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40・何よりも大好きです。
しおりを挟む「お見苦しいところを、申し訳ございません」
私と2人だけで話がしたいという事で、3人娘は後ろ髪引かれる様子で帰って行きました。
マリはリコに抱きかかえられてジタバタと散々愚図っていましたが、先生に諭されて嫌々ながらも、納得したようです。
「あの娘たちが、あんなに楽しそうにしているのを見ていたら、つい」
「それで、お話と言うのは?」
先生は真剣な表情で、真正面から私を見詰め、どんな些細な嘘や誤魔化しでも、見透かされてしまいそうな瞳をして言います。
「率直にお伺いしますが、山背さんは、あの娘たちの事をどう思っていらっしゃるのでしょうか?」
「ど、どう思う?」
答えに窮しました。
「えぇ、忌憚のない、ご意見を」
先生の一言に、意味合いは違いますが『寸鉄人を刺す』という古い慣用句が頭に浮かび、『あぁ、短い一言で感情を揺さぶられる事ってあるのだな~』などと、埒も無い事を考えてしまいました。
「雇い主としてでは無く個人的には、3人共ずば抜けて美人さんですよね」
何を私は馬鹿な事を言ってるのでしょうか、すぐに自己嫌悪に苛まされてしまい、肩を落としてしまいます。
「それから?」
先生が微笑みをたたえて先を促しました。
背中をそっと押されたかのようで、3人娘への『想い』が次々と浮かんできました。
「いつも明るく、元気で、食欲旺盛、育ち盛りですもの、でも、ただの食いしん坊では無くて味覚がしっかりしていて、きっと、ご家庭でお母さまが手抜きをせずに、キチンとしたお料理をお作りになられたに違いありません。でも、でも、ちょっと、いえ、かなり図々しいところもあって、大人をからかったり、小馬鹿にしたり、ちゃっかりしてたり、抜け目ないところが有ったり、おっさん臭かったり。あ!でも、でも、でも、凄く素直で、優しい面もあるのです!」
堰を切ったように、私の『想い』が、拙いですが言葉となって溢れてきて止まりません。
「3人で言い争いをしたりもするのですけど、ハルとリコのマリを見詰める眼の慈愛に満ちた事といったら、『あぁ、女神って本当にいるんだな』と、思ったぐらいです。勿論、マリもですが、『人を思いやる心』をしっかりと持った娘たちです。そしてですね、何よりも、あの娘たちが料理を頬張る時、私は楽しくて仕方がないのです。所作が美しいだけではなく、素敵な物を見せてくれるのです」
「素敵な物?」
「笑顔です!」
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