結婚しても別居して私は楽しくくらしたいので、どうぞ好きな女性を作ってください

シンさん

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優しくはない王子4

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「みんな。今日からニナが勉強を教えてくれる事になったよ。」
今日は院長がいて、ミラノさんはお休み。

「え~、別にそんなん出来なくても生きていけるし~」
「めんどくさぁーい。」

やはり半分以上はやる気が無さそうね。
けど、5人はペンとノートを持ってきてくれてるし、頑張ろうっ!!

リト君とジョセフィーヌちゃんは来てくれてる。やっぱり勉強したかったんだ。

「ねぇニナさん、これどうしたらいいの?」
14才の子は度々質問してくる。年が上がる毎に難しくなるし、つまずくよね。
1年も勉強できてないんだもの。
でも、こんな風に真剣に頑張ってくれると嬉しい。

「そんな事したって意味ねぇって。」
「そうそう、俺らどうせボナースだしな。」

……頑張ってる子の集中力を削がないで欲しいのだけど。
明日から屋根裏で勉強しよう。

今日は2時間で終了。


勉強を初めて1週間。
「ニナ見て!」
「うん、上手に描けたね。」
たまには息抜きも必要…と、美術や工作。
展開図は、勉強にもなるしね。

6才のリカちゃんは、褒められるのがとても嬉しいみたい。
というか5人ともね。自分が出来る事を見つけて褒められる。この子達はたったそれだけでも喜んでくれる。

「オマエら、勉強なんてしてどうすんだよ。どうせボナースって言われんのに。」 

「君達は、そんなに自分の事を卑下してどうするの。」

「何だよ、『ひげ』って。」

『難しい言葉を使われて解らなくなる』 
…この子達は、このまま育ってしまえば、本当に辛い思いをするわ。

勉強なんて出来なくても…そんなのありえないのよ。
将来の夢に向かって頑張る事も、給金のよい仕事をするにしても、ある程度の知識がないと未来を選択出来ない。

やる気のない子に勉強を教える…やる気ではなく、自分が不当な扱いをされている事を、何とか打破しようとしてくれないと…そこが院にいる子の1番の問題だわ。

それに、これだけは自分で気がつかないと駄目なのよね。

「ねぇ、君達はまだ子供だから許されるけど、18才になったら無実の罪をきせられたって牢に入れられるのよ。その時『ボナースだから仕方ない』の一言でこれからの人生を諦められるの?」

「牢にいれられるの…?」
「そんな…」

小さい子はそんな事も解っていない。

「今はまだ子供扱いだから、大きな罪でなければ捕まったりしなかったの。18才になった瞬間から捕まるの。」

「俺達がやった訳じゃなくても?」

「そう。その時にきちんと状況を説明したり、相手の言う事を理解しなければ、自分を助けられないの。」

「……」

「さっきの会話、『卑下』という言葉がから、そこで1度会話が途切れたよね。無実の罪だって言う事を『弁明してみなさい』って言われて、君は解らなかったら何て返事をするの?」

「……」

偉そうな事を言ってしまったわ。
けれど、無実の罪で人生潰してほしくはないの。
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