The Eternity of Realms: Causal Nexus （永遠の領域: 因果の結節）

序章

第13話 - 光と闇の謎

序章: 第13話 - 光と闇の謎

遺跡の奥へと進むライナスは、賢者たちから授けられた知識と共に、新たな空間に足を踏み入れた。そこには広大な広間があり、天井からは無数の光の玉が揺らめき、闇と光が交互に広がる幻想的な世界が広がっていた。

「ここもまた、異世界のような雰囲気だ…。」

広間の中心には、光と闇のエネルギーが渦巻く巨大な球体が浮かんでいた。球体は不規則に明滅を繰り返し、時折、部屋全体に淡い光と影を投げかけていた。近づこうとするライナスに、突然、闇の中から声が響いた。

「光と闇、その均衡が崩れる時、全てが混沌へと戻るだろう。」

その声は低く、深みのある声だった。まるで遺跡の奥深くから響いてくるように、不気味さと威厳を併せ持っていた。ライナスはその言葉に戸惑いを感じつつも、心を落ち着かせて球体の前に立ち止まった。

「お前は誰なんだ？何のためにこの場所にいる？」

ライナスが問いかけると、球体が一瞬静かに輝きを放ち、目の前に人影が浮かび上がった。影は漆黒のマントに身を包み、その姿はどこか神秘的で威圧的だった。彼は穏やかに微笑み、ゆっくりと語りかけた。

「私はこの地の守護者だ。光と闇のバランスを保つため、ここで長い時を過ごしている。お前がここへ来たのは、偶然ではない。」

守護者の声には、どこか慈愛のようなものも感じられた。ライナスはその言葉に引き込まれ、さらに問いかけた。

「光と闇のバランスが崩れると、この世界にはどんな影響があるんだ？」

守護者は静かに頷き、手を広げた。その瞬間、球体が再び強く輝き始め、空間全体が光と闇で満たされると、彼の前に幻影が現れた。そこには、光と闇が戦う場面が映し出され、双方が衝突すると世界が崩壊し、すべてが混沌に飲まれていく様子が見えた。

「光と闇は二つで一つ。片方だけが存在することは、この世界にとって破滅を意味する。」

その映像に衝撃を受けつつも、ライナスは守護者の話を理解しようとしていた。光と闇の調和がなければ、世界は存続できない。しかし、そのバランスを崩す力が何者かによって操作されているのだとしたら――。

「どうすれば、このバランスを守れるんだ？」

ライナスの問いに、守護者は深い瞳で彼を見つめ、静かに答えた。

「お前には、特別な因果律の力が宿っている。それを用いれば、このバランスを守る役目を果たすことができるだろう。しかし、そのためには、お前自身がその力を受け入れ、完全に制御することが必要だ。」

ライナスはその言葉を聞き、心に深い決意が芽生えた。自分が背負うべき運命がどれほど重いものであるかを痛感しつつも、その使命を果たすために進む覚悟を新たにした。

「僕にできることがあるのなら、僕は全力を尽くす。この世界を守るために。」

守護者は満足そうに頷き、彼に祝福の言葉を与えた。そして、光と闇の球体から一本の光の糸が伸び、ライナスの手のひらに触れると、温かな感覚が彼の体に満ちていった。

「これは、お前の中にある力の目覚めを促すものだ。お前が真に己の力を理解する時、それは世界を救う鍵となるだろう。」

その言葉と共に、守護者の姿は消え去り、広間の中は再び静寂に包まれた。ライナスは手のひらに残る温かさを感じながら、決意を胸に遺跡の出口へと向かった。新たな力の一端を得た彼は、光と闇の均衡を保つために、これからの旅でさらに多くの試練を乗り越えていくのだろう。