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1人2役4

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履きなれないかわいい靴。
レースが沢山ついたワンピース。
まとめられた髪。
パッド3枚重ねた胸(驚きの枚数)
女に見えるとは思いません。
けれど、姫はお構い無し。

「お兄様!こちら私のお友達のアリアよ。」

大きな部屋の大きな扉をバンッと開けた瞬間に姫様は言いましたが……議会かなんか
始まってませんか?この時期に、この感じ…

「皆、アリアよ。私のお友達なの、仲良くしてね。では、失礼致しますわ。アリアいきましょう」

「あの…失礼いたしました。」

姫、空気をよもう!

「いい感触だったわ!さすがアリアよ!」

「私は何もしておりませんし…皆さん、ぎょっとしてましたが……」

「当たり前よ、女の人を連れてきたんですもの。まわりはお兄様がどうでるか…かなり注目していたわ。」

そりゃ、仕事中に入ってこられたら…驚きますよ。

「いつもなら、そく退場なのよ!それが無かったわ!」

王様が何か言う暇もなく、挨拶を終わりにしたからなのでは?

…とは申すまい……。

何か言えば言うほど、姫の謎計画に巻き込まれる気がするし。

既に1人3役…双子ならまだしも、全然違う女を演じさせられる…
バレれば即退場!

いま王様に真実を告げ、謝ったら…許しては貰えないだろうか……。

後になればなるほど、極刑へのゴールが近くなる。

「アリア、その格好とても素敵よ!」

「ありがとうございます」

パッド3枚もいれて作った胸…
こんな偽物の私のどこが素敵なのか教えてほしい。

ただ、これだけは言っておこう。
私は男ほどの肩幅はない!
どちらかというと、ヒョロっとした感じだ…

だから何……
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