侯爵夫人は子育て要員でした。

シンさん

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上手くいかない2

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今から本邸に帰ると遅くなるので、私達は王都にある邸に帰る事にした。

馬車の中で怒られるかと思ったけど、トーマは何も言わない。
…何だか眠くなってきたわ。
邸に帰るまでは寝ては駄目だと解っていても睡魔に勝てなかった。



「寝たか。」
「そのようです。」

椅子からずり落ちないように、ミランダがルーナを抱き寄せている。

「私がルーナ様の隣に座っていて正解でしたね。」
「何故だ?」
「トーマ様がこちらに腰掛けていては、ルーナ様が椅子から落ちても抱き寄せられないでしょう。『契約』がありますので。」
「そういう場合は例外だ。」
「まぁ、そうですね。」

ミランダがわざわざ俺に話しかけてくると言う事は、何か言いたい事があるからだ。

「本題は何だ?話は聞く。」
「では、遠慮なく。離縁した後に、ルーナ様をどうなさるおつもりですか?」

やはり聞きたいのはそれだろうな。

「家を用意した。今すぐにでも住める状態にしてある。少し契約と異なるが、暫くの間ミランダもそこで護衛を続けてくれないか。」
「それは構いませんが、あのアーチャーという男は信用出来るのですか?公爵に今日の事を伝えれば、面倒な事になります。パーティー後に離縁するなら、それまであの男に好き勝手な行動はさせないで下さい。侯爵にそれが出来なければ、私があの男を暫く動けなくします。足の骨一本折るくらいなら、事故に見せかけられますから。」

骨…それは駄目だろ…。

「それから、パーティーは夜会のようですね。崖の上の孤城と呼ばれる会場に隣接された建物に泊まりだとか…。」
「ああ、大した事ではないだろう。」
「ルーナ様と同室で、ベッド1つですか?」
「まぁ…そうなるだろうな。」
「そうですか。」

ミランダの顔が穏やかすぎて怖いのだが…。

「すぐに二部屋用意してもらうよう手配します。」
「は?」
「離縁直前の生娘と同じベッドで寝ようだなんて、許せません。」
「離縁直前の生娘って…、間違ってはいないが言葉として何だかおかしいだろ。」
「最後の最後に食べられでもしたら困りますので。」
「そんな事をするわけないだろう。」
「へぇ…。」

全然信用されてないな。

「一部屋で十分です。夫婦なのですから。」

何故かマイセンまで話に入ってきた。

「執事長、長い間禁欲生活を送ってる男とルーナ様が一緒のベッドに入るのを許すのですか?」
「夫婦なのですから、何があっても問題ありません。」
「あります。私は護衛ですので、侯爵からも守ります。」

……何だ、この会話は。
2人とも、俺には理性がないとでも思ってるのか…。

それにしても、ミランダは怖いもの知らずすぎるだろ。
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