ダメ女神からゴブリンを駆除しろと命令されて異世界に転移させられたアラサーなオレ、がんばって生きていく!

AA1

文字の大きさ
405 / 459

405 ハンター

しおりを挟む
 いつの間にか眠ってしまい、目が覚めるとなぜかミリエルの膝の上だった。

「……すまない。眠ってしまったよ……」

 膝枕って結構大変なもの。二十分もやれば脚が痺れるぞ。

 ……てか、十六歳の女の子にしてもらうとかギルティだろう……。

「大丈夫ですよ。もうちょっと眠ったほうがいいですよ。疲れているみたいですし」

「いや、サイルスさんたちが心配だから。寝てもいられないよ」

 腕時計を見れば十六時を過ぎていた。ちょっとどころかがっつり眠っちゃったよ。まぁ、五十度もあるウイスキーを二百ミリも飲めば酔い潰れもするがよ。

「ミリエル。オレたちはマイセンズから撤退する。ゴブリン駆除は終了だ」

「わかりました。皆にそう伝えます」

「いろいろ準備をしたのにすまんな。また別の方法を考えるよ」

 アシッカ復興に何百万円が使ってしまうが、エルフの遺産は手に入れられたことでプラスとしておこう。森にいるゴブリンを駆除するほうが安全で確実。費用も少なくて済むんだからな。

「謝らないでください。わたしたちは一蓮托生。タカトさんのお荷物じゃありません。わたしだって稼げます」

 十六歳の女の子に生活を頼るアラサーとか究極にクズすぎんだろう。とは言え、やる気に満ちているところに水を差すのも大人気ない。ありがとうと答えておいた。

「まずはマイセンズから生きて帰ることに集中だな」

 オレはなんとかなるが、サイルスさんたちは洞窟からじゃないと地上に出られない。そこまでは連れていかないと無責任ってものだ。

「アシッカの様子はどうだ?」

「雪がまた降ってきて薪の消費が上がってきてます。食料もそろそろ補給しないといけないですね」

 ダメになると転がり落ちるようにダメになっていくぜ。

「戻ったらまたミヤマランに買い出しにいかんとならんな」

 ブラックリンなら半日でいけるだろうし、魔石が大量にある。この冬の分は十二分に買えるはずだ。

「そのときはわたしもいきたいです」

「そうだな。次はミリエルを連れていくよ」

 前はラダリオンだったし、平等に連れていかないと不和の元だからな。

「ちょっとシャワーを浴びてくる」

 すっきりしたらリンクス装備に着替えた。

 専門のマガジンポーチがデカくてちょっと邪魔だが、十メートルもある虫には対物ライフルでもないと効果はない。まあ、それでも死んでくれるかわからんけどよ。

「せめてグロックを持っていたほうがいいのでは?」

「ローダーには効かないからいいよ。ダメなときはホームに入ればいいしな」

 なるべく機動力重視でいく。どうせゴブリンは出てこないだろうし、ロースランはエサにされるだろうからな。

 ヘルメットを被りプランデットをかける。

「ブラックリンにマナックを補給しておいてくれ」

「わかりました。気をつけてくださいね」

「ああ。危険と感じたらホームに入るよ」

 タクティカルホームと言う名の装備《チート》を持っているのだから利用しない手はない。まあ、これは一人じゃないと効果は発揮しない。仲間が死闘しているときに一人だけ逃げ込むとか心が痛むわ。

 窓から外を覗くとオレが倒したローダーが倒れているだけ。五発あれば倒せるようだな。

 それは当たりどころによるだろうが、一対一ならなんとかなるだろう。こちらにはプランデットで位置は把握できる。ホームに入ったり建物に逃げ込めば戦いようはあるさ。

 三百六十度確認。上空よし。見える範囲にローダーはいない。

「よし。いってくる──」

 弾を装填したら外に出た。

 すぐにローダーの位置を確認。巣に五匹。街のほうに十匹。二、三匹いなくなっている? どこだ? 

「イチゴ。生存しているか?」

 いないのはあと。まずは皆の生存を確認する。

「ラー。生存しています。現在、タワマンに籠城しています」

 確かに五匹がタワマンのところにいるな。

「カインゼルさん。まだ屋上にいますか?」

 プランデットの信号は屋上にある。襲われてプランデットだけ残されたとか止めてくれよ。

「──ああ、いるぞ」

 よ、よかった。さすがタワマン。屋上までは意識が向いてないようだな。

「これから陽動をかけます。巣にいるローダーを撃ってください」

 気づかれてないのならチャンスだ。産卵中で体力も落ちているはずだし、殺せなくとも産後の肥立ちは悪くなるはず。虫に産後の肥立ちがあるかは知らんけど。

「了解。都合よく背中を見せておるよ」

「危険と判断したら中央に建つ塔に逃げ込んでください。天井近くに中に入れる場所がありますから」

「マンダリンがあったところか?」

「はい。余裕があれば何台かホームに運び入れます」

 もう戻ってこれるかわからない。予備として何台か持っていくとしよう。

「わかった。なにかあればそこに逃げるよ」

「じゃあ、お願いします」

 カインゼルさんなら安心して任せられるから貴重な人だよ。

「イチゴ。これから陽動をする。そこにいるローダーが動いたら仮拠点だった場所に向かえ。そこを集合場所とする」

「ラー」

「あと、サイルスさんによろしくと伝えておいてくれ」

「ラー」

 通信を切って再度動体反応を確認する。

 街にいるローダーは動いているところをみると、オレたちを探しているようだな。

 二、三キロ離れているが、単独で動いている。どちらがハンターか教えてやるよ!
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

レベル1のフリはやめた。貸した力を全回収

ソラ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ち、ソラ。 彼はレベル1の無能として蔑まれ、魔王討伐を目前に「お前のようなゴミはいらない」と追放を言い渡される。 だが、傲慢な勇者たちは知らなかった。 自分たちが人間最高峰の力を維持できていたのは、すべてソラの規格外のステータスを『借りていた』からだということを。 「……わかった。貸していた力、すべて返してもらうよ」 契約解除。返還されたレベルは9999。 一瞬にして力を失い、ただの凡人へと転落しパニックに陥る勇者たち。 対するソラは、星を砕くほどの万能感を取り戻しながらも、淡々と宿を去る。 静かな隠居を望むソラだったが、路地裏で「才能なし」と虐げられていた少女ミィナを助けたことで、運命が変わり始める。 「借金の利息として、君を最強にしてあげよう」 これは、世界そのものにステータスを貸し付けていた最強の『貸与者』が、不条理な世界を再定義していく物語。 (本作品はAIを活用して構成・執筆しています)

リストラされた42歳、確率の向こう側へ。~なぜか俺の選択肢がすべて正解になる件~

RIU
ファンタジー
「君には今月いっぱいで席を空けてもらいたい」 42歳、独身、社畜。会社のために尽くしてきた柏木誠は、理不尽な理由でリストラされた。 絶望の中、雨の神社で野良猫を助けた彼は、不思議な光と共に【確率固定】という異能――「無意識に正解を選び続ける豪運」を手に入れる。 試しに買った宝くじは10億円当選。 復讐心に燃える元上司を袖にし、元天才投資家の美女をパートナーに迎えた柏木は、その豪運で現代社会を無双していく。 「俺の選択に間違いはない。なぜなら、確率の方が俺に合わせるからだ」 枯れたおじさんが資産と余裕を手に入れ、美女たちに頼られながら、第2の人生を謳歌する痛快サクセスストーリー!

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

ウルティメイド〜クビになった『元』究極メイドは、素材があれば何でも作れるクラフト系スキルで魔物の大陸を生き抜いていく〜

西館亮太
ファンタジー
「お前は今日でクビだ。」 主に突然そう宣告された究極と称されるメイドの『アミナ』。 生まれてこの方、主人の世話しかした事の無かった彼女はクビを言い渡された後、自分を陥れたメイドに魔物の巣食う島に転送されてしまう。 その大陸は、街の外に出れば魔物に襲われる危険性を伴う非常に危険な土地だった。 だがそのまま死ぬ訳にもいかず、彼女は己の必要のないスキルだと思い込んでいた、素材と知識とイメージがあればどんな物でも作れる『究極創造』を使い、『物作り屋』として冒険者や街の住人相手に商売することにした。 しかし街に到着するなり、外の世界を知らない彼女のコミュ障が露呈したり、意外と知らない事もあったりと、悩みながら自身は究極なんかでは無かったと自覚する。 そこから始まる、依頼者達とのいざこざや、素材収集の中で起こる騒動に彼女は次々と巻き込まれていく事になる。 これは、彼女が本当の究極になるまでのお話である。 ※かなり冗長です。 説明口調も多いのでそれを加味した上でお楽しみ頂けたら幸いです

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

魔法が使えない落ちこぼれ貴族の三男は、天才錬金術師のたまごでした

茜カナコ
ファンタジー
魔法使いよりも錬金術士の方が少ない世界。 貴族は生まれつき魔力を持っていることが多いが錬金術を使えるものは、ほとんどいない。 母も魔力が弱く、父から「できそこないの妻」と馬鹿にされ、こき使われている。 バレット男爵家の三男として生まれた僕は、魔力がなく、家でおちこぼれとしてぞんざいに扱われている。 しかし、僕には錬金術の才能があることに気づき、この家を出ると決めた。

処理中です...