侯爵夫人は子育て要員でした。

シンさん

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命の重さ3

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次の日の朝食はトーマと一緒だった。

「具合はどうだ?」
「大丈夫よ。いつも元気なルーナだもの。」
「なら良かった。」

シリウスの子の事は、トーマは何も悪くない。それでも私が落ち込んでいると、トーマは責任を感じてしまう。だから、表情に出しては駄目。

「今日は外出しないか?」
「いいけど、…大丈夫なの?」
「大丈夫?」

ミランダだけじゃなくレオン様が部屋の脇にいるのは、トーマの護衛って事よね。
私の視線の先を見て、何を心配してるのかトーマは気付いたみたい。深く質問しなくても答えが返ってきた。

「昨日は帰ってくるのが遅くなったからレオンが護衛をしてくれただけだ。特に危険な訳じゃない。」

その流れでうちに泊まってるのは理解できるけど、何故この部屋に今もいるのかしら。

「今から帰るの?」
「……何故か数日は俺の側にいるらしい。」

トーマは不服なのね。ミランダもレオン様を見る目が冷たいし…。何故なのか聞きたいけれど、レオン様がいる前では聞けないよね。

「ルーナ、どうする?」
「危険じゃないなら行くわ。」
「じゃあ、食事が終わったら出かける用意を。あまり派手な服は着ないでくれると助かる。」
「うん。」


何故派手な服が駄目なのか、その理由は目的地についてから理解できた。

馬車に2時間ほどゆられて、着いた場所は教会だった。

表の庭では子供達が遊んでいる。

「ここは、親のいない子達の施設でもあるの?」
「ああ。」

王城があって、貴族の邸が沢山ある。大通りでは高級な物が沢山並んでいて、お金持ちしか暮らしていない街だと思っていた。けど、本当は違う。私が綺麗な方しか見ていなかっただけね。

「私達、目立ってる気がするわ。」

子供達の視線が痛い…。

「貴族がよく来る所でもないし、珍しいんだろう。」
「なら、どうしてここへ来たの?」

私は弱い。今は子供を見るのも辛い。

「ルーナ、施設で暮らす子達は幸せだと思うか?」
「どうして?」
「シリウスの子を助けられたとしても、僻地《へきち》の施設に入れられる。そこで運が良ければ養子にいけるだろうが、おそらく無理だ。それが幸せなのか、贅沢をして生きている俺には解らない。」
「……」
「それに、辺境伯にも未成年の子が1人いる。」
「…っ」
「シリウスの子は現状を把握できない年齢だから、処刑を知らなければ私怨は残らないだろう。けど、辺境伯の子は12才だ。家族を処刑されたら、それを怨まないでいられるか?『助ける対象は何才までなんだ』と問われれば、俺は答えられない。」
「……」

何も出来ない子供でも、恨む心は持ってる。その子が次の火種にならないとは言えないよね。

「聞くのは卑怯だと思う。けど、聞いてもいいか?」
「子供を助けるかどうか?」
「助けられるとすれば、おそらくシリウスの子だけになる…。それでもいいと思うか?」
「1人でも助けられるなら、助けたい。私だってそれが幸せに繋がるか解らないけど。」
「そうか。なら、頑張ってみようか。」
「…出来るの?」
「演習場の食事を何とかする仕事の何百倍も難しいし、お金もかかるけどな。」

結果はどうなるか解らないけど、私と同じ様に子供の事を考えてくれていた事は嬉しかった。

「ここに来たのはこの話をするため?」
「いや、他にもある。」
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