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422 決戦3(*ミシニー*)
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まただ。また機会を逃した。なんでわたしはこんなにも間が悪いんだろう。
一度ならず二度までも。わたしはどこまで愚かなんだ。まだマイセンズでの戦いは終わってなかったというのに終わったと勘違いして、タカトの側から離れてしまった。
やっと見つけた仲間。気のいい仲間。わたしといても死なない仲間。タカトもアルズライズもわたしから離れなかったのに、わたしから離れてしまうとか怒りで爆発しそうだ。
昔からわたしは間が悪った。仲間ができてもすぐ失ってしまう。いつも一人で生き残ってしまう。
すべてがすべてわたしの責任ではないとは言え、気に入った仲間ほどすぐに死んでしまうのだ。
死滅の魔女。まったくその通りすぎて笑えてくる。
だが、タカトと出会ってから変わった。その忌み名が疎ましくなった。
タカトは初めて会ったときから変な男だった。エルフを知らず、巨人の女の子を連れ、ゴブリンを狩って生きている。この世と思えない酒や見たこともない武器を使い、たった二人でゴブリンの王を倒す始末だ。
一見して強いと思えない雰囲気で、体格もよくない。町の男となんら変わらない普通の男だった。
いや、普通の男ではなかったな。わたしを見ても驚くだけで欲情もしない。薄着になっても、無防備に寝ていてもなにもしない。少女趣味(巨人だけど)かと思ったが、そんな感じもしない。じゃあ、同性趣味かと言えばそうでもない。一応、わたしを女として見ていたからな。
よくわからない男は、いつまで経ってもわたしに会いにこようとしない。
女として見られたくないと思いながら、女としての矜持を踏みにじられた気になるから我ながら面倒な女だと思うよ。
こちらから会いにいけば「忘れてた!」みたいな顔をする始末。ほんと、いい度胸である。
これでも銀印として名を挙げ、金印になれとせがまれるほどの冒険者だ。なのに、タカトはそんなこと知らないとばかりに普通に接してくる。わたしが女に見えてないくらい自然にだ。
まあ、それならそれで構わない。女としての矜持がちょっとムズムズするが、普通に接してくれる相手がいるのは嬉しいものだ。もう長いことこんな相手はいなかったのだからな。
タカトは仕事仲間としては最高だ。こちらのことを縛らないし、自由でいろって態度なのだ。
ゴブリンの報酬は素晴らしく、その報酬で買えるものも素晴らしすぎて、町で金を使うのは宿代くらい。いつの間にかゴブリンを狩るのが本業になってしまったくらいだ。
ゴブリンなど雑魚で、ただただ醜いだけの生き物。よくは見るが、狩ろうとも思わない風景の一部だ。なのに、ゴブリン駆除請負員となり、ゴブリンを狩っている日々が楽しくて仕方がなかった。
タカトたちと行動をともにし、一緒に酒を飲み、安心して酔い潰れる。ああ、ここが自分の居場所なんだと思えてしまった。
いや、わたしの居場所。死滅の魔女のあだ名が誇らしく思える場所。失ってはいけない場所なのだ。
「グロゴールって竜がマイセンズに現れたそうよ」
コラウスに帰るなりミサロから聞かされた。
はぁ? グロゴール? 緑の悪魔が現れた? 意味がわからない。
グロゴールのことは耳にしたことはある。南のほうで暴れ回ったとされる竜で、何年かしてウワサに上がらなくなったことからどこかに去ったのではないかと言われていた。
「タカトはそういうのを引きつける運命なんでしょうね」
ミサロの言うとおり、タカトはいつも不幸なことばかりに遭っている。神の使徒たる身だ。それは仕方ないことだろう。女神様としてものんびりさせるためにタカトを遣わしたわけじゃないんだからな。
それを理解していてわたしはタカトの側から離れるのだからマヌケすぎる。
だが、タカトならすぐに戦闘に突入することはない。異常に思えるくらい慎重に動く男だ。グロゴールの動きや弱点を見つけるまでは動かないだろう。
「わたしもマイセンズにいく。マンダリンを借りるぞ」
初めて乗るものだが、風を操る乗り物であり、プランデットの扱い方はタカトから教わった。文字もわかる。飛んでしまえば制御できる。
ミサロから簡単な説明を受けてコラウスを発った。
凄まじい速度だが、充分制御できる。五日の距離を半日で到達。アシッカで状況を聞いた。
「まだ探っている段階みたいです」
支部にいたシエイラはあまり詳しい状況はわからないらしい。ミリエルがセフティーホームに詰めているようで、探っているとしか報告がきてないようだ。
「そうか。なら、まだ間に合うな。わたしはマイセンズに向かう」
「マスターをお願いします」
タカトを狙っている女だが、心配しているのはわたしと同じ。願うように言ってきた。
「任せろ。タカトはシエイラみたいな女が支えたほうがいいからな」
恋愛感情はない。とも言えないが、結ばれるなら同種のほうがいい。我ながら古くさい考えをしていると思うが、人間と同化しようとしている連中とは相成れない。同種婚が一番だとわたしは思うのだ。
砦まではパイオニアで送っもらい、ラダリオンに状況を、と思ったらラダリオンもセフティーホームに詰めているそうだ。
……あの三人もタカトを大切に思う連中だからな……。
女運がいいのか悪いのか、クセのある女ばかりに好かれる男だよ。
「まっ、わたしもクセのある女だけどな」
一晩休んだら洞窟に向かった。
大丈夫。間の悪いわたしだが、ここぞというときには役に立つということを見せてやる。死滅の魔女をナメるなよ!
一度ならず二度までも。わたしはどこまで愚かなんだ。まだマイセンズでの戦いは終わってなかったというのに終わったと勘違いして、タカトの側から離れてしまった。
やっと見つけた仲間。気のいい仲間。わたしといても死なない仲間。タカトもアルズライズもわたしから離れなかったのに、わたしから離れてしまうとか怒りで爆発しそうだ。
昔からわたしは間が悪った。仲間ができてもすぐ失ってしまう。いつも一人で生き残ってしまう。
すべてがすべてわたしの責任ではないとは言え、気に入った仲間ほどすぐに死んでしまうのだ。
死滅の魔女。まったくその通りすぎて笑えてくる。
だが、タカトと出会ってから変わった。その忌み名が疎ましくなった。
タカトは初めて会ったときから変な男だった。エルフを知らず、巨人の女の子を連れ、ゴブリンを狩って生きている。この世と思えない酒や見たこともない武器を使い、たった二人でゴブリンの王を倒す始末だ。
一見して強いと思えない雰囲気で、体格もよくない。町の男となんら変わらない普通の男だった。
いや、普通の男ではなかったな。わたしを見ても驚くだけで欲情もしない。薄着になっても、無防備に寝ていてもなにもしない。少女趣味(巨人だけど)かと思ったが、そんな感じもしない。じゃあ、同性趣味かと言えばそうでもない。一応、わたしを女として見ていたからな。
よくわからない男は、いつまで経ってもわたしに会いにこようとしない。
女として見られたくないと思いながら、女としての矜持を踏みにじられた気になるから我ながら面倒な女だと思うよ。
こちらから会いにいけば「忘れてた!」みたいな顔をする始末。ほんと、いい度胸である。
これでも銀印として名を挙げ、金印になれとせがまれるほどの冒険者だ。なのに、タカトはそんなこと知らないとばかりに普通に接してくる。わたしが女に見えてないくらい自然にだ。
まあ、それならそれで構わない。女としての矜持がちょっとムズムズするが、普通に接してくれる相手がいるのは嬉しいものだ。もう長いことこんな相手はいなかったのだからな。
タカトは仕事仲間としては最高だ。こちらのことを縛らないし、自由でいろって態度なのだ。
ゴブリンの報酬は素晴らしく、その報酬で買えるものも素晴らしすぎて、町で金を使うのは宿代くらい。いつの間にかゴブリンを狩るのが本業になってしまったくらいだ。
ゴブリンなど雑魚で、ただただ醜いだけの生き物。よくは見るが、狩ろうとも思わない風景の一部だ。なのに、ゴブリン駆除請負員となり、ゴブリンを狩っている日々が楽しくて仕方がなかった。
タカトたちと行動をともにし、一緒に酒を飲み、安心して酔い潰れる。ああ、ここが自分の居場所なんだと思えてしまった。
いや、わたしの居場所。死滅の魔女のあだ名が誇らしく思える場所。失ってはいけない場所なのだ。
「グロゴールって竜がマイセンズに現れたそうよ」
コラウスに帰るなりミサロから聞かされた。
はぁ? グロゴール? 緑の悪魔が現れた? 意味がわからない。
グロゴールのことは耳にしたことはある。南のほうで暴れ回ったとされる竜で、何年かしてウワサに上がらなくなったことからどこかに去ったのではないかと言われていた。
「タカトはそういうのを引きつける運命なんでしょうね」
ミサロの言うとおり、タカトはいつも不幸なことばかりに遭っている。神の使徒たる身だ。それは仕方ないことだろう。女神様としてものんびりさせるためにタカトを遣わしたわけじゃないんだからな。
それを理解していてわたしはタカトの側から離れるのだからマヌケすぎる。
だが、タカトならすぐに戦闘に突入することはない。異常に思えるくらい慎重に動く男だ。グロゴールの動きや弱点を見つけるまでは動かないだろう。
「わたしもマイセンズにいく。マンダリンを借りるぞ」
初めて乗るものだが、風を操る乗り物であり、プランデットの扱い方はタカトから教わった。文字もわかる。飛んでしまえば制御できる。
ミサロから簡単な説明を受けてコラウスを発った。
凄まじい速度だが、充分制御できる。五日の距離を半日で到達。アシッカで状況を聞いた。
「まだ探っている段階みたいです」
支部にいたシエイラはあまり詳しい状況はわからないらしい。ミリエルがセフティーホームに詰めているようで、探っているとしか報告がきてないようだ。
「そうか。なら、まだ間に合うな。わたしはマイセンズに向かう」
「マスターをお願いします」
タカトを狙っている女だが、心配しているのはわたしと同じ。願うように言ってきた。
「任せろ。タカトはシエイラみたいな女が支えたほうがいいからな」
恋愛感情はない。とも言えないが、結ばれるなら同種のほうがいい。我ながら古くさい考えをしていると思うが、人間と同化しようとしている連中とは相成れない。同種婚が一番だとわたしは思うのだ。
砦まではパイオニアで送っもらい、ラダリオンに状況を、と思ったらラダリオンもセフティーホームに詰めているそうだ。
……あの三人もタカトを大切に思う連中だからな……。
女運がいいのか悪いのか、クセのある女ばかりに好かれる男だよ。
「まっ、わたしもクセのある女だけどな」
一晩休んだら洞窟に向かった。
大丈夫。間の悪いわたしだが、ここぞというときには役に立つということを見せてやる。死滅の魔女をナメるなよ!
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