この婚約、白紙に戻させていただきます

シンさん

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王城

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 城内では、レナードに沢山の護衛がついている。けど、逢魔が刻の森に護衛が付いてなかったのを考えると、レナードは魔道士よりも魔力は上って事だよね
 この結婚話は、王家の魔力強化が目的なのかも。それなら尚の事、結婚なんて冗談じゃない。


「着きました」

 案内された所は、大きな白い扉の前。
 この扉には見覚えがある。多分、森番を命じられた時と同じ部屋につながってる。

 その予想は当たってた。

 大きな部屋の1番奥にある玉座、そこに男が座っている。

「陛下、リュシルを連れてまいりました」
「ご苦労」

 レナードの父親は、私に森番を命じた王様と似てる。思い出したくないから、出来るだけ顔は見ないでおこう。

「リュシル、挨拶を」
「初めまして、リュシルです。ご機嫌取りをするつもりはないので、率直に言います。この腕輪を外してください」


 ガスパールと結婚するために、行儀や礼儀を色々覚えたけど、今はもう関係ない。

「君は勇気があるな。……というより、無知なのか」
「ええ。人里離れた森の奥で、4年……いえ50年近く暮らしていた田舎者ですから。それを知らないなら、貴方も無知では?」

 相手が王様だか何だか知らないけど、頭を下げる気なんて一切ない。私は、ガスパールと結婚したかったから命令を素直にきいていただけ。

「もう一度言います。この腕輪を外してください。私は誰とも結婚しません」
「リュシル、この腕輪の外し方は、どちらか片方が死ぬ以外ない」

 そんなの、私が信じると思ってるのかな。ガスパールとの結婚を餌にして、私を今日まで都合よく使っておいて。ううん、王だけが嘘をついていたんじゃないかもしれない。

「レナード、逢魔が刻の森は時間の流れが遅いって、ガスパールは知らなかったの?」
「……知っていたと思います」

 やっぱり。
 それなら、どうして森に入る前に、私とは結婚しないと言ってくれなかったの。
 私に夢見させたまま、他の女と結婚するなんて酷すぎる。

「私と貴方が結婚するのは、私の魔力を継ぐ子を手に入れたいからだよね。子を産ませた後は、また私を森の番人に戻すの?」
「そんな理由なら、俺は貴女と結婚しません」
「ガスパールと結婚する許可をくれると嘘をついた王様と、私を裏切って別の女と結婚したガスパール、どちらの血も貴方は引き継いでる。貴方もきっと、嘘つきなんでしょ」
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