この婚約、白紙に戻させていただきます

シンさん

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お散歩2

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「メノウ、これは病気ではないから、治癒は出来ないわ。魔力がないこの子に私の魔力を分け与える事も出来ない」
「そうか……」
「大丈夫よ。私が絶対に何とかするから」
「頼む……」
「うん。それと、やけになってお酒を飲むのは良くないわ。顔が黄土色なのは、内臓が悪いからよ」

 私はメノウに治癒魔法をかけた。

「この魔法について急いで調べるから、希望を捨てちゃ駄目よ」

 そう言い残して、私は城へ転移した。


 メノウの孫が完全に木偶化する前に何とかしなきゃ。
 体が動かない、目も見えない、耳も聞こえない、口もきけない、でも意識だけはあるとしたら、きっと気が狂ってしまう。


「レナード!!」

 ノックもせずに部屋に入ると、ルルが怒って引っ掻いてきた。

「ルル、止めろ!」
「躾がなってないわね」
「リュシルが突然入ってくるから……」

 主人を護るための行動って事ね。

「今回は多目に見てあげるわ。それより、街で大変な事が起きてるわよ」
「大変な事?」
「木偶化してるのは、貴方のお兄様だけじゃない。街では流行り病として広がってるみたい」
「そんな報告は全くありませんが」
「流行りだしたのが先週くらいからなの。報告が追い付いていないだけよ」

 もしこれが本当に流行り病なら、私以外に治せる人はいないわ。
 えーい!背に腹は代えられない。

「レナード、少しだけ口を開けて」
「え?んっ…っ!?」

 私は勢いよくレナードに口づけた。
 口づけるだけじゃなく、体液が必要になるのよ。何故血液じゃ駄目なの!!


「もし、初めての口付けだったらごめんなさい。けど、これで貴方の魔法を使えるわ」
「……」

 ナイフで指先を傷つけて、その血でレナードが読んでいた本の表情に絵を描いた。

 丸の中に目を描いただけの、物体だけど。


「スピリチュア」

 そう唱えると、真っ赤な丸っこい物が出て来た。

「これを使えば……っ…」

 フラフラする。この魔法、想像以上に魔力を消費してしまう。
 だめ、立っていられない。

「リュシル!!」

 私が倒れるのをレナードが魔法で阻止して、そのままベッドに寝かせてくれた。

「ごめんなさい。貴方の魔法と相当相性が悪いみたい……」
「リュシル、まだ無理しないで下さい。私は兄の事もリュシルの事も大切なんです」

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みんなの感想(1件)

ぽよ
2024.10.16 ぽよ

リュシルが不憫過ぎて気になります
王様も兄貴もくたばれって外野は思います
レナードは加害者であり被害者?わかっててブレスレット付けたんだものね
最後まで期待しています

2024.10.17 シンさん

感想ありがとうございます。
ゆっくりですが、完結まで頑張ります。

解除

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