女公爵になるはずが、なぜこうなった?

薄荷ニキ

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11. 15の夜 ※R18

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「ハワード・フェルマー公爵が娘、カトレア嬢を、レオナルド王太子の婚約者とする」

 国王が高らかに宣言すると、会場は盛大な拍手で包まれた。その祝福に囲まれ、主役の二人がホールの中央へと進み出る。

「さあ皆のもの、今日は二人を祝し、大いに楽しんでくれ」

 レオナルド殿下がカトレアの手を取り、その甲に軽くキスを落としたのを合図に音楽が流れ出した。カトレアの淡いピンクのドレスが、二人がダンスする度に流れるように揺れてとても綺麗だった。縫い付けられた幾つもの宝石が、ライトに反射して煌びやかに光る。

 カトレアって、あんなに踊れたのね……

 つい姉心で妹の成長を喜んでしまう。実際はカトレアはデビュー前なので、ダンスの腕前は未知数だけれど。

 あの子、最近ちゃんと練習しているのかしら?

 そんな要らぬ心配をしていると、二人のダンスが終わって画面の中に自分が出てきた。

「これからは王妃教育で大変でしょうけど、貴方ならやり遂げると信じています。本当におめでとう。レオナルド殿下、不束な妹ですが、よろしくお願い致します」

 勿体ぶって祝辞を述べている。そしてまたすぐ消えた。本当に出番が少ない。

 脇役にしてもちょっと、この『げーむ』での私の立ち位置、酷くない……?

 その後、夜会も終盤に差し掛かった頃、王子の少し夜風に当たろうかとの提案に、カトレアは素直に頷いた。

 まるで月の光までが二人を祝福するかのように、キラキラと降り注ぐ。庭園一面に咲き誇る薔薇を背景に、二人の寄り添うシルエットが浮かび上がった。確かにとても綺麗な絵だった。

「ほう・・・」

 私の口から陶然としたため息が洩れる。

 だが楽しめたのも、そこまでだった……

「え……?」

 次の瞬間、何がどうなったのか、いきなり二人はどこかの部屋に転がるようになだれ込んだ。壁ドンして、そこで激しいキスを交わす。舌を絡め合い、唾液の交換をするような深いやつだ。くちゅ……という音が妙にリアルだった。

 ちょ、ちょっと待って。なぜいきなりこうなった? 

 混乱する私を置き去りに、加奈子は何故か、卑猥な選択肢ばかり選んでクリックしていった。

▶︎このまま突き進む

「今夜は君を公爵邸には帰さないよ」

 言いながら、殿下はカトレアの身体を弄った。なぜ彼が、複雑な結びのコルセットを易々と脱がせられるのかが不思議だ。

▶︎身体を褒める

「可愛いピンク色の乳首だね」

「いや、見ないで。お姉様みたいに豊かな胸ではないんですもの……恥ずかしいわ」

「これからだよ。揉めば大きくなると聞く。どれ、私が手伝ってあげよう……気持ちいいのかい? 先が尖ってきたよ」

「ああ……」

 いーーやーー。やめてーー。

 目の前で繰り広げられる痴態に、私はジタバタと悶絶した。作り手の意図か、やけに細部にまで拘った絵が生々しい。

「ふふ、処女のくせに淫らだね。ほら、すっかり濡れているのが分かるかい? 私の指に喜んで、こんなに絡みついてくる……」

「レオナルドさまぁ、私、もう……立っていられない……」

▶︎このまま続行

「後ろを向いて、壁に手をつきなさい。もっと足を開いて」

 初体験に立ちバックなんてもっての外だが、自身も未経験の加奈子は全く意に介さない。涼しい顔してこれでもかと、殿下と一緒になってさらなる卑劣の所業に突き進んでいく。

▶︎中出し

 ひぃーーーーーー
 私に何か、恨みでもあるの!?

 男女の営みは、もっと神聖なものだと思っていた。女性の秘めどころは、そう簡単に殿方に見せてはいけないと言われたのに。
 初潮を迎えた後、一応の閨教育は受けた。時が来たら、自然と男性の雄蕊が、女性の雌蕊にくっ付くのですと、先生は仰ったのにーー

 まるで実の妹を教材に、詳細な閨教育を受けている気分だ。

 殿下の雄蕊が、妹の雌蕊に激しく出入りしている。どころの話ではない。深々と、根元まで入り込んでいる。そんな所アップにしなくていいのに、ご丁寧に何度も何度も。角度を変えて。これでもかと見せつけてくる。
 二人の激しい喘ぎ声が半端ない。

 本当にもう、勘弁してーー

 実際の私の妹は、この前12歳の誕生日を迎えたばかりだ。この破廉恥なゲームの設定でも、確か14歳だったはず。
 幾ら婚期の早い私の世界でも、16歳前の、未成年の女性に手を出すのは御法度だった。

 公爵令嬢ルートのエンディングは、もちろん赤ん坊を抱いた二人の結婚式のスチルだった。『てへぺろ』と、爽やかに照れるレオナルド殿下が心底憎い。

 可愛いカトレアが王家に嫁ぐことは良しとしよう。公爵家の繁栄のためにも、願ったり叶ったりだ。だが14歳で妊娠、婚姻前に出産など淑女としてあり得ない。

 婚前交渉は絶対に許さない!

 姉としての責務を心に誓った、15の夜だった。


『本日の教訓』

 人間の男女の秘めどころ……雄蕊と雌蕊は、白く光っている。

 ーー規制による『ぼかし加工』なんて言葉、異世界の私が知る由もなかった。
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