414 / 459
414 レッドアラート
しおりを挟む
侵入してきたロスキートを防火扉を閉めて防いだ。
さすが古代技術。凄まじい音を立てて叩いてくるが、防火扉はヘコみもしない。防火じゃなくて防御だったか?
一息するのもそこそこにさらに奥へ向かい、扉を閉めていく。
「サイルスさん、オレです。仮拠点に向かっています。あと五分くらいで到着します」
途中で扉が閉めてあり、ロスキートが一匹惨殺されていた。おそらくEARで撃ち殺したんだろう。
「わかりました。途中、ロスキートを閉じ込めた場所があるので気をつけてください」
プランデッドの使い方を覚えたエルフが応えてくれた。ごめん。まだエルフの名前覚えてないんです。
「了解」
扉には小ドアがついており、閉めても鍵はかけないようにしてある。ゴブリンやロースランの知能では開けられない構造になっているからだ。
「ビシャ。奥にロスキートが二匹いる。倒せ」
「了解!」
この中で最速なのがビシャだ。ロスキートが二匹いても問題はないだろう。
アルズライズにロックを外してもらい、二十センチくらい開けたらフラッシュグレネードを放り込んだ。
爆発してロスキートの鳴き声がしたらビシャを突入させる。
「仕留めたよ!」
十秒もしないてビシャの報告。ラットスタットを使ったとは言え、秒殺とか末恐ろしい子である……。
「ご苦労さん。よくやった。偉いぞ」
褒めて欲しそうなビシャの頭をわしわしして褒めてやる。ほんと、中身は子供なんだから。
それ以上はロスキートはおらず、仮拠点までやってきた。
「サイルスさん。負傷者はいますか?」
「いない。全員無事だ。ただ、洞窟に逃げる前にロスキートの群れに塞がれてしまったよ」
「ロスキートってこんなに群れるものなんですか?」
軽く三百匹は集まってきた勢いだぞ。あれだけいたら脅威どころか災害だろう。
「いや、あんなに群れたりはしない。群れても精々二、三匹。あいつらは基本、単独行動をするからな」
それがこれだけ集まるとか王──虫の場合、女王か? 女王が立って集結したとかか?
「今年は特に雪が多いし、南でも降って逃げてきたのかもしれんな。ここは冬を越すのに適していそうだし」
ったく。とんでもないときにこさせやがって。わざとだったら覚えてろよ、クソ女神が。
「すぐに出発しようと思うんですが、大丈夫ですか?」
イチゴが外にいてロスキートたちを引きつけていてくれる。チャンスは今でしょう。
「ルンが切れかかっている。補充してやってくれ」
そういやマイズ以外はEARだった。よく切れなかったこと。
ルンとマガジンを取り寄せてやり、食料も足りなくなっていたので遅めの昼食を摂った。
時間は十五時になり、仮拠点を出発する。
洞窟までは距離にして約三キロ。二キロは地下を移動して安全にいけるが、残り一キロは地上をいかなくちゃならない。
地下から出て動体反応を探ると、発着場辺りにローダーが二匹。団地周辺に五匹が散らばっていた。
「ロスキートはイチゴが引き連れて、ロースランの巣があったところにいます」
スケッチブックに地図を描いてローダーの位置とロスキートの位置を示した。
「全員で動くのは目立つな。まずは脚の早いヤツを洞窟に向かわせよう。上手く引きつけられたらローダーの背後を取れるだろう」
ここからは指揮と作戦はサイルスさんにお任せ。オレ、五人以上を指揮するとか無理なんで。
「マイズ、ライド、ログ、メビでいけ。タカト、RPG-7を二つ持たせてくれ」
RPG-7を二基と弾頭を四発渡した。
「メビ。EARじゃ火力不足だ。重いが、リンクスを持っていけ。カインゼルさん。メビにアポートポーチを渡してください」
力ならオレより上。アポートポーチさえあれば他の荷物はいらないだろうよ。
反対する者はいないのですぐに建物から先陣が飛び出した。
プランデットでローダーの位置を教えながら先陣を誘導するが、団地と洞窟の間は百メートルくらいなにもない。さすがに発着場辺りにいたローダーに気がつかれてしまった。
「第二陣。タカトとアルズライズ、ビシャだ。洞窟の前にいるローダーは必ず倒せ」
了解と答えて飛び出した。
オレもアルズライズもリンクスを抱えている。RPG-7はビシャに持ってもらってます。
オレに合わせて走っているので疾走まではいかないが、先陣が引きつけてくれているので団地から出れた。
先陣は上手く洞窟まで辿り着けたのだろう、ローダーが壁に鎌を立てていた。
「アルズライズ。オレは左をやる」
「了解。右は任せろ」
ローダーまで八十メートルくらいのところで腹這いとなり、狙撃体勢を取った。
狙いを定めて引き金を引く──。
──ビービービービー!
いきなりのレッドアラート。
なにがなんだかわからないままにチートタイムスタート。アルズライズとビシャを抱えて逃げ出した。
あとで寝込もうが構わない。全力で走り、壁を登り、発着場に逃げ込んだ。
チートタイム中なのに息切れが激しすぎる。全速力で百メートル走ったより辛いぞ。
なんとか息を整え、アルズライズになにが現れたと問おうとしたら頭を押さえられて床に張りつけられた。
「声を出すな。あそこだ」
頭から手を退かされ、驚愕するアルズライズが見る方向に目を移して絶句した。
洞窟の前に緑色のバケモノがいた……。
「……グロゴールだ……」
アルズライズが呻くように呟いた。
さすが古代技術。凄まじい音を立てて叩いてくるが、防火扉はヘコみもしない。防火じゃなくて防御だったか?
一息するのもそこそこにさらに奥へ向かい、扉を閉めていく。
「サイルスさん、オレです。仮拠点に向かっています。あと五分くらいで到着します」
途中で扉が閉めてあり、ロスキートが一匹惨殺されていた。おそらくEARで撃ち殺したんだろう。
「わかりました。途中、ロスキートを閉じ込めた場所があるので気をつけてください」
プランデッドの使い方を覚えたエルフが応えてくれた。ごめん。まだエルフの名前覚えてないんです。
「了解」
扉には小ドアがついており、閉めても鍵はかけないようにしてある。ゴブリンやロースランの知能では開けられない構造になっているからだ。
「ビシャ。奥にロスキートが二匹いる。倒せ」
「了解!」
この中で最速なのがビシャだ。ロスキートが二匹いても問題はないだろう。
アルズライズにロックを外してもらい、二十センチくらい開けたらフラッシュグレネードを放り込んだ。
爆発してロスキートの鳴き声がしたらビシャを突入させる。
「仕留めたよ!」
十秒もしないてビシャの報告。ラットスタットを使ったとは言え、秒殺とか末恐ろしい子である……。
「ご苦労さん。よくやった。偉いぞ」
褒めて欲しそうなビシャの頭をわしわしして褒めてやる。ほんと、中身は子供なんだから。
それ以上はロスキートはおらず、仮拠点までやってきた。
「サイルスさん。負傷者はいますか?」
「いない。全員無事だ。ただ、洞窟に逃げる前にロスキートの群れに塞がれてしまったよ」
「ロスキートってこんなに群れるものなんですか?」
軽く三百匹は集まってきた勢いだぞ。あれだけいたら脅威どころか災害だろう。
「いや、あんなに群れたりはしない。群れても精々二、三匹。あいつらは基本、単独行動をするからな」
それがこれだけ集まるとか王──虫の場合、女王か? 女王が立って集結したとかか?
「今年は特に雪が多いし、南でも降って逃げてきたのかもしれんな。ここは冬を越すのに適していそうだし」
ったく。とんでもないときにこさせやがって。わざとだったら覚えてろよ、クソ女神が。
「すぐに出発しようと思うんですが、大丈夫ですか?」
イチゴが外にいてロスキートたちを引きつけていてくれる。チャンスは今でしょう。
「ルンが切れかかっている。補充してやってくれ」
そういやマイズ以外はEARだった。よく切れなかったこと。
ルンとマガジンを取り寄せてやり、食料も足りなくなっていたので遅めの昼食を摂った。
時間は十五時になり、仮拠点を出発する。
洞窟までは距離にして約三キロ。二キロは地下を移動して安全にいけるが、残り一キロは地上をいかなくちゃならない。
地下から出て動体反応を探ると、発着場辺りにローダーが二匹。団地周辺に五匹が散らばっていた。
「ロスキートはイチゴが引き連れて、ロースランの巣があったところにいます」
スケッチブックに地図を描いてローダーの位置とロスキートの位置を示した。
「全員で動くのは目立つな。まずは脚の早いヤツを洞窟に向かわせよう。上手く引きつけられたらローダーの背後を取れるだろう」
ここからは指揮と作戦はサイルスさんにお任せ。オレ、五人以上を指揮するとか無理なんで。
「マイズ、ライド、ログ、メビでいけ。タカト、RPG-7を二つ持たせてくれ」
RPG-7を二基と弾頭を四発渡した。
「メビ。EARじゃ火力不足だ。重いが、リンクスを持っていけ。カインゼルさん。メビにアポートポーチを渡してください」
力ならオレより上。アポートポーチさえあれば他の荷物はいらないだろうよ。
反対する者はいないのですぐに建物から先陣が飛び出した。
プランデットでローダーの位置を教えながら先陣を誘導するが、団地と洞窟の間は百メートルくらいなにもない。さすがに発着場辺りにいたローダーに気がつかれてしまった。
「第二陣。タカトとアルズライズ、ビシャだ。洞窟の前にいるローダーは必ず倒せ」
了解と答えて飛び出した。
オレもアルズライズもリンクスを抱えている。RPG-7はビシャに持ってもらってます。
オレに合わせて走っているので疾走まではいかないが、先陣が引きつけてくれているので団地から出れた。
先陣は上手く洞窟まで辿り着けたのだろう、ローダーが壁に鎌を立てていた。
「アルズライズ。オレは左をやる」
「了解。右は任せろ」
ローダーまで八十メートルくらいのところで腹這いとなり、狙撃体勢を取った。
狙いを定めて引き金を引く──。
──ビービービービー!
いきなりのレッドアラート。
なにがなんだかわからないままにチートタイムスタート。アルズライズとビシャを抱えて逃げ出した。
あとで寝込もうが構わない。全力で走り、壁を登り、発着場に逃げ込んだ。
チートタイム中なのに息切れが激しすぎる。全速力で百メートル走ったより辛いぞ。
なんとか息を整え、アルズライズになにが現れたと問おうとしたら頭を押さえられて床に張りつけられた。
「声を出すな。あそこだ」
頭から手を退かされ、驚愕するアルズライズが見る方向に目を移して絶句した。
洞窟の前に緑色のバケモノがいた……。
「……グロゴールだ……」
アルズライズが呻くように呟いた。
0
あなたにおすすめの小説
レベル1のフリはやめた。貸した力を全回収
ソラ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ち、ソラ。
彼はレベル1の無能として蔑まれ、魔王討伐を目前に「お前のようなゴミはいらない」と追放を言い渡される。
だが、傲慢な勇者たちは知らなかった。
自分たちが人間最高峰の力を維持できていたのは、すべてソラの規格外のステータスを『借りていた』からだということを。
「……わかった。貸していた力、すべて返してもらうよ」
契約解除。返還されたレベルは9999。
一瞬にして力を失い、ただの凡人へと転落しパニックに陥る勇者たち。
対するソラは、星を砕くほどの万能感を取り戻しながらも、淡々と宿を去る。
静かな隠居を望むソラだったが、路地裏で「才能なし」と虐げられていた少女ミィナを助けたことで、運命が変わり始める。
「借金の利息として、君を最強にしてあげよう」
これは、世界そのものにステータスを貸し付けていた最強の『貸与者』が、不条理な世界を再定義していく物語。
(本作品はAIを活用して構成・執筆しています)
リストラされた42歳、確率の向こう側へ。~なぜか俺の選択肢がすべて正解になる件~
RIU
ファンタジー
「君には今月いっぱいで席を空けてもらいたい」 42歳、独身、社畜。会社のために尽くしてきた柏木誠は、理不尽な理由でリストラされた。 絶望の中、雨の神社で野良猫を助けた彼は、不思議な光と共に【確率固定】という異能――「無意識に正解を選び続ける豪運」を手に入れる。
試しに買った宝くじは10億円当選。 復讐心に燃える元上司を袖にし、元天才投資家の美女をパートナーに迎えた柏木は、その豪運で現代社会を無双していく。
「俺の選択に間違いはない。なぜなら、確率の方が俺に合わせるからだ」
枯れたおじさんが資産と余裕を手に入れ、美女たちに頼られながら、第2の人生を謳歌する痛快サクセスストーリー!
ウルティメイド〜クビになった『元』究極メイドは、素材があれば何でも作れるクラフト系スキルで魔物の大陸を生き抜いていく〜
西館亮太
ファンタジー
「お前は今日でクビだ。」
主に突然そう宣告された究極と称されるメイドの『アミナ』。
生まれてこの方、主人の世話しかした事の無かった彼女はクビを言い渡された後、自分を陥れたメイドに魔物の巣食う島に転送されてしまう。
その大陸は、街の外に出れば魔物に襲われる危険性を伴う非常に危険な土地だった。
だがそのまま死ぬ訳にもいかず、彼女は己の必要のないスキルだと思い込んでいた、素材と知識とイメージがあればどんな物でも作れる『究極創造』を使い、『物作り屋』として冒険者や街の住人相手に商売することにした。
しかし街に到着するなり、外の世界を知らない彼女のコミュ障が露呈したり、意外と知らない事もあったりと、悩みながら自身は究極なんかでは無かったと自覚する。
そこから始まる、依頼者達とのいざこざや、素材収集の中で起こる騒動に彼女は次々と巻き込まれていく事になる。
これは、彼女が本当の究極になるまでのお話である。
※かなり冗長です。
説明口調も多いのでそれを加味した上でお楽しみ頂けたら幸いです
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
結婚結婚煩いので、愛人持ちの幼馴染と偽装結婚してみた
夏菜しの
恋愛
幼馴染のルーカスの態度は、年頃になっても相変わらず気安い。
彼のその変わらぬ態度のお陰で、周りから男女の仲だと勘違いされて、公爵令嬢エーデルトラウトの相手はなかなか決まらない。
そんな現状をヤキモキしているというのに、ルーカスの方は素知らぬ顔。
彼は思いのままに平民の娘と恋人関係を持っていた。
いっそそのまま結婚してくれれば、噂は間違いだったと知れるのに、あちらもやっぱり公爵家で、平民との結婚など許さんと反対されていた。
のらりくらりと躱すがもう限界。
いよいよ親が煩くなってきたころ、ルーカスがやってきて『偽装結婚しないか?』と提案された。
彼の愛人を黙認する代わりに、贅沢と自由が得られる。
これで煩く言われないとすると、悪くない提案じゃない?
エーデルトラウトは軽い気持ちでその提案に乗った。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
異世界へ行って帰って来た
バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。
そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。
魔法が使えない落ちこぼれ貴族の三男は、天才錬金術師のたまごでした
茜カナコ
ファンタジー
魔法使いよりも錬金術士の方が少ない世界。
貴族は生まれつき魔力を持っていることが多いが錬金術を使えるものは、ほとんどいない。
母も魔力が弱く、父から「できそこないの妻」と馬鹿にされ、こき使われている。
バレット男爵家の三男として生まれた僕は、魔力がなく、家でおちこぼれとしてぞんざいに扱われている。
しかし、僕には錬金術の才能があることに気づき、この家を出ると決めた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる