝えておくから」

 こいつらも休ませないといかんしな。ここで交代させておこう。

「……わかりました。無理をしないでくださいね」

「ああ。無理はしないよ」

 アルズライズがいてミリエルがいてビシャがいる。オレを抜いても最強メンバー。ロースランの群れでもこなけりゃオレの出番もないわ。

「出発は明日にして今日はゆっくり休め。酒も飲んでいいから」

 男爵の館から借りてる家に向かい、ホームから酒やロースランの肉で作った煮卵入り角煮(普通に美味そうだ。でも食わないけどな)を持ってきてやった。

「オレは男爵夫人にマンドラゴラ村のことや男爵のことを話してくる。ミリエルたちは先にマンドラゴラ村に向かってくれ。道なりにいけば二十分でつけるから」

 日陰のところはヒートソードで溶かしてきた。迷うことはないはずだ。

「わかりました。いってみます」

 マンドラゴラ村へ続く道まで案内し、三人の姿が消えたら館に向かった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

レベル1のフリはやめた。貸した力を全回収

ソラ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ち、ソラ。 彼はレベル1の無能として蔑まれ、魔王討伐を目前に「お前のようなゴミはいらない」と追放を言い渡される。 だが、傲慢な勇者たちは知らなかった。 自分たちが人間最高峰の力を維持できていたのは、すべてソラの規格外のステータスを『借りていた』からだということを。 「……わかった。貸していた力、すべて返してもらうよ」 契約解除。返還されたレベルは9999。 一瞬にして力を失い、ただの凡人へと転落しパニックに陥る勇者たち。 対するソラは、星を砕くほどの万能感を取り戻しながらも、淡々と宿を去る。 静かな隠居を望むソラだったが、路地裏で「才能なし」と虐げられていた少女ミィナを助けたことで、運命が変わり始める。 「借金の利息として、君を最強にしてあげよう」 これは、世界そのものにステータスを貸し付けていた最強の『貸与者』が、不条理な世界を再定義していく物語。 (本作品はAIを活用して構成・執筆しています)

リストラされた42歳、確率の向こう側へ。~なぜか俺の選択肢がすべて正解になる件~

RIU
ファンタジー
「君には今月いっぱいで席を空けてもらいたい」 42歳、独身、社畜。会社のために尽くしてきた柏木誠は、理不尽な理由でリストラされた。 絶望の中、雨の神社で野良猫を助けた彼は、不思議な光と共に【確率固定】という異能――「無意識に正解を選び続ける豪運」を手に入れる。 試しに買った宝くじは10億円当選。 復讐心に燃える元上司を袖にし、元天才投資家の美女をパートナーに迎えた柏木は、その豪運で現代社会を無双していく。 「俺の選択に間違いはない。なぜなら、確率の方が俺に合わせるからだ」 枯れたおじさんが資産と余裕を手に入れ、美女たちに頼られながら、第2の人生を謳歌する痛快サクセスストーリー!

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

ウルティメイド〜クビになった『元』究極メイドは、素材があれば何でも作れるクラフト系スキルで魔物の大陸を生き抜いていく〜

西館亮太
ファンタジー
「お前は今日でクビだ。」 主に突然そう宣告された究極と称されるメイドの『アミナ』。 生まれてこの方、主人の世話しかした事の無かった彼女はクビを言い渡された後、自分を陥れたメイドに魔物の巣食う島に転送されてしまう。 その大陸は、街の外に出れば魔物に襲われる危険性を伴う非常に危険な土地だった。 だがそのまま死ぬ訳にもいかず、彼女は己の必要のないスキルだと思い込んでいた、素材と知識とイメージがあればどんな物でも作れる『究極創造』を使い、『物作り屋』として冒険者や街の住人相手に商売することにした。 しかし街に到着するなり、外の世界を知らない彼女のコミュ障が露呈したり、意外と知らない事もあったりと、悩みながら自身は究極なんかでは無かったと自覚する。 そこから始まる、依頼者達とのいざこざや、素材収集の中で起こる騒動に彼女は次々と巻き込まれていく事になる。 これは、彼女が本当の究極になるまでのお話である。 ※かなり冗長です。 説明口調も多いのでそれを加味した上でお楽しみ頂けたら幸いです

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

魔法が使えない落ちこぼれ貴族の三男は、天才錬金術師のたまごでした

茜カナコ
ファンタジー
魔法使いよりも錬金術士の方が少ない世界。 貴族は生まれつき魔力を持っていることが多いが錬金術を使えるものは、ほとんどいない。 母も魔力が弱く、父から「できそこないの妻」と馬鹿にされ、こき使われている。 バレット男爵家の三男として生まれた僕は、魔力がなく、家でおちこぼれとしてぞんざいに扱われている。 しかし、僕には錬金術の才能があることに気づき、この家を出ると決めた。

処理中です...