結婚しても別居して私は楽しくくらしたいので、どうぞ好きな女性を作ってください

シンさん

文字の大きさ
91 / 187

リード公爵とニーナ

リード公爵と1度話がしたい。
話せるかどうかなんて解らないけど、1番状況を知る事が出来るはず!

「お願い、ニナ・スミスが来たと公爵にお取り継ぎ願えませんか。」

追い返されそうになったのを、公爵の執事が来て入れてくれた。

「…突然来て申し訳ありません!私はニナ・スミスではなく、エドワード王太子の婚約者のニーナ・サナスです。嘘をついて申し訳ありませんでした。っ勝手だとは思いますが、公爵に力をお借りしたくて参りました。」

いきなり来て婚約者だなんて信じて貰えないよね。
「ああ、やっぱり。」
「………え?」
「私も君を連れてきた1人だから。だが、うっすらとしか憶えていなかった。年のせいか、視力がいいとは言えないからね。」
「…そうだったのですか。」
そうじゃなきゃ簡単には公爵に会わせて貰えるはずないよね。

「それでは、話を聞こうか。大体予想はつくが。」
「エドワード殿下がハリソン公爵のもとへ向かったのはご存知ですか?」
「…ああ。先ほど城から知らせがきたよ。
1時間程前に公爵邸に着いているらしい。」
「状況は…」
「そこまでは…」

「私、ハリソン公爵邸に状況を確認に行きたいんです。殿下がどうなっているか。忍び込こむにしても、誰かに聞くにしても、この格好では難しいと思いまして、同じ爵位である公爵なら、何か気がつかれない格好など知っているかもと。」

「そんな事をしなくてもいい。相手はこの国と戦争をしようと言っている訳でもない。今のまま民は暮らしていける。」

「ええ。私も確認が終わったら、就職活動をして、1人暮らしというプランをたててます。」
「就職…?」
「はい、脱婚約者、お払い箱、そして心機一転、新しい生活をします!」
「君は…よくこの状況で…」
「よく図太くて強いと言われますが、やりたい事をやるのには必要不可欠です。」

「…どういう事かな?」

「私のせいで殿下は話をしに行く事を決めたかもしれないんです。私の言う事くらいで…そんな訳ないかもしれませんが。」

「君に言われたからだなんて事は絶対にないよ。」

嘘か本当かわからないけれど。
「そう言ってもらえると少し楽になります。」

「殿下の様子を確認してどうする。君には何も出来ない。」

「最初から何か出来るとも思っていません。ただ、このイヤリングを直接返して欲しいと言われました。だから1度会わないと。楽しく暮らすのはその後です。未だ職は見つかっていませんけど。」
「そのイヤリングは殿下が?」
「はい。」
「そうか。…君はおそらく就職はできないね。」
「何故ですか?」
「イヤリングが彼に会いに行く為の口実だからだよ。」

「……」

「普通なら行かない。けど君は会いに行きたい。違うかい?何故パーティーでエドワードが君に気が付かなかったのかは聞きはしないが。」

「……」

「1人暮らしをすれば、君の望む生活は手に入るだろう。けれどそこにエドワードはいない。2度と話す事もない。君が思い描く未来にはエドワードはいないのかな?おそらくあの子の未来には君はいるよ。」


「なぜ今…そんな事を言うのですか?」

「もし本当にハリソン公爵の娘がエドワードを好きなら、『2人が結婚すればいい』と君は言うだろう。それでいいと思っている。けどそれは1人暮らしをしたいからであって、エドワードへの気持ちを本気で考えてみたからではない。」

「そんな事はありえません。私は迷惑してるんです。お互いそうです。結婚だって、ただの仕事のようなものじゃないですか。」

「そう。なら行かないほうがいいし、行く手助けもしない。」

「っ!?どうしてですかっ?」

「手伝う理由がない。」

「…っ」

「わしはエドワードを子供の時から見ているし、生意気に育ってしまって、『昔はかわいかったのに』とよく思う。何があったのか調べに行きたくて仕方がない。けれど君は何のために行く?…そうなると、最初に戻る。イヤリングを返すため。そんな事のために君を公爵のもとへ連れていく事は出来ない。」

理由、口実…

私は国の事も、家族の事も考えずにここに来た。これがエドワードじゃなかったら、ここまでするのかな…。

「私はただ…どうしてるのか知りたいの、
危険なら助け出したい、まだ何かあった訳でもないのに変だけど、そうしたいと思っただけ。」

「やはりイヤリングは口実だとは思わないか?それがあってもなくても、何か力になりたい…だから行くんだろう。」

「…」

「あの卑怯者から、またエドワードを助けてくれる少年は君なのかな?」

「……っ!?」

「何故それを…って顔だね。何となくそう思っただけだよ。ノワールが頑なにエドワードの結婚相手を君にしたがってたしね。」

あなたにおすすめの小説

夫は私を愛していないそうなので、遠慮なく離婚します。今さら引き止められても遅いです

藤原遊
恋愛
王妃付き護衛騎士である夫に、「お前を愛したことはない」と告げられた。 理由は単純。 愛などなくても、仕事に支障はないからだという。 ──そうですか。 それなら、こちらも遠慮する必要はありませんね。 王妃の機嫌、侍女たちとの関係、贈り物の選定。 夫が「当然のように」こなしていたそれらは、すべて私が整えていたもの。 離婚後、少しずつ歯車は狂い始める。 気づいたときにはもう遅い。 積み上げてきた信用は、静かに崩れていく。 一方で私は、王妃のもとへ。 今さら引き止められても、遅いのです。

「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある

柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった 王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。 リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。 「わかりました。あなたには、がっかりです」 微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。

幼馴染しか見えない婚約者と白い結婚したので、夜明け前にさよならしました

ゆぷしろん
恋愛
公爵令嬢レティシアは、家同士の都合で伯爵アルフレッドに嫁ぐ。 けれど夫は結婚後もずっと幼馴染のシルヴィばかりを優先し、婚礼の夜から夫婦として触れ合おうともしなかった。名ばかりの妻として伯爵家を支え、領地経営まで立て直しても、彼にとってレティシアは“都合のいい伯爵夫人”でしかない。 やがて結婚一周年の夜、アルフレッドが自分を手放す気はない一方で、幼馴染を屋敷に迎え入れようとしている会話を聞いてしまったレティシアは、ついに決意する。 ――もう、この結婚には見切りをつけよう。 夜明け前、彼女は離縁の準備を整え、伯爵邸を出奔。 身を寄せた北の港町で薬舗を手伝いながら、自分の力で生きる穏やかな日々を手に入れていく。そこで出会ったのは、身分ではなく一人の女性として彼女を尊重してくれる青年医師ノアだった。 一方、都合よく尽くしてくれる妻を失ったアルフレッドは、ようやく自分が何を失ったのかを思い知ることになる。 幼馴染ばかりを優先する婚約者との白い結婚に終止符を打ち、傷ついた公爵令嬢が新天地で本当の幸せを掴む、離縁から始まる逆転ラブストーリー。

【完結】義妹とやらが現れましたが認めません。〜断罪劇の次世代たち〜

福田 杜季
ファンタジー
侯爵令嬢のセシリアのもとに、ある日突然、義妹だという少女が現れた。 彼女はメリル。父親の友人であった彼女の父が不幸に見舞われ、親族に虐げられていたところを父が引き取ったらしい。 だがこの女、セシリアの父に欲しいものを買わせまくったり、人の婚約者に媚を打ったり、夜会で非常識な言動をくり返して顰蹙を買ったりと、どうしようもない。 「お義姉さま!」           . . 「姉などと呼ばないでください、メリルさん」 しかし、今はまだ辛抱のとき。 セシリアは来たるべき時へ向け、画策する。 ──これは、20年前の断罪劇の続き。 喜劇がくり返されたとき、いま一度鉄槌は振り下ろされるのだ。 ※ご指摘を受けて題名を変更しました。作者の見通しが甘くてご迷惑をおかけいたします。 旧題『義妹ができましたが大嫌いです。〜断罪劇の次世代たち〜』 ※初投稿です。話に粗やご都合主義的な部分があるかもしれません。生あたたかい目で見守ってください。 ※本編完結済みで、毎日1話ずつ投稿していきます。

悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます

綾月百花   
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。

【本編完結】初恋のその先で、私は母になる

妄夢【ピッコマノベルズ連載中】
恋愛
第19回恋愛小説大賞にて、奨励賞を受賞いたしました。読者の皆様のおかげです!本当ありがとうございます。 王宮で12年働き、気づけば28歳。 恋も結婚も遠いものだと思っていたオリビアの人生は、憧れの年下公爵と一夜を共にしたことで大きく動き出す。 優しく守ろうとする彼。 けれどオリビアは、誰かに選ばれるだけの人生を終わらせたいと思っていた。 揺れる想いの中で、彼女が選んだのは―― 自分の足で立ち、自分の未来を選ぶこと。 これは、一人の女性が恋を通して自分を取り戻し、母として、そして一人の人間として強くなっていく物語。 ※表紙画像はAI生成イラストをつかっています。

初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後

澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。 ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。 ※短いお話です。 ※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。

〈完結〉妹に婚約者を獲られた私は実家に居ても何なので、帝都でドレスを作ります。

江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」テンダー・ウッドマンズ伯爵令嬢は両親から婚約者を妹に渡せ、と言われる。 了承した彼女は帝都でドレスメーカーの独立工房をやっている叔母のもとに行くことにする。 テンダーがあっさりと了承し、家を離れるのには理由があった。 それは三つ下の妹が生まれて以来の両親の扱いの差だった。 やがてテンダーは叔母のもとで服飾を学び、ついには? 100話まではヒロインのテンダー視点、幕間と101話以降は俯瞰視点となります。 200話で完結しました。 今回はあとがきは無しです。