この憎くて愛しい世界に

バジル

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初めまして、こんにちは。

一話

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「こんにちは、初めまして。」
........誰だろう、この男は。
何故この男は平然と僕の家でお茶を飲んでいるのか。何故こんな事になっているのか。全く持って分からない。

考えられるのは二つ。僕に取り入ろうと、下心あるやつか、僕の薬を買いに来たやつだ。僕は人間は嫌いだが、何かを売らなければ生きていけないので、でかいフード付きの服を着て薬を売っている。外に出掛けていたのでフードを被っていて良かった。しかし、男が部屋にいるだなんて誰が思うだろうか。
僕の薬は高い。が、いつもは、貴族の使用人等しか来ない。貴族本人が薬を買いに来る事などないのだ。しかし目の前の男はなんだろう。姿勢や佇まいなどは貴族のそれなのに格好はまるで平民の様にラフだ。しかしいい素材が使われているのはわかる。
だが、使用人ではないと思う。貴族の使用人であれば、使用人の格好をしてくるからだ。私服のしかも平民の様なラフな格好で来る使用人など見たことも聞いたことも無い。
この男は貴族なのだろうか。だとしても何故そのような格好をしているのか。お忍びで薬を買いに来たのだろうか。

しかし。
もしこの男が下心で来た奴ならば容赦はしない。僕はこの男をしっかりと見極めなければならない。この男から見れば無表情で見下しているだけに見えるだろうけれど。
今まで僕を魔法使いと知りながら仲良くなろうだの、協力しないかだの、馬鹿みたいなことを言い出すやつは沢山いた。中には僕の体目当てのやつもいたなぁなどと、いつもなら呑気に考えたりしている。
なぜ呑気なのかと言うと、僕は魔法使いだ。普通の人間が勝てる訳が無い。ましてや、僕の大切な愛しい家族であるモネが僕が触れるのを許可しないとそれらが僕に触れることを許さず、全てを始末する為、僕が出る幕はないのだ。
今も後ろで威嚇している。が、
いつもなら「ありがとう。」と言って任せるところだが。

今回は例外だ。

どう考えてもこの男は普通の人間じゃない。隠しているのだろうか、微かに魔力の気配がする。魔法が使えるのだろう。人間の中にも多少魔法が使えるやつはいる。それは遺伝などではなく元々その者に備わってくるもの、いわば才能だ。そしてそれは中々現れない、人間の中では実に貴重なのである。

だが、魔法使いは例外で。
どの血筋になっても魔法使いは誕生する。つまり、人間と魔法使いのハーフでも魔法使いになれるのだ。それ程までに魔法使いの血は濃く受け継がれる。

“強欲な人間達はその力をも欲するのではないか?”

そう思った魔法使いは、人間が魔法使いを利用しようとしてくる前に、人間達の前から姿を消した。

しかし、本当に消したのではなく、魔法で人間の様に暮らしているだけである。ただの人間が、僕達魔法使いが混じっている事には欠片も気づく訳が無い。
何故なら魔法を探知するための魔力がないからだ。
基本魔法使いかどうかはその魔法使いよりも強ければ魔力を探知できる。例え魔法使いであっても自分より強い魔法使いは認識できないのだ。そして、魔力持ちの人間であっても魔力の少ない魔法使いにも敵わない。
そのようにこの世界の膨大な魔力はまわっている。

そしてこの男も。
多少なりとも魔力を感じるし、隠している気配もある。
人間にしては強い魔力を持っているのだろう。
だが、焦る必要は無い。
「どちら様でしょうか。何故僕の家に居るのでしょうか。」

そう、例えこの男が強い魔力を持っていたのだとしても僕に敵うはずがない。

何故なら僕は“始祖の魔法使い”の息子なのだから。




さて、何故こんな事になっているのか整理してみよう。
考えられるのはほんの数日前の出来事である。










作者です!お気に入り、しおりありがとうございます!
すいません、どんどん話し飛んでると思うんですけど、これから数日前に遡ります...!生暖かく見守って頂けると幸いです........。
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