誤爆師の逆転譚: 最弱からの伝説

Ⅶ.a Works

文字の大きさ
10 / 12

10話

しおりを挟む
第10話 - 「信頼の代償」


---

闇影の獣討伐を終え、ナナの村を救ったカイたちは一時的な達成感を味わっていた。村人たちは涙を流して感謝し、ナナもまた、カイに深く頭を下げた。

「本当にありがとう……私たちの希望を救ってくれて……」

その言葉に、カイは心の中で微かな安堵を感じていた。しかし、冒険者の宿命は、次の試練がすぐそこに迫っているということを決して忘れさせてはくれなかった。


---

ギルドでの帰還

数日後、ギルドに戻ったカイたちの姿は注目を集めた。今回の討伐は公式な依頼を通さなかったものの、その危険性と成果がギルド内で噂となり、多くの冒険者が彼らの帰還を見守っていた。

「おい、聞いたか? あのカイが闇影の獣を倒したらしいぞ」

「どうせまた偶然だろう。誤爆がたまたま効いただけだ」

一部の冒険者はカイを見直し始めていたが、相変わらず冷ややかな視線を向ける者も多かった。その中には、以前カイを嘲笑していたエリックの姿もあった。

「規則を破って勝手に動いたくせに、まるで英雄気取りか?」

エリックの皮肉に、カイは冷静な表情を保ちながら言い返した。

「俺が英雄だなんて思ってない。ただ、助けを必要としている人がいた。それだけだ」

その言葉に、エリックは一瞬黙り込んだが、すぐに鼻で笑ってその場を去っていった。


---

新たな依頼

ギルドマスターのサラは、カイたちの活躍を評価しつつも厳しい表情で彼を呼び出した。

「カイ、村を救ったことは素晴らしい。でも、規則を破ったのも事実よ。本来なら罰を与えなければならない」

「……わかっています」

カイは俯きながらも、静かに答えた。

「でも、あなたの誤爆スキルが予想以上に役に立つものだと証明されたのも事実。次の依頼で、その価値を本当の意味で見せてもらうわ」

サラが差し出したのは、ギルドの正式な討伐依頼だった。そこには「魔導の森で暴れる古代精霊の鎮圧」と記されていた。

「これは、私たちの最強チームでも手こずる依頼よ。本当にやれる自信がある?」

カイは、一瞬迷ったが、すぐに頷いた。

「やります。今度は、誰にも文句を言わせません」


---

魔導の森への道

新たな仲間として、ギルドから推薦された冒険者がカイたちのチームに加わることになった。

「俺はレオンだ。攻撃魔法が得意だが、余計な足手まといになる奴は容赦しない」

レオンは険しい表情でカイを見下ろし、続けて言った。

「お前の誤爆スキル、役に立つのかどうか、見極めさせてもらう」

険悪な空気の中で始まった新たな冒険。魔導の森は、濃い霧と魔力の乱れで視界が遮られ、普通の冒険者なら迷い込むだけで命を落とす場所だった。


---

魔導の森での試練

森の中で襲い来る魔物たちに対し、カイは何度も誤爆スキルを使いながら戦った。しかし、今回の敵は単純な動きではなく、誤爆に対しても予測不能な行動を取ってくる。

「カイ、何をしている! その誤爆で敵がさらに狂暴化しているぞ!」

レオンが怒鳴る中、カイは必死に状況を見極めようとしていた。だが、誤爆の結果、リズが怪我を負う場面もあり、チーム内の緊張が一気に高まった。

「もうお前のミスには付き合えない!」

レオンの声が響く中、カイは自分の無力感に押しつぶされそうになった。しかし、その時、リズが静かに声を上げた。

「カイさん、諦めないで。誤爆は失敗なんかじゃない……私たちが信じているものだから」

その言葉に、カイは自らのスキルを再び信じる決意を固めた。誤爆を使い、敵の行動を混乱させることで少しずつ有利な状況を作り出していった。


---

次回予告

魔導の森の奥に待つ、古代精霊との戦い。その戦場で、カイの誤爆スキルがさらなる進化を遂げる――その先に待つものとは?

「仲間との絆が試される時、誤爆は最強の戦術へと変わる」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

『ミッドナイトマート 〜異世界コンビニ、ただいま営業中〜』

KAORUwithAI
ファンタジー
深夜0時——街角の小さなコンビニ「ミッドナイトマート」は、異世界と繋がる扉を開く。 日中は普通の客でにぎわう店も、深夜を回ると鎧を着た騎士、魔族の姫、ドラゴンの化身、空飛ぶ商人など、“この世界の住人ではない者たち”が静かにレジへと並び始める。 アルバイト店員・斉藤レンは、バイト先が異世界と繋がっていることに戸惑いながらも、今日もレジに立つ。 「袋いりますか?」「ポイントカードお持ちですか?」——そう、それは異世界相手でも変わらない日常業務。 貯まるのは「ミッドナイトポイントカード(通称ナイポ)」。 集まるのは、どこか訳ありで、ちょっと不器用な異世界の住人たち。 そして、商品一つひとつに込められる、ささやかで温かな物語。 これは、世界の境界を越えて心を繋ぐ、コンビニ接客ファンタジー。 今夜は、どんなお客様が来店されるのでしょう? ※異世界食堂や異世界居酒屋「のぶ」とは 似て非なる物として見て下さい

崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ
ファンタジー
 ハートとお気に入り登録、ぜひぜひお願いいたします!  ↓簡単なあらすじは''もっと見る''へ!↓  ここは、剣と魔法の異世界グリム。  ……その大陸の真ん中らへんにある、荒野広がるだけの平和なスラガン地方。  近辺の大都市に新しい冒険者ギルド本部が出来たことで、辺境の町バッファロー冒険者ギルド支部は無名のままどんどん寂れていった。  そんな所に見習い冒険者のナガレという青年が足を踏み入れる。  無名なナガレと崖っぷちのギルド。おまけに巨悪の陰謀がスラガン地方を襲う。ナガレと仲間たちを待ち受けている物とは……?  チートスキルも最強ヒロインも女神の加護も何もナシ⁉︎ ハーレムなんて夢のまた夢、無双もできない弱小冒険者たちの成長ストーリー!  努力と友情で、逆境跳ね除け成り上がれ! (この小説では数字が漢字表記になっています。縦読みで読んでいただけると幸いです!)

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...