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400 乗り物狂
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てか、黒焦げでなんなのかわからんな!
大量にガソリンを散布し、RPG-7によっていい感じに焼かれてしまった。知らない者が見たらタダの黒い岩だよ。
仕方がない。全体を写るように収め、まだ辛うじてわかる顔を写した。
「カインゼルさん。ローダーを輪切りにするんでオレの後ろにいてください」
せめて中身でもカメラに収めておくとしよう。魔石も取らなくちゃならんしな。
ってことでチートタイムスタート。水がそこにあるから簡単に集められ、とりあえず五等分のローダーにしておいた。
あと、血を抜いて湖に放り投げた。湖水浴することもないし。
輪切りにしたのがどんな役に立つか知らんが、パシャパシャとカメラに収めていった。
「タカト。魔石があったぞ」
こんなもんかなと思っていると、カインゼルさんがボーリングの球くらいの茶色魔石を持ってきた。
「さすがにデカいですね」
いや、特異体のロースランですらマスクメロンくらいだったから小さいか。ローダーのサイズからしたら……。
「そうだな。国宝級にデカいが、デカすぎて使い道がないな」
持たせてもらったらリンクスより重かった。これ、二十キロはあんじゃね?
「まあ、魔王と戦っている者がいるそうなのでそちらに渡しますよ」
イチゴやマンダリンを整備できる部屋を拡張してもらわなきゃならない。これならマンダリンの整備ルームくらいは造れるだろうよ。
「使徒なのか?」
「どうなんですかね? その人は、オレをこの世界に放り込んだ女神ではなく、下位の女神が送り込んだみたいですよ」
なんでダメ女神が魔王と戦うほうを担当しなかったんだろう? あっちのほうが重要だと思うんだがな? 楽だからとリミット様から奪ったとかか?
「勇者、と言うことか?」
「んー。勇者とは言ってなかったから違うんじゃないですかね? 強い人みたいですけど」
勇者なら勇者と言うはずだ。別に隠す必要もないんだからな。それに、ダメ女神も強い者に、と言っていた。勇気などなくても勝てる人なんだろうよ。
「そうか。女神様はこの世界を守ってくださっているのだな」
やらされてるのはオレらですけどね。
「充分カメラに収めたので戻りましょう」
まだサイルスさんたちが戻ってくるまで時間はあるが、ここら辺にいるゴブリンどもが集まってきている。
この状況で相手はしてられない。また現れたら堪ったもんじゃないからな。
「わしに運転させてくれ」
「これはプランデットがないと難しいですよ。アルズライズですら乗れるまでに一日はかかりましたからね」
乗れただけで激しい動きも細かい動きもできてない。移動させるので精一杯だったよ。
「それはおもしろい。益々乗りたくなった」
ガチの乗り物好きだよな、カインゼルさんは。
「まあ、いずれ乗ってもらうものですし、構いませんよ。ただ、ブラックリンは出力が高いのでマンダリンに乗ってください」
さすがにブラックリンはプランデットがないと無理だ。手動でやるなら数ヶ月は必要だろうよ。
ちょっと待っててもらい、魔石をホームに運び込んでマンダリンを出してきた。
簡単な説明をしてカインゼルさんがマンダリンに跨がった。
乗り物好きは伊達じゃない。元々才能があったのか、三十分も練習したら飛び上がることができた。
オレとイチゴもブラックリンに乗り込み、カインゼルさんのあとを追った。
ぎこちない飛び方ではあるが、徐々に慣れてきたようでスピードも出てきた。
「カインゼルさん! そのまま地底湖に続く洞窟まで飛んでください!」
この調子なら今日中にアルズライズやビシャくらいの腕前になりそうだ。サイルスさんたちがくるまでいって戻ってこれるだろうよ。
そのまま仮拠点の建物を飛び越え、発着場まで飛んだ。
「あそこを覚えておいてください! 旋回!」
「わかった!」
さすがに着陸は無理そうだから発着場の前で旋回。仮拠点に向かった。
「万が一のときはオレが受け止めます! 慌てず降りてください!」
先に降りてカインゼルさんが降りてくるのを待ち受けた。
速度を落としながら降下するが、風が吹いてきてマンダリンが揺れてしまった。
これは不味いと判断してチートタイムスタート。飛び上がってマンダリンの後部座席に座り、プランデットを連動させて着陸させた。
「すまん。ドジってしまった」
「構いませんよ。着地は難しいですからね」
飛ばすより降ろすほうが難しい。初めてで飛ばせたカインゼルさんがどうかしているのだ。
「まずは地上から一メートルくらいで停止させられるようにして、ゆったり降りる練習をしたほうがいいですね」
「そうだな。さすがに無茶をしすぎた。ちゃんと練習してから飛ばすよ」
懲りない人だよ。まあ、長年兵士をして戦争までいってんだからこんなことでへこたれしたりしないか。オレも見習わんとな。
「まずはサイルスさんと話し合ってからですからね」
「わかっとるよ」
名残惜しそうなカインゼルさん。乗り物好きから乗り物狂になりそうだな。
「サイルスさんが地上に出たようですね」
反応がしたほうを見たら、サイルスさんやエルフたちの姿があった。
「すまん。遅れたか?」
「いえ、大丈夫です。まずは仮拠点に向かいましょう」
サイルスさんたちを連れて建物の中に入った。
大量にガソリンを散布し、RPG-7によっていい感じに焼かれてしまった。知らない者が見たらタダの黒い岩だよ。
仕方がない。全体を写るように収め、まだ辛うじてわかる顔を写した。
「カインゼルさん。ローダーを輪切りにするんでオレの後ろにいてください」
せめて中身でもカメラに収めておくとしよう。魔石も取らなくちゃならんしな。
ってことでチートタイムスタート。水がそこにあるから簡単に集められ、とりあえず五等分のローダーにしておいた。
あと、血を抜いて湖に放り投げた。湖水浴することもないし。
輪切りにしたのがどんな役に立つか知らんが、パシャパシャとカメラに収めていった。
「タカト。魔石があったぞ」
こんなもんかなと思っていると、カインゼルさんがボーリングの球くらいの茶色魔石を持ってきた。
「さすがにデカいですね」
いや、特異体のロースランですらマスクメロンくらいだったから小さいか。ローダーのサイズからしたら……。
「そうだな。国宝級にデカいが、デカすぎて使い道がないな」
持たせてもらったらリンクスより重かった。これ、二十キロはあんじゃね?
「まあ、魔王と戦っている者がいるそうなのでそちらに渡しますよ」
イチゴやマンダリンを整備できる部屋を拡張してもらわなきゃならない。これならマンダリンの整備ルームくらいは造れるだろうよ。
「使徒なのか?」
「どうなんですかね? その人は、オレをこの世界に放り込んだ女神ではなく、下位の女神が送り込んだみたいですよ」
なんでダメ女神が魔王と戦うほうを担当しなかったんだろう? あっちのほうが重要だと思うんだがな? 楽だからとリミット様から奪ったとかか?
「勇者、と言うことか?」
「んー。勇者とは言ってなかったから違うんじゃないですかね? 強い人みたいですけど」
勇者なら勇者と言うはずだ。別に隠す必要もないんだからな。それに、ダメ女神も強い者に、と言っていた。勇気などなくても勝てる人なんだろうよ。
「そうか。女神様はこの世界を守ってくださっているのだな」
やらされてるのはオレらですけどね。
「充分カメラに収めたので戻りましょう」
まだサイルスさんたちが戻ってくるまで時間はあるが、ここら辺にいるゴブリンどもが集まってきている。
この状況で相手はしてられない。また現れたら堪ったもんじゃないからな。
「わしに運転させてくれ」
「これはプランデットがないと難しいですよ。アルズライズですら乗れるまでに一日はかかりましたからね」
乗れただけで激しい動きも細かい動きもできてない。移動させるので精一杯だったよ。
「それはおもしろい。益々乗りたくなった」
ガチの乗り物好きだよな、カインゼルさんは。
「まあ、いずれ乗ってもらうものですし、構いませんよ。ただ、ブラックリンは出力が高いのでマンダリンに乗ってください」
さすがにブラックリンはプランデットがないと無理だ。手動でやるなら数ヶ月は必要だろうよ。
ちょっと待っててもらい、魔石をホームに運び込んでマンダリンを出してきた。
簡単な説明をしてカインゼルさんがマンダリンに跨がった。
乗り物好きは伊達じゃない。元々才能があったのか、三十分も練習したら飛び上がることができた。
オレとイチゴもブラックリンに乗り込み、カインゼルさんのあとを追った。
ぎこちない飛び方ではあるが、徐々に慣れてきたようでスピードも出てきた。
「カインゼルさん! そのまま地底湖に続く洞窟まで飛んでください!」
この調子なら今日中にアルズライズやビシャくらいの腕前になりそうだ。サイルスさんたちがくるまでいって戻ってこれるだろうよ。
そのまま仮拠点の建物を飛び越え、発着場まで飛んだ。
「あそこを覚えておいてください! 旋回!」
「わかった!」
さすがに着陸は無理そうだから発着場の前で旋回。仮拠点に向かった。
「万が一のときはオレが受け止めます! 慌てず降りてください!」
先に降りてカインゼルさんが降りてくるのを待ち受けた。
速度を落としながら降下するが、風が吹いてきてマンダリンが揺れてしまった。
これは不味いと判断してチートタイムスタート。飛び上がってマンダリンの後部座席に座り、プランデットを連動させて着陸させた。
「すまん。ドジってしまった」
「構いませんよ。着地は難しいですからね」
飛ばすより降ろすほうが難しい。初めてで飛ばせたカインゼルさんがどうかしているのだ。
「まずは地上から一メートルくらいで停止させられるようにして、ゆったり降りる練習をしたほうがいいですね」
「そうだな。さすがに無茶をしすぎた。ちゃんと練習してから飛ばすよ」
懲りない人だよ。まあ、長年兵士をして戦争までいってんだからこんなことでへこたれしたりしないか。オレも見習わんとな。
「まずはサイルスさんと話し合ってからですからね」
「わかっとるよ」
名残惜しそうなカインゼルさん。乗り物好きから乗り物狂になりそうだな。
「サイルスさんが地上に出たようですね」
反応がしたほうを見たら、サイルスさんやエルフたちの姿があった。
「すまん。遅れたか?」
「いえ、大丈夫です。まずは仮拠点に向かいましょう」
サイルスさんたちを連れて建物の中に入った。
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