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約百五十万円プラスされて、報酬が二千二百万円となった。
確実に三万四千匹は突破したと思うのだが、なぜかアナウンスされない。三万匹のときはミリエルたちにはアナウンスされたのに。もしかして、オレに対する嫌がらせか?
まあ、ないならないで構わない。あの声を聞かないで済むなら有益な情報もいらんよ。どっちにしろ碌なことにならんのだからな。
「ミシニー、下がる。逃げ道を作ってくれ」
「了解」
少し間が開き、上空から大火球が降ってきた。だからどうして仲間まで焼き尽くしそうなのを放つ?!
充填量が多いほうのEARを大火球に向け、ダイヤルをフルにして魔力盾を展開させた。
銃口の下にある六角は魔力盾を展開させるための穴で、ダイヤルでその大きさを決めるのだ。
フルにすれば射手を覆うほど展開させるが、満タンでも七分くらいしかもたなかったりする。まあ、フルにする状況なんて滅多にない。いや、今その状況に陥っているけど、二十秒も耐えられたら充分だ。ミシニーの火炎攻撃は長時間もたない。一瞬で焼き尽くすものだからな。
ゴブリンの群れの中に大火球が落ちて一瞬の閃光。プランデットが光を自動調節してくれ、百匹近いゴブリンが真っ黒に染められた。エゲつな!
視界が元に戻り、魔力盾を止めた。
「助かったよ、こん畜生め」
「アハハ。どう致しまして」
ったく、悪びれもしないヤツだよ。
ルンを交換してミシニーが作ってくれた道を走ってそこから離脱。ゴブリンがいないほうへ向かった。
少し遠回りになったが、無事、ミリエルたちがいる建物に到着。商業施設だろうか? やたら広い空間になっていて、風化しただろうなにかの残骸が床を埋め尽くしていた。
……重要なものじゃないと風化防止の施しはしないか……。
なにか便利なものがあれば持ち帰りたいのだが、ほとんどのものは風化しており、元がなんなのかもわからないよ。
「タカト!」
二十メートル先にマリットさんが現れた。え? 動体センサーに引っかからなかったぞ?!
「凄いな。全然気がつかなかった」
「ああ。あいつの隠密はわたしでも察知できないよ」
ミシニーでもかい。それは凄いってレベルじゃないだろう。もう特殊能力だろう、それ。
「ミリエルが世話になりました。ありがとうございます」
「世話になったのはおれたちのほうだよ。あの眠りの魔法のお陰で楽に倒せたし、補給も切れることもなかったしな」
「それでも守ってくれたことには感謝ですよ」
「まあ、礼は受け取っておくよ。それ以上はいらん。ロンダリオたちにも不要だ。酒でも奢ってくれたらいいさ」
「ええ。とびっきりのを奢りますよ」
「そいつは楽しみだ。皆はこっちだ」
マリットさんの先導で皆のところに向かった。
倉庫らしきところにミリエルたちはいて、一休みしているところだった。
「お疲れ様です。疲れは溜まってませんか?」
「多少はな。だが、いつもの冒険よりは断然楽だよ。補給があるとないとでは全然違うからな。交代で酒も飲めるし」
「ああ。二百万円近く稼げたんだからいい冒険さ」
二百万円か。この人数で割ったらそんなもんか。まあ、五人で一千万円になるんだから美味しい仕事と言えるだろうよ。
「それはなにより。では、一旦地上に戻りますか? 脅威になるロースランも排除できたことですし、ここら辺で休息してはどうです?」
もう地下に籠って……何日だ? 激動すぎて何日だかわからなくなっているよ。
「そうだな。あとはゴブリンを狩るだけなんだし、そう根を詰める必要もないか」
「アルズライズとミシニーも戻っても構わないぞ。アリサたちもだ。なんなら別の隊を寄越しても構わないぞ」
「タカトは残るのか?」
「残ると言うか、オレはホームで休むからな、わざわざ戻らないよ。皆が戻ればカインゼルさんやロズたちドワーフを呼ぼうと思う。ミリエルたちには悪いが、仮足場でカインゼルさんにウルトラマリンの操縦を教えてから地上に戻ってくれるか?」
カインゼルさんたちや他のエルフにも稼がせなくちゃならない。交代するなら今だろう。
「おれたちは戻って休ませてもらうよ。外の空気を吸いたいしな」
ロンダリオ隊は戻るか。
「わたしも戻る。一度、コラウスに帰るよ。同胞に報告したいしな」
そういや、コラウスにもエルフがいたんだっけな。ミシニーはその纏め役かなんかなのかな?
「おれは残る。地上にいってもすることがないしな。タカトが無理しないよう見張る」
「オレは好きで無理しているわけじゃないんだがな。まあ、好きにしたらいいさ。ここでの拠点を築かなくちゃならんしな」
「アルズライズさんが残ってくれるなら安心です」
うん。そうだね。オレだけじゃ不安だよね。だってオレ、凡人だし。一人じゃすぐ死んじゃうもんね。
「まあ、とりあえず二日くらい休みましょう。そう急いで地上に戻る必要もありませんしね。ここを固めたら酒でも飲んで身も心も癒しましょう」
オレたちは二日酔いするくらい飲んだから見張り担当だぞと、ミシニーとアルズライズに目で訴えた。
「それはいい! よし、さっさと固めるぞ!」
ロンダリオさんの音頭で仮拠点作りに動いた。
確実に三万四千匹は突破したと思うのだが、なぜかアナウンスされない。三万匹のときはミリエルたちにはアナウンスされたのに。もしかして、オレに対する嫌がらせか?
まあ、ないならないで構わない。あの声を聞かないで済むなら有益な情報もいらんよ。どっちにしろ碌なことにならんのだからな。
「ミシニー、下がる。逃げ道を作ってくれ」
「了解」
少し間が開き、上空から大火球が降ってきた。だからどうして仲間まで焼き尽くしそうなのを放つ?!
充填量が多いほうのEARを大火球に向け、ダイヤルをフルにして魔力盾を展開させた。
銃口の下にある六角は魔力盾を展開させるための穴で、ダイヤルでその大きさを決めるのだ。
フルにすれば射手を覆うほど展開させるが、満タンでも七分くらいしかもたなかったりする。まあ、フルにする状況なんて滅多にない。いや、今その状況に陥っているけど、二十秒も耐えられたら充分だ。ミシニーの火炎攻撃は長時間もたない。一瞬で焼き尽くすものだからな。
ゴブリンの群れの中に大火球が落ちて一瞬の閃光。プランデットが光を自動調節してくれ、百匹近いゴブリンが真っ黒に染められた。エゲつな!
視界が元に戻り、魔力盾を止めた。
「助かったよ、こん畜生め」
「アハハ。どう致しまして」
ったく、悪びれもしないヤツだよ。
ルンを交換してミシニーが作ってくれた道を走ってそこから離脱。ゴブリンがいないほうへ向かった。
少し遠回りになったが、無事、ミリエルたちがいる建物に到着。商業施設だろうか? やたら広い空間になっていて、風化しただろうなにかの残骸が床を埋め尽くしていた。
……重要なものじゃないと風化防止の施しはしないか……。
なにか便利なものがあれば持ち帰りたいのだが、ほとんどのものは風化しており、元がなんなのかもわからないよ。
「タカト!」
二十メートル先にマリットさんが現れた。え? 動体センサーに引っかからなかったぞ?!
「凄いな。全然気がつかなかった」
「ああ。あいつの隠密はわたしでも察知できないよ」
ミシニーでもかい。それは凄いってレベルじゃないだろう。もう特殊能力だろう、それ。
「ミリエルが世話になりました。ありがとうございます」
「世話になったのはおれたちのほうだよ。あの眠りの魔法のお陰で楽に倒せたし、補給も切れることもなかったしな」
「それでも守ってくれたことには感謝ですよ」
「まあ、礼は受け取っておくよ。それ以上はいらん。ロンダリオたちにも不要だ。酒でも奢ってくれたらいいさ」
「ええ。とびっきりのを奢りますよ」
「そいつは楽しみだ。皆はこっちだ」
マリットさんの先導で皆のところに向かった。
倉庫らしきところにミリエルたちはいて、一休みしているところだった。
「お疲れ様です。疲れは溜まってませんか?」
「多少はな。だが、いつもの冒険よりは断然楽だよ。補給があるとないとでは全然違うからな。交代で酒も飲めるし」
「ああ。二百万円近く稼げたんだからいい冒険さ」
二百万円か。この人数で割ったらそんなもんか。まあ、五人で一千万円になるんだから美味しい仕事と言えるだろうよ。
「それはなにより。では、一旦地上に戻りますか? 脅威になるロースランも排除できたことですし、ここら辺で休息してはどうです?」
もう地下に籠って……何日だ? 激動すぎて何日だかわからなくなっているよ。
「そうだな。あとはゴブリンを狩るだけなんだし、そう根を詰める必要もないか」
「アルズライズとミシニーも戻っても構わないぞ。アリサたちもだ。なんなら別の隊を寄越しても構わないぞ」
「タカトは残るのか?」
「残ると言うか、オレはホームで休むからな、わざわざ戻らないよ。皆が戻ればカインゼルさんやロズたちドワーフを呼ぼうと思う。ミリエルたちには悪いが、仮足場でカインゼルさんにウルトラマリンの操縦を教えてから地上に戻ってくれるか?」
カインゼルさんたちや他のエルフにも稼がせなくちゃならない。交代するなら今だろう。
「おれたちは戻って休ませてもらうよ。外の空気を吸いたいしな」
ロンダリオ隊は戻るか。
「わたしも戻る。一度、コラウスに帰るよ。同胞に報告したいしな」
そういや、コラウスにもエルフがいたんだっけな。ミシニーはその纏め役かなんかなのかな?
「おれは残る。地上にいってもすることがないしな。タカトが無理しないよう見張る」
「オレは好きで無理しているわけじゃないんだがな。まあ、好きにしたらいいさ。ここでの拠点を築かなくちゃならんしな」
「アルズライズさんが残ってくれるなら安心です」
うん。そうだね。オレだけじゃ不安だよね。だってオレ、凡人だし。一人じゃすぐ死んじゃうもんね。
「まあ、とりあえず二日くらい休みましょう。そう急いで地上に戻る必要もありませんしね。ここを固めたら酒でも飲んで身も心も癒しましょう」
オレたちは二日酔いするくらい飲んだから見張り担当だぞと、ミシニーとアルズライズに目で訴えた。
「それはいい! よし、さっさと固めるぞ!」
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