上 下
45 / 68

A.S.A.P 3

しおりを挟む
「…『王様だから結婚したい』という女ばかりだったのに、そうじゃない女が現れたと思ったら『王様だから結婚したくない』と言う。王様なんて何も面白くはないな。」

もしかして、王様だって寂しい時があるのかな?いつも、メチャクチャ強気だけど。

「王様だから結婚したい…という人ばかりだったかわからないのに、なんで決めつけるの?」

あ…何となくわかったかも。

「本気で好きだった人が、実は自分が好きなんじゃなくて王妃になりたいから付き合っていた…そんな人がいたとかでしょ。」

ちょっと表情変わった気がする。きっと当たり。


「相手が寄ってきてる理由はそれなのかもしれないって思ったら、傷つきたくないから想いを寄せたくない。だから私なんでしょ。本当に失れ」
ダンッッ
私の話を遮るみたいにして、王様は机を強く殴った。

「っっ!?」 
「お前に…何がわかる。」
「わからないわ。全く。私は王様じゃないから。」

…何で私がそんな言い方されなきゃいけないのよ。開き直ったら何も怖くなくなってきた。もう言いたい事を言わせていただく!

「本当の事を言い当てられたから怒ってるんでしょ?『王様じゃない自分』に自信がないから…私みたいなのは調度いいってね。」

…気に入ってるのは、私が王様と『結婚したいと思ってない女』だから。

「王妃になりたくないって思ってる女は城下を探せば結構いるし、今度マアサ様と一緒に『お兄様探し』に行けばいいのよ。」

そして私はめでたくお兄様卒業!
しおりを挟む

処理中です...