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1章
3. クロノスの乙女
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「セナ隊長、ご機嫌よう」
「……」
憲兵師団の各隊長との打ち合わせを済ませ、自分の執務室のドアを開けた途端、セナは優雅な淑女の礼で迎えられた。
部屋の主がいないにもかかわらず、我が物顔で待ち構えていたのは、1年前までセナの部下だった侯爵令嬢だ。
「つい数日前にも会ったばかりだが、また来たのか……」
実は入室前から、部屋に居ることは気配で分かっていた。頻繁に元職場に顔を出す招かれざる客に、うんざりと半目になるセナとは対照的に、背後から弾んだ声を出したのは、会議に同席していた副官のアーチーだ。
「アイリーン! 来てくれて嬉しいよ、相変わらず美しいね」
「アーチー、お疲れさま。わたくしも貴方に会えて嬉しいわ」
労るようにアイリーン・ゼロン侯爵令嬢……改め、今は結婚してストロークに姓が変わった元部下が、にっこりと夫に微笑む。
そう、この二人。半年ほど前に結婚した夫婦であった。毎日家で顔を合わせているだろうに、何を惚気合っているんだろうか。
愛妻の職場訪問に、アーチーの機嫌は一気に上昇した。先程の会議で隊長のセナに代わって、辛辣に他部署の隊長達と予算の駆け引きをしていた男と同一人物とは思えない。
「セナ隊長も。可愛い元部下にまた会えて、もちろん嬉しいですわよね? わたくしもですわ」
ゆったりとアイリーンがソファに座り直した。セナが眉間に皺を寄せて、うんざりとした表情を浮かべていてもどこ吹く風だ。
豪奢なアプリコットブロンドの髪に、コバルトブルーの瞳。猫のようなアーモンドアイと、その右目の下にある泣きぼくろが印象的な小悪魔系美人だ。
身なりも仕草も生粋の貴族令嬢で、出自の地位だけでいえば、この三人の中で一番身分が高いのは彼女である。それ故か少々自己中心的で我が強く、上司のセナの都合などまるっと無視するのはいつものことだった。
「で、今日の用件は?」
セナも慣れたもので、今さら口答えしても時間の無駄だと思い知っている。この夫婦は似たもの同士で、例え黒でも自分の都合に合わせて白と言い切るほど口達者なのだ。
「ナターシャと街の診療所を慰問した後、フレジュでお茶をしましたの。とても美味しそうな新作が出ていましたので、差し入れですわ」
「……」
「勿論それだけではなく、隊長の好きなブリュレもお持ちしましたわよ」
「……アーチー、メイドにお茶を頼んでくれないか」
「畏まりました」
セナの好みを熟知している元部下に、セナが太刀打ち出来るわけがなかった。
「クロノスの乙女である君が訪問したのなら、診療所の人達は大喜びだっただろうね」
妻が持参した差し入れを机に並べながら、アーチーは誇らしげに彼女を褒め称えた。
『クロノスの乙女』とは別名、『癒しの乙女』とも呼ばれる国の宝である。魔力とはまた違う、特殊な『時の力』を持った女性達のことだ。女子にしか発現せず、しかも希少。なのでその力を持った乙女達を、国はとても尊重していた。
怪我人を目の前にした時、彼女達に視えるのは時間の流れだ。負ってしまった傷がその発生時まで、スローモーションで逆戻りしていく過程が分かるのだという。
クロノスの乙女は、この逆行する力を使って怪我を治すことが出来た。破損部分を慎重にかき集め、元にあった場所に戻す。ポキリと綺麗に折れた骨ならまだしも、ひどく破損した臓器の治癒が難しいのは当然のことだ。粉々に砕けてしまった陶器が、どう頑張っても修復しようがないのと同じことなのだから。
しかも遡れる時間は怪我の発生から5日ほどが限界で、乙女の力には限度があった。それでも、負傷率の高い騎士団はもとより、救急救命の要として人々から頼りにされている。
アイリーンがクロノスの力に目覚めたのは偶然だった。幼馴染が怪我をした時、助けたい一心で覚醒したのだ。
上流階級の中でも特に名家であるゼロン侯爵家の娘であるアイリーンは、母親が王妃の親友だったこともあり、国王が溺愛する末王女ナターシャと仲が良かった。誕生がたった半年違いということもあり、ただの幼馴染というより乳姉妹のように育ったといってもいい。
ある時、ナターシャとアイリーンがかくれんぼをして王庭で遊んでいると、王女が過って怪我をしたことがあった。知らず突き出ていた尖った枝に引っ掛けて、ナターシャの二の腕が思いの外ざっくりと切れてしまったのだ。
初めて体験する痛みにナターシャは泣きじゃくり、ドクドクと溢れ出る血に、アイリーンもパニックになった。こんな時に限っていつも目を光らせているお付きの者は近くにいないし、どうしたらいいのか分からない。
とにかく血が、血が止まればいいのに!
必死に祈ったその時だった。アイリーンには視えたのだ。ナターシャのぱっくり裂けた皮膚が、ゆっくりと元に戻っていく様子が。それが時間が逆行しているのだとは知らずに、けれど自然に溢れ出る自身の未知の力を頼りに全神経を傷口に集中させる。
あともう少し。
途切れそうになる精神力をかき集めて、逆行した時をそのまま固定する。開いていた傷が徐々に塞がり、元通りになった頃、ようやく異変に気付いた世話係が駆け寄ってきた。
自分の傷が跡形もなく消えたことに驚愕するナターシャと、自分のしたことに呆然とするアイリーン。二人は暫く声すら出なかったが、やがて、目を見合わせてクスクスと笑い出した。
まさかアイリーンが、『クロノスの乙女』だったなんて。
それからのアイリーンは、クロノスの加護を使いこなすために訓練が課せられ、覚えるのにそれなりの時間を要した。あまり真面目な生徒ではなかったのだ。
加護持ちゆえに魔法省への登録は必須だったが、侯爵令嬢なので特に必死になって働く必要はない。せいぜい月に一回の養護院への訪問ぐらいが義務だ。それでも成長して正式に省務めすることを決めたのは、単に面白そうだったから。未知の体験の連続に、平凡だった日常生活は一変した。
魔法省は建前では、出自に関係なく実力主義になっている。それでも高位貴族の娘に、下っ端の泥臭い仕事を回すはずがなかった。かなり優遇されているにもかかわらず、アイリーンは働き始めてすぐに、さらなる傲慢な野望を抱いた。
女性の、女性による、女性のための部隊。
この高貴なわたくしが働いてあげるのだから、わたくしに相応しい部署があるべきだわ。
それまでクロノスの乙女は、王都の南北東西に設置されている憲兵師団に直接所属していた。
四獣士団とも、四銃士団とも呼ばれている、北守の『玄武』、南守の『朱雀』、西守の『白虎』、東守の『青龍』の各師団のことである。そこで地域の救急隊員として派遣されたり、もしくは遠征がある際は衛生班として随行するのである。
中央の宮殿内にある総本部が『麒麟』で、四師団を統括し、魔法や魔道具の開発管理と、王族の警備にあたる近衛隊を配置していた。
その『麒麟』の直下に女子隊を設立し、女性主導でクロノスの乙女や女性魔剣士を管理すべきというのがアイリーンの主張であった。
各部隊には派遣という形で出向くことにし、けれど所属先はあくまでも女子隊なので、横柄な男性上司や同僚に気を揉むこともない。情報を共有して、男性隊員による嫌がらせにも断固として対抗する。
入省したての新入りにもかかわらず、アイリーンには目標達成のための確固たる自信があった。権力という名の、絶大なる後ろ盾が。
女子隊成立に必要な役者は全て揃っていた。王妃やナターシャ王女といった最大支援者を含め、王宮の女性陣が満場一致で初代隊長に推薦したい憧れの女性がすでに存在したのだ。
それが当時、主に王妃の護衛にあたっていたセナ・マクウェル少佐である。
当時22歳。アイリーンより4歳年上の男装の麗人は、そんじょそこらの男より格段に強かった。血塗れの死神が舞っているようだと称されるほど、その戦う姿は優美だという。その若さで、というよりも、女性で少佐になれることすら快挙なのに、近く昇進の噂まであった。
その彼女に、相応しい舞台を。
こうして一人の侯爵令嬢の弛まぬ努力──というよりごり押しに近い尽力により、女子隊は設立された。それが今から4年前のことである。
通称、『三毛猫隊』
何故、三毛猫なのか。それはアイリーンが、隊の設立記念にオリジナルのチャレンジコイン、仲間の結束と士気の向上を願うコインをピンバッジにして配布したからだ。大の猫好きの彼女の意向で、そのモチーフは猫になってしまった。
さらにクロノスの乙女の、制服の袖章になっている色が、黒・白・赤の三本線だったことにも由来する。黒白は光と闇。つまり朝と夜、朝日と夕日を意味し、時の流れを象徴している。赤は血の色だ。その三色が、遺伝的にほぼメスしか生まれない三毛猫を連想させて、誰が言い始めたのか、いつの間にか三毛猫隊の名前が定着してしまった。
そんな愛らしい『三毛猫隊』の初代隊長は、もちろん、愛らしさの欠片もない超男前のセナ・マクウェル魔剣士だ。
隊長任命と共に、彼女は女性で初めて大佐にまで昇格されたのだった。
「……」
憲兵師団の各隊長との打ち合わせを済ませ、自分の執務室のドアを開けた途端、セナは優雅な淑女の礼で迎えられた。
部屋の主がいないにもかかわらず、我が物顔で待ち構えていたのは、1年前までセナの部下だった侯爵令嬢だ。
「つい数日前にも会ったばかりだが、また来たのか……」
実は入室前から、部屋に居ることは気配で分かっていた。頻繁に元職場に顔を出す招かれざる客に、うんざりと半目になるセナとは対照的に、背後から弾んだ声を出したのは、会議に同席していた副官のアーチーだ。
「アイリーン! 来てくれて嬉しいよ、相変わらず美しいね」
「アーチー、お疲れさま。わたくしも貴方に会えて嬉しいわ」
労るようにアイリーン・ゼロン侯爵令嬢……改め、今は結婚してストロークに姓が変わった元部下が、にっこりと夫に微笑む。
そう、この二人。半年ほど前に結婚した夫婦であった。毎日家で顔を合わせているだろうに、何を惚気合っているんだろうか。
愛妻の職場訪問に、アーチーの機嫌は一気に上昇した。先程の会議で隊長のセナに代わって、辛辣に他部署の隊長達と予算の駆け引きをしていた男と同一人物とは思えない。
「セナ隊長も。可愛い元部下にまた会えて、もちろん嬉しいですわよね? わたくしもですわ」
ゆったりとアイリーンがソファに座り直した。セナが眉間に皺を寄せて、うんざりとした表情を浮かべていてもどこ吹く風だ。
豪奢なアプリコットブロンドの髪に、コバルトブルーの瞳。猫のようなアーモンドアイと、その右目の下にある泣きぼくろが印象的な小悪魔系美人だ。
身なりも仕草も生粋の貴族令嬢で、出自の地位だけでいえば、この三人の中で一番身分が高いのは彼女である。それ故か少々自己中心的で我が強く、上司のセナの都合などまるっと無視するのはいつものことだった。
「で、今日の用件は?」
セナも慣れたもので、今さら口答えしても時間の無駄だと思い知っている。この夫婦は似たもの同士で、例え黒でも自分の都合に合わせて白と言い切るほど口達者なのだ。
「ナターシャと街の診療所を慰問した後、フレジュでお茶をしましたの。とても美味しそうな新作が出ていましたので、差し入れですわ」
「……」
「勿論それだけではなく、隊長の好きなブリュレもお持ちしましたわよ」
「……アーチー、メイドにお茶を頼んでくれないか」
「畏まりました」
セナの好みを熟知している元部下に、セナが太刀打ち出来るわけがなかった。
「クロノスの乙女である君が訪問したのなら、診療所の人達は大喜びだっただろうね」
妻が持参した差し入れを机に並べながら、アーチーは誇らしげに彼女を褒め称えた。
『クロノスの乙女』とは別名、『癒しの乙女』とも呼ばれる国の宝である。魔力とはまた違う、特殊な『時の力』を持った女性達のことだ。女子にしか発現せず、しかも希少。なのでその力を持った乙女達を、国はとても尊重していた。
怪我人を目の前にした時、彼女達に視えるのは時間の流れだ。負ってしまった傷がその発生時まで、スローモーションで逆戻りしていく過程が分かるのだという。
クロノスの乙女は、この逆行する力を使って怪我を治すことが出来た。破損部分を慎重にかき集め、元にあった場所に戻す。ポキリと綺麗に折れた骨ならまだしも、ひどく破損した臓器の治癒が難しいのは当然のことだ。粉々に砕けてしまった陶器が、どう頑張っても修復しようがないのと同じことなのだから。
しかも遡れる時間は怪我の発生から5日ほどが限界で、乙女の力には限度があった。それでも、負傷率の高い騎士団はもとより、救急救命の要として人々から頼りにされている。
アイリーンがクロノスの力に目覚めたのは偶然だった。幼馴染が怪我をした時、助けたい一心で覚醒したのだ。
上流階級の中でも特に名家であるゼロン侯爵家の娘であるアイリーンは、母親が王妃の親友だったこともあり、国王が溺愛する末王女ナターシャと仲が良かった。誕生がたった半年違いということもあり、ただの幼馴染というより乳姉妹のように育ったといってもいい。
ある時、ナターシャとアイリーンがかくれんぼをして王庭で遊んでいると、王女が過って怪我をしたことがあった。知らず突き出ていた尖った枝に引っ掛けて、ナターシャの二の腕が思いの外ざっくりと切れてしまったのだ。
初めて体験する痛みにナターシャは泣きじゃくり、ドクドクと溢れ出る血に、アイリーンもパニックになった。こんな時に限っていつも目を光らせているお付きの者は近くにいないし、どうしたらいいのか分からない。
とにかく血が、血が止まればいいのに!
必死に祈ったその時だった。アイリーンには視えたのだ。ナターシャのぱっくり裂けた皮膚が、ゆっくりと元に戻っていく様子が。それが時間が逆行しているのだとは知らずに、けれど自然に溢れ出る自身の未知の力を頼りに全神経を傷口に集中させる。
あともう少し。
途切れそうになる精神力をかき集めて、逆行した時をそのまま固定する。開いていた傷が徐々に塞がり、元通りになった頃、ようやく異変に気付いた世話係が駆け寄ってきた。
自分の傷が跡形もなく消えたことに驚愕するナターシャと、自分のしたことに呆然とするアイリーン。二人は暫く声すら出なかったが、やがて、目を見合わせてクスクスと笑い出した。
まさかアイリーンが、『クロノスの乙女』だったなんて。
それからのアイリーンは、クロノスの加護を使いこなすために訓練が課せられ、覚えるのにそれなりの時間を要した。あまり真面目な生徒ではなかったのだ。
加護持ちゆえに魔法省への登録は必須だったが、侯爵令嬢なので特に必死になって働く必要はない。せいぜい月に一回の養護院への訪問ぐらいが義務だ。それでも成長して正式に省務めすることを決めたのは、単に面白そうだったから。未知の体験の連続に、平凡だった日常生活は一変した。
魔法省は建前では、出自に関係なく実力主義になっている。それでも高位貴族の娘に、下っ端の泥臭い仕事を回すはずがなかった。かなり優遇されているにもかかわらず、アイリーンは働き始めてすぐに、さらなる傲慢な野望を抱いた。
女性の、女性による、女性のための部隊。
この高貴なわたくしが働いてあげるのだから、わたくしに相応しい部署があるべきだわ。
それまでクロノスの乙女は、王都の南北東西に設置されている憲兵師団に直接所属していた。
四獣士団とも、四銃士団とも呼ばれている、北守の『玄武』、南守の『朱雀』、西守の『白虎』、東守の『青龍』の各師団のことである。そこで地域の救急隊員として派遣されたり、もしくは遠征がある際は衛生班として随行するのである。
中央の宮殿内にある総本部が『麒麟』で、四師団を統括し、魔法や魔道具の開発管理と、王族の警備にあたる近衛隊を配置していた。
その『麒麟』の直下に女子隊を設立し、女性主導でクロノスの乙女や女性魔剣士を管理すべきというのがアイリーンの主張であった。
各部隊には派遣という形で出向くことにし、けれど所属先はあくまでも女子隊なので、横柄な男性上司や同僚に気を揉むこともない。情報を共有して、男性隊員による嫌がらせにも断固として対抗する。
入省したての新入りにもかかわらず、アイリーンには目標達成のための確固たる自信があった。権力という名の、絶大なる後ろ盾が。
女子隊成立に必要な役者は全て揃っていた。王妃やナターシャ王女といった最大支援者を含め、王宮の女性陣が満場一致で初代隊長に推薦したい憧れの女性がすでに存在したのだ。
それが当時、主に王妃の護衛にあたっていたセナ・マクウェル少佐である。
当時22歳。アイリーンより4歳年上の男装の麗人は、そんじょそこらの男より格段に強かった。血塗れの死神が舞っているようだと称されるほど、その戦う姿は優美だという。その若さで、というよりも、女性で少佐になれることすら快挙なのに、近く昇進の噂まであった。
その彼女に、相応しい舞台を。
こうして一人の侯爵令嬢の弛まぬ努力──というよりごり押しに近い尽力により、女子隊は設立された。それが今から4年前のことである。
通称、『三毛猫隊』
何故、三毛猫なのか。それはアイリーンが、隊の設立記念にオリジナルのチャレンジコイン、仲間の結束と士気の向上を願うコインをピンバッジにして配布したからだ。大の猫好きの彼女の意向で、そのモチーフは猫になってしまった。
さらにクロノスの乙女の、制服の袖章になっている色が、黒・白・赤の三本線だったことにも由来する。黒白は光と闇。つまり朝と夜、朝日と夕日を意味し、時の流れを象徴している。赤は血の色だ。その三色が、遺伝的にほぼメスしか生まれない三毛猫を連想させて、誰が言い始めたのか、いつの間にか三毛猫隊の名前が定着してしまった。
そんな愛らしい『三毛猫隊』の初代隊長は、もちろん、愛らしさの欠片もない超男前のセナ・マクウェル魔剣士だ。
隊長任命と共に、彼女は女性で初めて大佐にまで昇格されたのだった。
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