ダメ女神からゴブリンを駆除しろと命令されて異世界に転移させられたアラサーなオレ、がんばって生きていく!

AA1

文字の大きさ
335 / 459

335 巨人の村(仮)

しおりを挟む
 さあ、ゴブリン駆除だ!

 とはいかず、ヨシュアたちのことやゴルグたちのことがあるので、まだマイセンズにいけなかった。

 まずはヨシュアたちは泥レンガ作りを続けてもらい、ゴルグを連れて巨人村(仮)に向かった。

 巨人の村(仮)は、アシッカの町から北西方向にあり、近くに小川があるそうだ。

 小川では水の確保が難しいのでは? と思ったが、巨人は井戸を掘るのも得意なのだとか。コラウスの井戸のほとんどは巨人が掘ったんだってさ。

 食料調達のために町まできているので、道も踏み潰され、雪も払われているのでパイオニアで走れる。重機……はあるけど、気軽に買えない世界では重宝な種族だよ。

「しかし、この腕輪は凄いよな。まさかタカトと同じ背丈になるとは」

 パイオニアに乗ったゴルグが景色やスピードにはしゃいでいると思ったら、突然、腕輪のことに話を振ってきた。

「そうだな。ラダリオン用とは聞かされてたんだが、まさか他の巨人にも効果があるとは思わなかったよ」

 まあ、あのときはラダリオンだけで、まさか巨人の村に住むとは思わなかった。念のためと、ロミーにつけさせたらびっくり。ちゃんと小さくなったのだ。

「これがもっとあれば巨人の暮らしが楽になるんだがな」

「こればっかりは運だから仕方がないよ」

 ゴルグにはガチャのことは教えてある。こいつとはなんだかんだと一年の付き合いになる。もう友達と言っていいからな、あるていどの秘密は共有しておこうと思ったのだ。

 巨人の村(仮)は空堀で囲まれており、四分の一くらい壁ができていた。

「兄貴!」

 パイオニアから降り、元のサイズに戻ると、髭もじゃの男に声をかけるゴルグ。兄貴? お前、兄弟いたの? と思ったら、ロミーの兄なんだってさ。妹とまったく似てねーな。

 今日、ここにきたのは物資を運んできたのと、ゴブリン駆除が目的だ。

 まだ村は小さく、十人もいないが、いずれここに何家族かが移住してくる計画だ。

 巨人もそのサイズから子を養うにはそれなりの家庭(稼ぎか?)でないと、子を産むこともできないそうだ。

 ゴルグのとこはロミーの親父さんが街で働いているので、援助してもらってたそうだ。家具作りの腕もよかったってのもあるらしいがな。

 ゴルグが兄貴さんたちと近況を話し合っている間に、ホームから物資を運び出した。

 どれもこちらの世界のものだから十五日縛りもない。剣や槍、斧とかもバイルズ武具店のガズに頼んだもの。腕輪の力、様々だ。

 すべてを出したらゴルグに持ってもらって巨大化させた。

 五回くらいやっていると、ゴルグが膝をついてしまった。どうした!?

「……よ、よくわからんが、突然力が抜けたんだ……」

 がくりと倒れてしまった。

 ゴルグにも回復薬中を二粒渡してあるので、他の巨人に腰のポーチから小瓶を取り出してもらい、一粒飲ませた。

 しばらく動けなかったが、十分くらいで起き上がれるようになった。

「お前、持病とかあったのか?」

「いや、病気一つしなかった。これは、もしかすると魔力切れかもしれん」

 魔力切れ? あ! 確かに魔力が切れたとき、立ち眩みしたな。

「もしかして、腕輪は魔力を使っているのか?」

 ラダリオンは何十回と小さくなったりしてたが、魔力切れなんて起こさなかった。だが、よくよく考えたらラダリオンは暴食が治ってからもよく食べていた。あれは、魔力を使ってたからか?

「そんな都合のいいことはないと思ってたが、まさか魔力をエネルギーにしていたとはな」

 なんで腕輪だけ魔力なんだよ? 滅びた科学技術はどこにいった?

「てか、ゴルグは魔法が使えたんだな」

 魔力があるってことは魔法が使えるってこと、だよね?

「緑の魔法だがな」

 緑の魔法? また初めて聞く魔法が出てきたな! どんなだ?

「木を成長させたり木のことがよくわかったりするぐらいのチンケなもんだよ」

「木ってことは植物か。なら、作物とか成長させられそうだな」

「そうでもないさ。巨人が畑に入ったら作物を踏み潰すのがオチだ」

 あーそりゃそうか。畑は人間サイズだしたな。リンゴとか木になるものたら巨人でも育てられそうだが、まだこの世界でリンゴを見たことがない。絵に描いたリンゴだ。

 回復薬中では魔力回復はそれほどされないのか、一時間くらい立ち上がれなかった。

 その間、他の巨人が一回ずつ腕輪を使って物資を巨大化させた。

「ゴルグ。昼まで休んでいろ。その間にゴブリンを引き寄せるから」

 暖かくなってまたゴブリンが出てきた。洞窟から出てきた様子はないから元からいたのか、逃げ出したのが隠れていたんだろう。

「ああ。あまり集めすぎないでくれよ。おれ、ゴブリンの臭い苦手なんだよな」

「あれは誰でも苦手だよ。オレだって慣れないしな」

 ワキガのような臭い。好むヤツがいたら見てみたいよ。

「まあ、狂乱化するほどはいないから安心しろ。精々、百匹ていどだ。夕方までには片付けられるよ」

 ゴルグには春までいて欲しいので、ゴブリン駆除で稼いでいて欲しい。洞窟に入ったら長いこと入ってそうな予感がするからな。

「ああ、わかった。気をつけろよ」

 了解と答え、森へ向かった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

レベル1のフリはやめた。貸した力を全回収

ソラ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ち、ソラ。 彼はレベル1の無能として蔑まれ、魔王討伐を目前に「お前のようなゴミはいらない」と追放を言い渡される。 だが、傲慢な勇者たちは知らなかった。 自分たちが人間最高峰の力を維持できていたのは、すべてソラの規格外のステータスを『借りていた』からだということを。 「……わかった。貸していた力、すべて返してもらうよ」 契約解除。返還されたレベルは9999。 一瞬にして力を失い、ただの凡人へと転落しパニックに陥る勇者たち。 対するソラは、星を砕くほどの万能感を取り戻しながらも、淡々と宿を去る。 静かな隠居を望むソラだったが、路地裏で「才能なし」と虐げられていた少女ミィナを助けたことで、運命が変わり始める。 「借金の利息として、君を最強にしてあげよう」 これは、世界そのものにステータスを貸し付けていた最強の『貸与者』が、不条理な世界を再定義していく物語。 (本作品はAIを活用して構成・執筆しています)

リストラされた42歳、確率の向こう側へ。~なぜか俺の選択肢がすべて正解になる件~

RIU
ファンタジー
「君には今月いっぱいで席を空けてもらいたい」 42歳、独身、社畜。会社のために尽くしてきた柏木誠は、理不尽な理由でリストラされた。 絶望の中、雨の神社で野良猫を助けた彼は、不思議な光と共に【確率固定】という異能――「無意識に正解を選び続ける豪運」を手に入れる。 試しに買った宝くじは10億円当選。 復讐心に燃える元上司を袖にし、元天才投資家の美女をパートナーに迎えた柏木は、その豪運で現代社会を無双していく。 「俺の選択に間違いはない。なぜなら、確率の方が俺に合わせるからだ」 枯れたおじさんが資産と余裕を手に入れ、美女たちに頼られながら、第2の人生を謳歌する痛快サクセスストーリー!

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

ウルティメイド〜クビになった『元』究極メイドは、素材があれば何でも作れるクラフト系スキルで魔物の大陸を生き抜いていく〜

西館亮太
ファンタジー
「お前は今日でクビだ。」 主に突然そう宣告された究極と称されるメイドの『アミナ』。 生まれてこの方、主人の世話しかした事の無かった彼女はクビを言い渡された後、自分を陥れたメイドに魔物の巣食う島に転送されてしまう。 その大陸は、街の外に出れば魔物に襲われる危険性を伴う非常に危険な土地だった。 だがそのまま死ぬ訳にもいかず、彼女は己の必要のないスキルだと思い込んでいた、素材と知識とイメージがあればどんな物でも作れる『究極創造』を使い、『物作り屋』として冒険者や街の住人相手に商売することにした。 しかし街に到着するなり、外の世界を知らない彼女のコミュ障が露呈したり、意外と知らない事もあったりと、悩みながら自身は究極なんかでは無かったと自覚する。 そこから始まる、依頼者達とのいざこざや、素材収集の中で起こる騒動に彼女は次々と巻き込まれていく事になる。 これは、彼女が本当の究極になるまでのお話である。 ※かなり冗長です。 説明口調も多いのでそれを加味した上でお楽しみ頂けたら幸いです

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

魔法が使えない落ちこぼれ貴族の三男は、天才錬金術師のたまごでした

茜カナコ
ファンタジー
魔法使いよりも錬金術士の方が少ない世界。 貴族は生まれつき魔力を持っていることが多いが錬金術を使えるものは、ほとんどいない。 母も魔力が弱く、父から「できそこないの妻」と馬鹿にされ、こき使われている。 バレット男爵家の三男として生まれた僕は、魔力がなく、家でおちこぼれとしてぞんざいに扱われている。 しかし、僕には錬金術の才能があることに気づき、この家を出ると決めた。

処理中です...