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 吾輩は猫である。
 名前は……色々あるのである。
 呼ぶならば吾輩の相棒が付けてくれた名である『メイト』と呼ぶが良い、それより今はお散歩中なのである。
 お昼にする散歩は日が出ていて気持ち良いのであるから、ついついコロンと横になってしまう、そんな自分を振り切って歩く、何故なら今日は少し遠くまで行ってみたいのである。
 そうして吾輩は信号に差し掛かり足を止める。
 吾輩は此処が危ないのは知っているからして、あの光る物が緑色になった時にここを渡るのである。
 そんな事を考えていると、二人の女の子が近付いて来たので、しっかりと挨拶をする。
 にゃうん
 女子高校生A「キャー、猫だ可愛い」
 女子高校生B「信号待ってんのかな、可愛いね」
 女の子は吾輩を撫で回す、気持ち良いのである。
 そんなふうに撫でられるとついついコロンと横になりお腹を見せてしまう、そこで吾輩を撫でる手が止まる。
 女の子の方を見ると、女の子は向かい側に居る男の子を見ている。
 男の子は光る物が赤なのに渡ろうとしており、そこに車が猛突進、吾輩は急いで男の子に向かって体当たりする。
 男の子が小さかった為か、どうにか男の子は歩道に戻る。
 そして吾輩は車に撥ね飛ばされた。
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