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第5章:水底に響く歌
第17話:水底の守り人
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水面を裂いて現れた赤黒い炎の影――イフリート。
その咆哮が湖全体を震わせ、空気までも焦がす。
「……っ!」
リオは掌に焔を宿し、仲間を庇うように前に立った。
だが次の瞬間、別の光が水底から立ち上がった。
――蒼。
冷たいはずの水を透き通るように、澄んだ青白い輝き。
それは炎の影を押し返すように湖面を覆い、やがて人の形を取った。
『……止まれ、イフリート』
響いた声は、湖そのものが語っているかのように深く広がった。
水の幕の中に立っていたのは、蒼い衣をまとう女性の姿。
長い髪が水流のように揺れ、瞳は泉の底の光を宿している。
「だ、誰……?」
ミナが声を震わせる。
『わたしはリュシア。水底を守るもの。この都が沈んだ日から、イフリートの封印を見届けてきた』
リサが息を呑む。
「じゃあ、この水に沈んだ街は……」
『炎に焼かれたのだ。イフリートが暴れ、都を灰に変えた。人々は命を賭して水の精霊と契約し、この街ごと湖に沈めた――それが、この“沈む都”の真実』
リオは拳を握った。
イフリート。
炎の異形。
自分と同じ「炎」を持ちながら、暴走の果てに街を滅ぼした存在。
「じゃあ……僕は、どうすればいい?」
リオの問いに、リュシアは真っ直ぐに彼を見つめる。
その瞳は湖面のように揺らがず、ただ冷たく静かだった。
『――封印を強めよ。お前の炎で。そうすれば再びイフリートは眠り、この都は守られる』
だが、イフリートの咆哮がそれを否定するかのように響いた。
赤黒い炎が水面を焦がし、歌声が再び仲間たちの心を蝕んでいく。
「……う、うう……」
ミナが頭を押さえ、リサも膝をついた。
歌声は恐怖と絶望を増幅させ、心を飲み込もうとしている。
ただ一人、リオの炎だけが抵抗していた。
胸の奥でアウラが囁く。
『リオ、選ばなければならない。炎を封じるのか、それとも――向き合うのか』
リオは仲間を振り返った。
震えるミナ、涙をこぼすリサ、必死に立ち上がろうとするカイ。
彼らの姿が、リオの胸を焼く。
「……僕は――」
炎と水の狭間で、リオの選択が迫られていた。
その咆哮が湖全体を震わせ、空気までも焦がす。
「……っ!」
リオは掌に焔を宿し、仲間を庇うように前に立った。
だが次の瞬間、別の光が水底から立ち上がった。
――蒼。
冷たいはずの水を透き通るように、澄んだ青白い輝き。
それは炎の影を押し返すように湖面を覆い、やがて人の形を取った。
『……止まれ、イフリート』
響いた声は、湖そのものが語っているかのように深く広がった。
水の幕の中に立っていたのは、蒼い衣をまとう女性の姿。
長い髪が水流のように揺れ、瞳は泉の底の光を宿している。
「だ、誰……?」
ミナが声を震わせる。
『わたしはリュシア。水底を守るもの。この都が沈んだ日から、イフリートの封印を見届けてきた』
リサが息を呑む。
「じゃあ、この水に沈んだ街は……」
『炎に焼かれたのだ。イフリートが暴れ、都を灰に変えた。人々は命を賭して水の精霊と契約し、この街ごと湖に沈めた――それが、この“沈む都”の真実』
リオは拳を握った。
イフリート。
炎の異形。
自分と同じ「炎」を持ちながら、暴走の果てに街を滅ぼした存在。
「じゃあ……僕は、どうすればいい?」
リオの問いに、リュシアは真っ直ぐに彼を見つめる。
その瞳は湖面のように揺らがず、ただ冷たく静かだった。
『――封印を強めよ。お前の炎で。そうすれば再びイフリートは眠り、この都は守られる』
だが、イフリートの咆哮がそれを否定するかのように響いた。
赤黒い炎が水面を焦がし、歌声が再び仲間たちの心を蝕んでいく。
「……う、うう……」
ミナが頭を押さえ、リサも膝をついた。
歌声は恐怖と絶望を増幅させ、心を飲み込もうとしている。
ただ一人、リオの炎だけが抵抗していた。
胸の奥でアウラが囁く。
『リオ、選ばなければならない。炎を封じるのか、それとも――向き合うのか』
リオは仲間を振り返った。
震えるミナ、涙をこぼすリサ、必死に立ち上がろうとするカイ。
彼らの姿が、リオの胸を焼く。
「……僕は――」
炎と水の狭間で、リオの選択が迫られていた。
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