侯爵夫人は子育て要員でした。

シンさん

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紺碧と淡青2

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ここで薬を売るだけでは、貴族やお金持ちに繋がるには弱いわ。時間がかかりすぎる。誰にも知られず貴族に売れる場所、1つなら思い当たるのよね。
多分間違いないはずよ。
護衛や警官だって予想はついていると思うけど、私の前で口に出して言えないだけ。
ここで尻尾を掴まないと、また捜査に詰まるのだから背に腹は変えられないわ。

「ねぇ、この国に上流階級の男だけを相手にする高級娼館はいくつあるかしら?」

娼館は港近辺に多いと聞いた事があるわ。けど、それが高級かは解らない。

「違法なのは解ってるけど、それがあるのは周知の事実よ。パウロ、護衛なら違法な場所は把握してるでしょう?」
「はい。この港に1番近いのは、ネルソン伯爵の領内にあったと記憶しています。」
「そう、ありがとう。」

やっぱり、そう難しい回答ではなかったわね。

「ソフィア・ネルソンも一枚噛んでるのね。」
「何が仰りたいのか、夫人とは会話になりません。」

最初から会話なんてする気はないわ。

「お金持ちや貴族だけを相手にする高級娼館、そこで薬を売るのは良い考えね。そんな所に通ってるっては知られたくないはずだもの、薬を買ってない客ですら口を閉ざすわ。」

娼館がある事なんて、王様でも知ってるわ。あえて口にしないのが、暗黙のルール。
金持ちの鴨がいて、秘密もばれない、最高の売り場よ。

「その娼館で薬物を売っていたとして、私は何一つかかわり合いはありませんし、全て夫人の想像でしかありません。」

証言や薬を見つけても、まだクリムを捕らえるには弱すぎる。

「クリム家は貴方だけではないわよね。一人一人に確認しても構わないけど、そうなれば罪は重くなるわよ。」
「何を聞くと仰るのですか?侯爵夫人であっても、そんな権限はないと思いますが。」
「そうね。本来ならないわね。でも、薬を売った相手が悪かったわね。」

私はワンピースのポケットから薬の包みを取り出した。

「これが何かわかるかしら?」
「いいえ。」
「そう、じゃあ確かめてみるのも良いかもしれないわね。カスターナ、少し温めのお茶を用意してくれるかしら。砂糖はこちらで入れるわ。」
「かしこまりました。」

クリムによく見えるように、私は机に薬の入った包みを4つ置いた。

「紅茶が美味しくなる、魔法の粉よ。」
「夫人…私は用事がございますので、お茶よりも話を進めて頂きたいのですが。」
「そう焦らないで、お茶を楽しみましょう。」

カスターナがカップにお茶を注いでる間に、私はシュガーポットの蓋を開け包みに入った薬物を振りかけた。

「……」
「ふふ、魔法は効くかしら?」

紅茶にスプーン1杯砂糖を入れて、私はそれを飲みほした。
当然だけど、それを見ていたカスターナや他の護衛の顔が真っ青だわ…。
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