4 / 18
第四章 世界貿易ビル地下18階の展示会
しおりを挟む
呂布はネクタイから手を離し、後ろを振り返る。
「なるほど、確かにうさんくさい建物だ」
言い終わる前に、ビルに向かって歩き出した。
ジェイソンは、急いでハイヒールを拾いあげる。そして呂布の前に回り込むと、さっと片膝をついて呂布のきゃしゃな足を持ちあげ、土をはらった。
「社長、もうすぐ商談の時間ですよ。しかも取引額が1億超えなので、欠席するのはマズいかと……」
「やめろ!」
呂布はジェイソンを蹴り飛ばす。
「今度また足かせをつけようとすれば、お前の命はないぞ!」
尻もちをついて泣きそうな顔をしたジェイソンを上からにらみつけ、呂布は裸足でビルへと続く階段をあがっていった。
ジェイソンは呂布の後ろ姿を見送りながら、顔を赤らめる。
(美しい! 嬋ちゃんをこのアングルから拝めるなんて感動だ! ああなんと素晴らしいプロポーション。まさしく神の作った傑作だ……)
世界貿易ビルのエントランスホールで、呂布は、もの珍しそうにきょろきょろと周囲を見回している。あとを追ってきたジェイソンは、足早に呂布に歩み寄る。
「あの……社長、聞いてもいいですか? なぜ急にZ社にご興味を?」
「つべこべ言ってないで、さっさと案内しろ!」
「はい!」
呂布は、前を歩くジェイソンの背中をまじまじと見つめる。
(この若造、ずいぶん俺に従順だな。どうやらこの身体の持ち主の家来らしい。だが、何か隠し事があるようだ)
ふたりがエレベーターの前まで来ると、すぐにドアが開く。
ジェイソンは左手でドアを押さえ、右手で呂布を中へと促す。しかし呂布は、いぶかしげな表情をしてその場から動こうとしない。
「お先にどうぞ」
きわめて紳士的に声をかけてみるが、やはり動く気配はない。
(なんだ、この狭い箱は? どう見ても罠ではないか)
「展示会の会場は、地下18階なんです。こちらが唯一、直通のエレベーターなので乗っていただかないことには……」
(18だと? やはり行き先は十八層地獄か! なるほど。閻魔大王に直談判すれば、生き返ることができるかもしれん……)
呂布はエレベーターに足を踏み入れると、壁に背中を貼りつけた滑稽な姿勢で、あたりを警戒し始めた。
「大丈夫ですか?」
ジェイソンが心配そうに尋ねても何も返事をしない。
エレベーターは、あっという間に地下18階に到着した。
ピンポーン──。
到着のチャイムが鳴りドアが開くと、呂布は脱兎のごとくエレベーターから走り出る。
(閻魔大王の御殿は、やはり恐ろしいところだ! 早く身体を取り戻して元の世界に帰らねば……)
呂布は、あっけにとられて立ちつくすジェイソンを振り返る。
「ぼんやりするな。早く案内しないか!」
展示会場の入り口では、背中に「Security」の文字がプリントされた制服姿の警備員十数人が、保安検査を実施している。
フォーマルな衣装に身を包み仮面をつけた幾人もの男女が、検査を終えてゆったりと会場に入っていく。聞こえてくる言語は様々で、世界中から客が集まっていることがうかがえる。
呂布とジェイソンも中に入ろうとしたが、あっけなく制止された。わけが分からず不機嫌な顔をしている呂布の横で、ジェイソンは名刺を取り出し警備員に見せる。後方にいた警備隊長とおぼしき男がめざとく名刺の文字を見たのだろう。さっと進み出てきて、両手で名刺を受け取る。
「これはこれは、あの大漢グループの。失礼ですが招待状はお持ちでしょうか?」
呂布は、ぶしつけに警備隊長をにらみつけたが、ジェイソンは落ち着いた声で事情を説明する。
「実は先日、こちらで弊社のビジネスフォーラムを開催したのですが、その時に社長がピアスを紛失してしまったものですから……。ああ、こちらが社長の陳です」
「お名前はかねがね。あの有名な陳社長でしたか」
そう言ってうやうやしく頭を下げる。
「ですが……招待状をお持ちでないと会場にご案内することはできません。」
「招待状ですか? ただピアスを探すだけなのに、ずいぶん大げさですね。お願いします。社長がとても大切にされているものなんです」
ジェイソンは食い下がるが、警備隊長は申し訳なさそうに作り笑いを浮かべるばかりだ。
「お気持ちはお察しします。しかしですね……上の命令ですので私の一存でお入れするわけには」
腰を低くしてこびへつらってはいるが、がんとして聞き入れるつもりはないらしい。
ジェイソンはさっと周囲を見わたす。
(これほど警備が厳重なら、もっと警備員が潜んでてもおかしくない。こうなったらどこかで招待状を調達して出直した方がよさそうだ)
すると突然、呂布が前に進み出た。
「この俺様の行く手を阻む者は……」
「社長、こちらに来てください」
ジェイソンは、後ろから覆い被さるようにして呂布の口を塞ぐと、そのままの体勢でひとけのないところまで引きずっていく。
「ぐえっ」
呂布の肘鉄をくらったジェイソンは、腹を押さえてひざまずいた。あまりの痛みに身体が震え、何十年も寿命が縮んだような気さえした。
呂布は痛そうに腕を振り、改めて自分の新しい身体をまじまじと眺める。
(なんて弱いんだ。力も速さも話にならん)
ジェイソンは腹を押さえたまま立ちあがる。
「社長、ここの警備はかなり厳しいので、強行突破は不可能です」
「警備? さっき入口にいた奴らのことか?」
呂布は不思議そうな顔をする。そして「俺に任せろ」と言って入口へと足を向けた。
「ダメですって!」
ジェイソンは慌てて呂布を引きとめる。
「きっとどこかに大勢の警備員を待機させてるはずなので、取り押さえられますよ。それより招待状を手に入れるべきです」
「大軍が潜伏してるのか? それは厄介だな」
呂布は腕組みをして考え込む。
「待て。お前今、何を手に入れると?」
「招待状です」
ちょうどその時、仮面をつけた男がふたり、雑談をしながらトイレに入っていった。彼らは、どちらも表にZ社のロゴが印刷された招待状を手にしていた。
(さっき見たのと同じ模様だ……)
「見ました? あれが招待状です」
ジェイソンが呂布に耳打ちをする。
呂布は、なんの迷いもなく、男たちのあとについていく。
「いけません。ここは男性用のトイレですよ!」
「貴様、また俺を引きとめるか!」
呂布はジェイソンを蹴り飛ばし、再び肘鉄の構えをする。それを見たジェイソンは、思わず腹を押さえてあとずさった。
「なるほど、確かにうさんくさい建物だ」
言い終わる前に、ビルに向かって歩き出した。
ジェイソンは、急いでハイヒールを拾いあげる。そして呂布の前に回り込むと、さっと片膝をついて呂布のきゃしゃな足を持ちあげ、土をはらった。
「社長、もうすぐ商談の時間ですよ。しかも取引額が1億超えなので、欠席するのはマズいかと……」
「やめろ!」
呂布はジェイソンを蹴り飛ばす。
「今度また足かせをつけようとすれば、お前の命はないぞ!」
尻もちをついて泣きそうな顔をしたジェイソンを上からにらみつけ、呂布は裸足でビルへと続く階段をあがっていった。
ジェイソンは呂布の後ろ姿を見送りながら、顔を赤らめる。
(美しい! 嬋ちゃんをこのアングルから拝めるなんて感動だ! ああなんと素晴らしいプロポーション。まさしく神の作った傑作だ……)
世界貿易ビルのエントランスホールで、呂布は、もの珍しそうにきょろきょろと周囲を見回している。あとを追ってきたジェイソンは、足早に呂布に歩み寄る。
「あの……社長、聞いてもいいですか? なぜ急にZ社にご興味を?」
「つべこべ言ってないで、さっさと案内しろ!」
「はい!」
呂布は、前を歩くジェイソンの背中をまじまじと見つめる。
(この若造、ずいぶん俺に従順だな。どうやらこの身体の持ち主の家来らしい。だが、何か隠し事があるようだ)
ふたりがエレベーターの前まで来ると、すぐにドアが開く。
ジェイソンは左手でドアを押さえ、右手で呂布を中へと促す。しかし呂布は、いぶかしげな表情をしてその場から動こうとしない。
「お先にどうぞ」
きわめて紳士的に声をかけてみるが、やはり動く気配はない。
(なんだ、この狭い箱は? どう見ても罠ではないか)
「展示会の会場は、地下18階なんです。こちらが唯一、直通のエレベーターなので乗っていただかないことには……」
(18だと? やはり行き先は十八層地獄か! なるほど。閻魔大王に直談判すれば、生き返ることができるかもしれん……)
呂布はエレベーターに足を踏み入れると、壁に背中を貼りつけた滑稽な姿勢で、あたりを警戒し始めた。
「大丈夫ですか?」
ジェイソンが心配そうに尋ねても何も返事をしない。
エレベーターは、あっという間に地下18階に到着した。
ピンポーン──。
到着のチャイムが鳴りドアが開くと、呂布は脱兎のごとくエレベーターから走り出る。
(閻魔大王の御殿は、やはり恐ろしいところだ! 早く身体を取り戻して元の世界に帰らねば……)
呂布は、あっけにとられて立ちつくすジェイソンを振り返る。
「ぼんやりするな。早く案内しないか!」
展示会場の入り口では、背中に「Security」の文字がプリントされた制服姿の警備員十数人が、保安検査を実施している。
フォーマルな衣装に身を包み仮面をつけた幾人もの男女が、検査を終えてゆったりと会場に入っていく。聞こえてくる言語は様々で、世界中から客が集まっていることがうかがえる。
呂布とジェイソンも中に入ろうとしたが、あっけなく制止された。わけが分からず不機嫌な顔をしている呂布の横で、ジェイソンは名刺を取り出し警備員に見せる。後方にいた警備隊長とおぼしき男がめざとく名刺の文字を見たのだろう。さっと進み出てきて、両手で名刺を受け取る。
「これはこれは、あの大漢グループの。失礼ですが招待状はお持ちでしょうか?」
呂布は、ぶしつけに警備隊長をにらみつけたが、ジェイソンは落ち着いた声で事情を説明する。
「実は先日、こちらで弊社のビジネスフォーラムを開催したのですが、その時に社長がピアスを紛失してしまったものですから……。ああ、こちらが社長の陳です」
「お名前はかねがね。あの有名な陳社長でしたか」
そう言ってうやうやしく頭を下げる。
「ですが……招待状をお持ちでないと会場にご案内することはできません。」
「招待状ですか? ただピアスを探すだけなのに、ずいぶん大げさですね。お願いします。社長がとても大切にされているものなんです」
ジェイソンは食い下がるが、警備隊長は申し訳なさそうに作り笑いを浮かべるばかりだ。
「お気持ちはお察しします。しかしですね……上の命令ですので私の一存でお入れするわけには」
腰を低くしてこびへつらってはいるが、がんとして聞き入れるつもりはないらしい。
ジェイソンはさっと周囲を見わたす。
(これほど警備が厳重なら、もっと警備員が潜んでてもおかしくない。こうなったらどこかで招待状を調達して出直した方がよさそうだ)
すると突然、呂布が前に進み出た。
「この俺様の行く手を阻む者は……」
「社長、こちらに来てください」
ジェイソンは、後ろから覆い被さるようにして呂布の口を塞ぐと、そのままの体勢でひとけのないところまで引きずっていく。
「ぐえっ」
呂布の肘鉄をくらったジェイソンは、腹を押さえてひざまずいた。あまりの痛みに身体が震え、何十年も寿命が縮んだような気さえした。
呂布は痛そうに腕を振り、改めて自分の新しい身体をまじまじと眺める。
(なんて弱いんだ。力も速さも話にならん)
ジェイソンは腹を押さえたまま立ちあがる。
「社長、ここの警備はかなり厳しいので、強行突破は不可能です」
「警備? さっき入口にいた奴らのことか?」
呂布は不思議そうな顔をする。そして「俺に任せろ」と言って入口へと足を向けた。
「ダメですって!」
ジェイソンは慌てて呂布を引きとめる。
「きっとどこかに大勢の警備員を待機させてるはずなので、取り押さえられますよ。それより招待状を手に入れるべきです」
「大軍が潜伏してるのか? それは厄介だな」
呂布は腕組みをして考え込む。
「待て。お前今、何を手に入れると?」
「招待状です」
ちょうどその時、仮面をつけた男がふたり、雑談をしながらトイレに入っていった。彼らは、どちらも表にZ社のロゴが印刷された招待状を手にしていた。
(さっき見たのと同じ模様だ……)
「見ました? あれが招待状です」
ジェイソンが呂布に耳打ちをする。
呂布は、なんの迷いもなく、男たちのあとについていく。
「いけません。ここは男性用のトイレですよ!」
「貴様、また俺を引きとめるか!」
呂布はジェイソンを蹴り飛ばし、再び肘鉄の構えをする。それを見たジェイソンは、思わず腹を押さえてあとずさった。
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
悪役令嬢に転生したと気付いたら、咄嗟に婚約者の記憶を失くしたフリをしてしまった。
ねーさん
恋愛
あ、私、悪役令嬢だ。
クリスティナは婚約者であるアレクシス王子に近付くフローラを階段から落とそうとして、誤って自分が落ちてしまう。
気を失ったクリスティナの頭に前世で読んだ小説のストーリーが甦る。自分がその小説の悪役令嬢に転生したと気付いたクリスティナは、目が覚めた時「貴方は誰?」と咄嗟に記憶を失くしたフリをしてしまって──…
一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる