この婚約、白紙に戻させていただきます

シンさん

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木偶人形2

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 王立図書館に来てみたものの、魔法についての本が4年前の半分もない。魔法を使えない人にとって、意味のない本だし、利用頻度が下がれば破棄されるか倉庫行きだよね。

「リュシル、食事にしましょう」
「貴方、意外と呑気なのね。お兄様があの状況なのに、早く何とかしたいと思わないの?」
「……」

 もしかして、あまり仲良くなかったのかしら。私には関係ないけどね。

「特質魔法は色々見てきたけれど、人を木偶人形にする魔法なんて聞いたことも無いわ。」

 特質魔物は使える人が限られているし、それがあったとしても魔力の少ない人が使える『特質』っていうのは、私でも出来る物が殆どなのよね。

 レナードの魔法は私には出来ないから、向き不向きはあるけど。

「貴方のお兄様にかけられた魔法は、レナードの方が治せる可能性が高いと思うわ。ルルをここに喚び出してみてくれる?」
「はい」

 黄ばんだ羊皮紙から、猫だか何だか微妙なルルが出て来た。頭を撫でようとしたら、パシっと猫パンチされてしまった。

「貴方の飼い猫は可愛くないわね」

 ルルはレナードの膝に乗っかって、プイっとそっぽを向いてしまった。

「レナードは、『心を込めて作られたものには作り手の魂の一部がある』って言っていたわよね」
「はい」
「お兄様の魂の入った木偶人形を動かす事は出来ないの?」

 それが出来れば、王太子の記憶が覗けるわ。誰の魔法なのかわかれば、私が乗り込んで解術させれば何とかなるはずよ。

「やってみましたが、ピクリとも動きません」
「レナードの魔力では無理かもしれないけれど、私なら出来るかもしれない」
「方法があるんですか?」
「レナードの魔法を複製するわ」
「そんな事が出来るんですか?」
「私の特質魔法だから。レナードと私の魔力は相性が悪いから、簡単ではないけれど、出来なくはないわ」
「もしリュシルの魔力が回復しているなら、魔法を使ってください」
「うん……もう少し回復してからね」


 けれど、それをするには1つ問題があるのよね。

 殆どの魔法は、見るだけでコツは掴めるから複製出来る。けれど、レナードの魔法は見ても理解出来なかった。

 その時は、相手の魔力を全て奪うか、相手と口付けするか、それ以上の事をしなければいけない。
 今までは、相手の魔力を奪って来た。レナードの魔法もそれで奪えると思う。けど、気になるのは番のブレス何だよね。

 このブレスは私の魔法を無効化した。
 レナードの魔力を奪おうとしても、きっとこのブレスの影響を受けてしまう。腕を切り落としてもブレスの効力がきれないのは、体にブレスの持つ特有の力が流れてるから。

 そうなると、口付けしかなくなってしまう……。


 絶対に嫌よ。

 何故私が、裏切り者ガスパールの孫を助ける為に、裏切り者ガスパールの孫とそんな屈辱的な事をしなきゃいけないの。

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