侯爵夫人は子育て要員でした。

シンさん

文字の大きさ
220 / 306

雫(残酷表現があります)

しおりを挟む
「王都から港まで行く途中、ラッセンうちの馬車は進めなくなった。その境界線が、子爵邸へと繋がるブロック。何故同じ通りで劣化速度に大きな違いがでたと思いますか?」
「利用頻度の差でしょう。」
「面白い冗談ですね。港から王都まで、商人は大量に荷を運ぶ。そこまで差が出るはずがない。一部修繕をしているのは明らかだ。」
「偶然ですよ。」

フレッドが言ってたようにここが変態の巣窟なら、王都から貴族やある程度の金持ちが訪れる。
となると、その道だけは必ず修繕する。
この男が港の事件と関わっているなら、港へは船で移動しているんだろう。そうすれば、誰にも知られずに動ける。道が劣化してるのにも気付かないのは納得がいく。

「このまま喋っていたって埒があかない。今後はこちらで対処させてもらう。」
「対処って、侯爵に何の権限があってそんな事が出来るのですか?」
「助力を求めたのはそちらですよ。子爵の許可は既におりていると思いましたが、違いますか?」
「……」
「まず領地改革のために、狩り場は閉鎖します。」
「道の修繕と狩り場は何の関係もありません。」
「何故そう言い切れる?不景気の原因を調べても解らなかったんですよね?」
「…申し訳ありません。侯爵の手を煩わせる事は出来ませんので、こちらで全て進めます。助言、ありがとうございました。」

この反応、狩り場に何か証拠が残ってるのは確実だな。

「王都への荷運びが上手くいかないと、物価の上昇にも繋がる。子爵が領土の管理が出来ないせいで問題が起きれば、相談された私の能力も問われる。もう、子爵が何を言っても無駄です。指揮はこちらでとらせてもらいます。」
「いくら侯爵といえど、そんな勝手な事が許されるはずがない!!」
「では、訴えればいい。ラッセンに喧嘩を売るなら、いつでも買ってやる。」
「私にだって他にも友人がいます。」
「一緒にを楽しむ友人が、子爵を助けるとは思いませんが。」
「狩りの仲間ではありません。」
「なら、ここへ連れてきた子供達が助けてくれるとでも?」
「っ!?」

この男を雨が止むまでに捕らえるのは難しくはない。
だが、俺自身で確実な証拠を押さえたい。その方が、後々回ってくる仕事を減らせる。

だが、この邸の臭いの元を辿るのは正直に言えば怖い。

耐えられないくらいの不快な臭い。

昔、何かの本で読んだ事がある。一度こびりついた腐臭はなかなか消えないと。

『一生肉が食べられなくなる。』

考えたくはないが、フレッドの言葉と合わせれば、恐らく人肉だ…。

しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

私たちの離婚幸福論

桔梗
ファンタジー
ヴェルディア帝国の皇后として、順風満帆な人生を歩んでいたルシェル。 しかし、彼女の平穏な日々は、ノアの突然の記憶喪失によって崩れ去る。 彼はルシェルとの記憶だけを失い、代わりに”愛する女性”としてイザベルを迎え入れたのだった。 信じていた愛が消え、冷たく突き放されるルシェル。 だがそこに、隣国アンダルシア王国の皇太子ゼノンが現れ、驚くべき提案を持ちかける。 それは救済か、あるいは—— 真実を覆う闇の中、ルシェルの新たな運命が幕を開ける。

【コミカライズ決定】愛されない皇妃~最強の母になります!~

椿蛍
ファンタジー
【コミカライズ決定の情報が解禁されました】 ※レーベル名、漫画家様はのちほどお知らせいたします。 ※配信後は引き下げとなりますので、ご注意くださいませ。 愛されない皇妃『ユリアナ』 やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。 夫も子どもも――そして、皇妃の地位。 最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。 けれど、そこからが問題だ。 皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。 そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど…… 皇帝一家を倒した大魔女。 大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!? ※表紙は作成者様からお借りしてます。 ※他サイト様に掲載しております。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

金の羊亭へようこそ! 〝元〟聖女様の宿屋経営物語

紗々置 遼嘉
ファンタジー
アルシャインは真面目な聖女だった。 しかし、神聖力が枯渇して〝偽聖女〟と罵られて国を追い出された。 郊外に館を貰ったアルシャインは、護衛騎士を付けられた。  そして、そこが酒場兼宿屋だと分かると、復活させようと決意した。 そこには戦争孤児もいて、アルシャインはその子達を養うと決める。 アルシャインの食事処兼、宿屋経営の夢がどんどん形になっていく。 そして、孤児達の成長と日常、たまに恋愛がある物語である。

処理中です...