ダメ女神からゴブリンを駆除しろと命令されて異世界に転移させられたアラサーなオレ、がんばって生きていく!

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455 ワイニーズ討伐依頼

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 朝の九時にミジア男爵が広場に現れた。

 お供するのは兵士二人。それでいいのかと思ったが、少数のほうが小回りできて、魔物が出ても逃げやすいそうだ。

 マイヤー男爵領まで約二十キロ。馬で走れば大体二時間くらいで到着できた。

 顔パスで城壁を潜り、ミジア男爵が門番に事情を話し、オレとロウルさんでマイヤー男爵の館に向かった。

 マイヤー男爵は伯爵並みの領地と城を持ち、兵士の数もかなり多い。前にきたとは気にもしなかったが、伯爵並みに力を持った男爵だよな、これは……。

 使用人の数も多い。かなり豊かな領地のようだ。

「コレン様。時間をいただきありがとうございます」

 部屋に現れたのは五十くらいの細身の男性だ。この人は武力じゃなく文治で領地を治めているタイプだ。

「構わぬ。大まかなことは手紙に書いてあったが、詳しいことを教えてくれ」

「ロウル。説明を」

 ここでも説明はロウルさんに任せる。見た目的にオレは若造だ。ベテラン感を出したロウルさんが話すほうが説得力があるならな。

「……なるほど。これは加わらんと取り残されそうだな」

 さすがと言うべきか、街道整備で得られる利をよくわかっている口振りだ。

「はい。詳しいことはこれからですが、馬車が通れるだけの道はできました。これから暖かくなればコラウスの商人はアシッカに向けて出発するでしょう。そうなればマイヤー男爵領の商人も動くはず。物流が活発になります。コレン様からも商人にお口添えいただければ幸いです」

「わかった。話を通しておこう。コラウスの領主代理殿にも手紙を書く。届けてくれ」

「畏まりました」

 なかなか話のわかる人でよかった。ちゃんと利を理解してくれ、利で動いてくれる。これなら領主代理をサポートしてくれるだろうよ。

「ときに、そなたは以前、ワイニーズを倒した男か?」

 へー。以前のこと、ちゃんと調べていたんだ。さすがだな。

「前過ぎてもう記憶すら残ってませんが、倒した記憶はあります」

 グロゴールのインパクトが強すぎてワイニーズなんて雑魚としか思えないよ。まあ、だからって素手で戦えと言われたら全力ダッシュで逃げ出すがな。

「討伐依頼を受けてくれぬか?」

「それは冒険者の領分です。まず冒険者ギルドを通すべきでしょう」

 春になって他所にいった冒険者も帰ってくるはず。あ、そういえばロンダリオさんたち、どうした? アシッカや砦にはいなかったけど? まだゴブリンを狩っているのか?

「コラウスの冒険者ギルドに依頼は出したが、受けてくれる者はまだいない。こちらとしてもこのまま放っておくこともできぬ。どうか受けてくれぬだろうか?」

 うーん。男爵自らのお願いを無視するわけにはいかないか~。

「わかりました。コラウスに戻ったら依頼を受けましょう。一応、オレも冒険者ギルドにも属しています。冒険者ギルドに筋は通せるはずです」

 職員待遇の木札持ちの銀印冒険者。すっかり忘れていました~。

「助かる。ワイニーズの情報は渡してある。確認してくれ。もし、わからぬことがあるならわたしのところを訪れてくれ。話は通しておく」

 本当に話のわかる人だ。男爵ながら伯爵並みの領地なのも頷けるよ。

「はい。オレたちはマイヤー男爵領に一泊します。出発前にまた城にお邪魔させていただきます」

「うむ。それまでに手紙をしたためよう」

 話し合いはあっさり終わり、オレとロウルさんは部屋をあとにし、皆のところに戻った。

「オレとロウルさん、サイオは一泊します。残りはコラウスに戻ってくれ」

 ここからなら暗くなる前にはコラウスに到着できる。他は用はないのだから帰ってもらって構わないさ。

「シエイラ。ラダリオン。頼むな」

「はい。サイオさん、マスターに無理させないように。一人にすると厄介事に巻き込まれる人ですから」

 否定できないのが悲しいです。

「わかった。ちゃんと見張っておくよ」

 お守りされるギルドマスター。それがオレ。威厳とかまるでなし!

「ロウルさん。商人たちへの根回し、お願いしますよ」

 他の商人から根回しを託されるロウルさん。セフティーブレットに欲しい人材だよな。

 皆とはそこで別れ、ロウルさんは一人で知り合いのところへ。オレは魔石屋に向かった。

 暖かくなったからか、前にきたときより人の往来が激しくなっており、ちらほらと冒険者らしき集団が目に入った。

「コラウスの冒険者か?」

「他所からきた冒険者ですね。コラウスは魔物が多い地。春になると一攫千金を求めて各地から集まってくるんですよ」

 へー。ゴールドラッシュみたいなものか。まあ、言ってみただけでゴールドラッシュのことなんかよー知らんけどな。

「生き残れるのは?」

「半分、と言ったところですかね」

 そんなところにいくヤツも、そんなところで生きているヤツも、オレには理解できないよ。

 魔石屋がある横丁にも人が多く、魔石屋にも人がいた。

 しばらく待って魔石屋に入る。

「お久しぶりです、ジュリアンヌさん」

 名前に似合わぬ老婆に挨拶をした。

「ヒヒッ。いらっしゃい。再会できて嬉しいよ」

 相手が老婆とは言え、生きて再会できるのは嬉しいものだな。
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